クロモリバイク、カーボンバイク、チタンバイクと続いて、最後は他の素材のバイクのお話を。
と言ってもアルミとマグネシウム、あとウッドと竹くらいしか無いか、天然モノは乗ってないけど(笑)
トライアスロンをやっていた1990年台は新素材ブームで、まずアルミバイクが一気に増えた。
それも溶接アルミではなく、アランやビチューのような接着アルミフレームが主である。
日本のメーカーからBSのレイダックやミヤタのアルフレックスなどの接着アルミフレームが出て、トライアスロンで乗っている人は多かった。
アランやヴィチューのアルミフレームに何度か乗らせてもらったが、しなやかな分トルクをかけて踏むと剛性不足が出る。
コレは初期の接着カーボンフレームも同じ。
ワタシは新素材の進化を横目で見ながら、乗っているロードバイクはクロモリフレームだった。
新素材の導入はいずれもMTBからで、アルミは1988年、カーボンは1990年、チタンは2003年から。
ロードバイクのアルミフレームは2002年にシクロクロス用にTREK XO-1というアルミフレームを買ったのが最初。
写真は残っていなかった。
このフレームは値段も安く、シクロクロスにもツーリングにも使えて乗りやすかったが、シートピラーの固定が甘く、乗っているとサドルが下がるので、TREKにフレーム交換を願い出た。
しかしXO-1の在庫はもう無いので、TREK2300のアルミロードフレームならサイズがあるよと回答が来た。
カタログを見ると全然ハデさのないフツーのアルミフレームで、ココロ動かないフレームだったが、練習用として乗ろうかとフレーム交換してもらった。
手元に届いたフレームは飾り気のないアルミバイクだったが、FフォークはOCLVフォークだった。
カラーも重くて地味だね(笑)
何の期待もせず組んで乗ってみたら驚いた。これが素晴らしく進むのである。
アルミなのに硬さは感じられず、カーボンのような反応の良さ。
サスガに微振動は残るが、バイクは気持ちよく前に進む。この走りの良さにはナニ?
このアルミ材はアルミフレームで一世を風靡したKLEINがアルミフレームの存続をかけて開発したGR9000という高性能アルミ材を使っている。
通常のアルミ材よりはるかに高い強度と、耐久性と加工しやすさを持ち合わせた自転車用に開発されたアルミ材料で、これを上手く使う事でここまでの反応の良さが出るようだ。
同時期に買ったチタン&カーボンバックのコルナゴCT1がイマイチだったので、2300には期待してなかった分、高評価になったのかもしれないが、アルミの良さを再認識したフレームだ。
しかし2300は走りは良いものの、ビジュアルはあまりにも素っ気無い。
数年乗った後に塗装を落としてアルミポリッシュ仕上げにしてみた。
素材だけの仕上げはシンプルで好きだ。
FフォークもTREK OCLV→ DEDAカーボン→ピナレロONDA→グラファイトデザインと交換した。
現在はフレームだけで保管しているが、また乗りたいアルミフレームである。
次に買ったアルミフレームは2005年にDE•ROSAのMERAKだった。
イタリアの名門DE•ROSAに一度は乗りたいと思い、クロモリを買おうかと思ったが、当時は40台半ばだったので、まだクロモリのDE•ROSAは早いかなと思った。
それならちょっと元気のいいバイクとして、ハイドロフォーミング加工された大口径アルミフレームにカーボンバックで走りそうなMERAKを選んだ。
コレはTREK2300に乗ってアルミフレームを見直したということもある。
トビーが持っていたDE•ROSAのプラネットというアルミバイクも走りが軽かったし。
MERAKが来てさっそく組み上げて走しらせてみた。しかしなんか走りの印象が薄い。
しっかり走らないと印象が入って来ないのかと、いろんなコースで走らせてみる。
しかしメラクは走りが平凡で走りの印象が薄いのである。
素性は悪くはないが、TREK2300のような走りの楽しさがない。
ホイール中心にいろいろパーツ交換してみたが、元からの性格は変わらない。
メラクは基本性能は良く、疲れないバイクだったので、ブルベを中心とした長距離ライドで使ったが、ホントバイク選びって難しい。
世の中の情勢はカーボンバイク中心になった。
メラクに2年ほど乗って次のロードバイクを考え始める。
今まで雑誌インプレ記事を参考にしていたが、どうもインプレ記事と自分の体感が一致しない。
やっぱり実際にバイクに乗って決めた方が良いと、試乗会に行くことにした。
2007年に多摩川サイクリングロードでY‘sのロードバイク試乗会が開催された。
一番の目的はLOOK585の試乗をする事で、ワタシはカーボンバイク中心に試乗した。
LOOK585はハンドリングはクイックだけど走りが軽く、コレなら買っても良いかなと思った。
しかしワタシが一番だと思ったのはマグネシウムフレームのピナレロ・DOGMA FPだった。
走りはどのカーボンバイクより軽く、どこまでも加速できそうな反応性と振動減衰能力、そしてハンドリングの秀逸さ。
あー、罪なバイクに乗っちゃったなと思った。
当時Mgドグマフレームの値段は58万円で、とても買える値段ではない。
結局、LOOK 585を注文しちゃうんだけど、Mgドグマの印象は頭の隅に残っていた。
LOOK 585が来て乗り始めたもののやっぱり好きになれず、2008年にMgドグマFPが型遅れになったタイミングで注文しちゃたのである。
やっぱりファーストインプレッションて大切だ。
Mgドグマを組んで乗ってみると、走りはカラッと軽く、振動減衰性もハンドリングも秀逸。
このMgドグマFPでPBPを走ったが、荒れたフランスの田舎道を走り切ることが出来た。
ホントMgドグマのおかげで完走することができたと思う。
Mgドグマは2012年からカーボンバイクになった。
マグネシウムという材質はMgドグマだけで一瞬の光を放ち、自転車界からは消えていった。
金属材料として自転車マーケットに残るのは難しいのだろう。
それでもマグネシウムバイクの乗り味を忘れる事ができない。
現在、Mgドグマはワンサイズ小さかったので、ナンスの元に嫁いで行った。
ワタシが乗ったバイクの中では一番思い出深いバイクである。
その後、中古で買ったピナレロ初代Parisは一度乗ってみたかったフレームだった。
乗ってみるとペダリングは軽いのに、アルミらしくないしっとりしたフィールがあり、そしてピナレロらしい安定した乗り味でこれも良かった。
でかいサイズのフレームは、昔乗りたかったバイクが格安で出ることがある。
その代わりなかなか売れないけどね(笑)
入院しているこんな機会に、過去ログを読み直すと、こんなバイクに乗っていたよなと改めて思い出す。
自分が購入して乗ってきた台数は全ての車種を合わせると200台は超えていると思う。
まあこの経験が自分の自転車人生では役に立っていると思うしかない(笑)