バイシクルクラブ2021年 6月号に三連勝の特集記事が出ていた。
ブログで三連勝のMTBについて書いたタイミングなのでなんて良いタイミング。
記事の中には三連勝のMTBについても載っていた。
ダブルクラウンで、ディスクブレーキで、DHバイクのようなデザインだ。
これが「日本国内で最初に作ったというMTB」と記載されている。
バイクラ8月号に載っているMTBはエイ出版「クロモリロードバイク ベストセレクション」にも出ていた。
今野義さん曰く、日本で一番最初のMTBなので大切にしろとケルビムの今野真一さんに話したという。
しかし三連勝でフレームを造っていたタカハシさんはこの赤いMTBはサイクルショー出品の為に造ったと言う。
裏を取るために古いサイスポをチェックすると、この赤いMTBは1983年5月に開催されたサイクルショーに出品していたことが分かった。
高橋さんの記憶は正確だった。
この赤いMTBは左側にFアップで立て掛けられている。
良く良く写真を見ると右側の壁側にもMTBらしきバイクが展示されている。
そして1984年8月にアウトドア雑誌のビーパルが主催したMTBミーティングにこのバイクで参加したと出ていた。
このMTBが造られた時期は1982年秋から1983年春頃になると思われる。
先日、タカハシさんは「三連勝で一番最初のMTBは、サイクルスポーツ1982年8月号に出ているスペシャライズド・スタンプジャンパーの試作車が一番最初です」と教えてくれた。
スペシャライズドマークがダウンチューブに入るが、特徴的な肩当てが付いている。
それではこのスペシャライズドのMTBはいつ頃造られたのか。
当時三連勝ではスペシャライズドのロードフレームをOEMで造っていたが、マイク・シンヤードからMTBの試作を依頼され、アメリカ製ハンドメイドMTBを預かり、そのMTBをベースに試作を行なったという。
スペシャライズド・スタンプジャンパーは1981年9月に世界初の市販MTBとして発売されている。
三連勝の試作車とはかなり違うことが分かる。
それでもこのフレームは日本製フレームで、東洋フレーム製と思われる。
試作車の制作は1980年から1981年頃に制作されたようなので、三連勝で最初のMTBはこのモデルのようだ。
サイスポ82年8月号に「カシワ・トムキャット」として出ているMTBも日本の最初期MTBだろう。
このカシワ号MTBは三連勝の今野義さんがプランニングしている。
よくよく見るとヘッドチューブがかなり長い。
アメリカ製のMTBを日本の環境に合うように造られたのかもしれない。
ダブルクラウンの赤いMTBは今野義さんが日本最初に造ったMTBと思い違いをしていたのではと伺った。
日本で初めて造られたMTBが何なのかはまだはっきりしないが、三連勝が造ったスペシャの試作MTBもほぼ最初期MTBで間違いなさそうだ。
高橋自転車のタカハシさんは当時、三連勝の中でフレーム造りをしていて、MTBが造られる現場を見ていた方なので非常に貴重な情報である。
本当に感謝感謝である。
MTBの歴史は自分のサイクリング史にもリンクするので面白い。
最初期MTBについてはもうちょい掘り起こしたいと思います。