昨日、絹自転車に伺い、荒井さんにフォークコラム延長をお願いした。

これまで荒井さんには4本ほど1インチの鉄コラムカーボンフォークをコラム延長してもらっているが、強度も精度も何も問題ない。

 

このフォークはご近所ブロ友のダイサクさんのLOOK KG171のFフォーク。

 

 

 

 

フォークコラムは鉄製なのでこれなら延長できる。

 

今回も預けるつもりで持って行ったら「これなら直ぐにやっちゃうよ」と仰る。

なんてありがたき!それなら作業の一部始終を見せてもらうことにした。

 

まずはコラムのカットから。

あまりフォーク根元近くでカットすると、カーボンの接着部分に熱影響が出るので、トップ部分のネジ部を含めて5cmほどカット。

 

 

そしてコラム内部の仕上げを。

 

 

コラム内に22.2mm径の補強パイプを挿入して溶接、延長コラムを差し込んで本溶接と言う工程で。

 

そしてコラム部の四方に5mm程の穴を開け、延長コラムにも四方に穴を開ける。

 

 

この穴はコラム内部と補強パイプをスポット溶接で固定する為。

 

 

真ん中の斜めパイプがコラム内部に入る補強パイプになる。
 

仮付け1:コラム内に補強パイプを挿入して2箇所の穴をCO2溶接し仮固定、直ぐに延長パイプを補強パイプに差し込んで、2箇所の穴を同じように溶接。

 

 

CO2溶接は錆や汚れがあってもアークで還元されるので、強度的にも、熱影響も最小限で済むという。

 

そして旋盤にコラムを咥えて、延長パイプの精度を確認。

 

 

溶接を行う度に修正を行う。

 

仮付け2:残りの2箇所×2箇所の穴をCO2溶接し、再度精度の確認。

 

 

本溶接:精度が出ていることを確認したら、パイプのつなぎ目をCO2溶接して本付けする。

 

 

熱影響が出ないように手早くやる事がコツ。

以前はコラムの本付けはロー付けをしていたが、カーボン接着部に熱影響が出るのでCO2のみにしたと言う。

 

本付けが終わったら、熱でエポキシ樹脂に悪影響が出ないように水で冷やす。

 

 

仕上げ:最終的なコラム精度の確認をして、パイプつなぎ目の溶接ビートをグラインダーとベルトサンダーで仕上げて終了。

 

 

 

延長作業はこれで終了。

 

コラム内部に補強パイプが入り、コラムの延長もあるので200~300g程度の重量増はあるが、A-HEADステムが使えるのでポジションの自由度が上がり、ハンドル周りの剛性も上がるだろう。

 

 

実質の作業時間は1時間も掛からず、しかもワタシと話をしながらなので、作業に集中すれば30分ほどで終わってしまうのではないか?

あまりの手際の良さと出来の見事さに驚いた。

 

 

荒井さん、今回はお仕事の一部始終を見せて頂きありがとうございます。

やっぱり匠の技で、大変参考になりました。