昨日、エモンダ号に入れるクランクを探していて、シマノのロード用クランクをチェックしたが、グレード毎でクランク裏の形状がかなり違う。

普通はクランク裏の写真はカタログに出ないし、バイク写真を撮ってもクランク裏が映ることは無いだろう。

 

興味ついでに工房内にあったシマノクランクの裏側を比較してみた。

クランクセットの重量はカタログデータで、170mm、50×34で統一した。

 

 

シマノの上級グレードのクランクはデュラエースとアルテグラが中空構造になっていて、強度と軽量性を両立させているのが売り。

デュラエース FC-R9000 (610g)

 

 

 

流石にデュラエースグレードだけあって、軸の根元部分はカバーが被り、フラットでキレイな仕上がりだ。

4アームとクランクの裏側は接着部分が分かるので、腐食や剥がれかけはすぐに判別ができるだろう。

 

 

アルテグラ FC-6800 (676g)

 

 

 

アルテグラクランクも中空構造で、クランク裏側はデュラと同じくアルミカバーが貼ってあるのが分かる。

しかし軸の根元部分にはカバーは無く、4アームの裏側にコーキング剤がはみ出している。

と言うことは、表側のクランクカバーと4アーム&クランクは別構造だ。

デュラエースもカバーを外すと同じような造りなのかもしれない。

 

 

105  FC-R7000 (713g)

 

 

 

105のクランクセットはクランクのボリュームがあるものの意外と軽い。

105クランクも中空なのかな(鍛造で叩いて中空にしてある?)

4アームの裏側もかなり薄く造られているし、チェーンリングの裏側も補強が入り、造りが細かい。

 

 

Tiagra FC-4700 (909g)

 

 

 

ティアグラになっていきなり重量が重くなった。

10S世代のクランクで、クランク裏にも溝が入っているが、105と200g近く重さが違うのは不自然だよな。

なぜそれだけの重量差があるのかをチェックすると面白いかも。

 

 

クランクの表側はデザインの違いが一目で分かるが、裏側を見ると構造の違いを知る事が出来る。

こうやって普段見られない部分を比較してみると意外と面白い。

 

 

現在シマノは、11S世代の中空構造クランクを破損がないか一斉点検を行っている。

中空クランクはクランク裏を切削してからアルミのカバーを接着で付けている構造と思うが、軽量化を進めて薄く削ると、クランクを踏んだ時にクランクアームに歪みが出るだろう。

その結果アルミカバーも歪むので、接着工法は長期の使用には向かない気がするな。

 

今度、12S世代クランクの裏側もチェックしてみよう。