カンボジアにいらっしゃる皆さんは実感が伴わないと思いますが、
今日は日本中のそこかしこで「西野采配の是非」が話題になっています。
この雰囲気を感じていられること自体に、
この時期に帰国した甲斐があったと嬉しく思っています。
価値観は人それぞれなので、批判する人もいて当然ですが、
「とうとう日本サッカーも、このレベルまで辿り着いたかぁ~~!」と
個人的には感無量です。
試合状況の説明や、賛否それぞれの意見はネットに溢れているので
このブログではそこの詳細は割愛して、
私が今日、考えていたことを2つ、紹介したいと思います。
1)日本のマスコミの愛国心の無さに呆れた
昨朝、スポーツ新聞の数紙が、「先発6名入替」を報じていたのですが、
TV各局のサッカー解説者が、朝の情報番組内で口を揃えて
「あり得ない!」と言っていました。
私の印象は「6名くらいの入れ替えは全然ありだけど、
酒井(豪)の右MFだけは、いくら何でもないだろう」でした。
でも結果、スポーツ新聞のスタメン予想は
ものの見事に的中していたわけです。
記者がどうやって探ったのか、誰が情報を漏らしたのかはわかりません。
でも、知り得たネタを発信するかどうか、は各紙の判断でしょ?
2010年の南アW杯の裏エピソードをご存じでしょうか?
当時の岡田監督は第2戦を前に、難敵オランダ対策として
「相手のエース(スナイデル)に対し、今野をマンマークさせる」
という秘策を練っていたんですね。
(今回、西野監督が今野を招集したかったのも、同じ理由?)
ところが、この情報を得た新聞が記事にしてしまったと知り、
岡田監督は秘策を封印せざるを得なかったのです。
そして日本はオランダに0-1で敗れました。
自分の社の部数売上が伸びれば、それでいいのか、って話です。
W杯は、国と国との「サッカー界」による総力戦なんです。
日本のスポーツ新聞は、目先の売上部数のために、
大事なメシのネタであるはずの日本代表チームに
不利になることをしたわけですね。今回も同じです。
≪追伸≫長友選手が、この件に関して涙目で訴えたそうです。
記事リンクです。
2)西野監督の【胆力】こそ半端ないって!
「チキン・ギャンブラー」だった自分の経験からして、
西野監督の胆力というか、度胸の座り方には痺れました!!
繰り返しますが「うまくいっているときは、メンバーをいじるな」
はサッカーの世界ではセオリーです。
そして、もし昨日の試合で予選敗退していたら、
西野監督はスタメン起用に関して
猛烈な批判に晒される羽目になるわけです。
ベストメンバーを出して、それで負けたら仕方ない。
多くの監督はそう考えて当然で、リスクはとりませんよね。
そして「他力本願の0-1」という決断。痺れましたぁ~。
・日本の攻めは機能していなかったこと
・ポーランドのカウンター攻撃で度々ピンチを迎えたこと
・コロンビアはブラジルと準々決勝で当たらないように、1位抜けしたいこと
・セネガルは試合の終盤にバテてくること
などなど、論理的にも考えられはしますが、
万一失敗したときの批判の猛烈さを想像したら、
並の人間ならあのような決断に踏み切れないはずです。
カジノで「ここが勝負どころ」とわかっていても、
手持ち資金を「オールイン」できなかった、
チキンな私にとって、西野監督はとても眩しく見えます。