昨日届いたXTR変速機。
XTRは初代のM900系が1990年に発表されたので、すでに約30年、7世代目の歴史があるが、せっかく全てのXTRが手元に有るので簡単に各世代の特徴を。
1世代目のRD-M900系は1990年に発表、1991年に発売。
XTRはMTBの最高グレードとしてデビューしたが、変速機自体は大きくXTと変わらない。
MTB用として初めて8Sになった。
シンプルな形状で、今見るとロード用変速機という感じ。
この世代、XTRのローギヤは32Tで、MTB用のローギヤがここまでデカくなるとは!と当時は驚いたが、現在ではロード用のローギヤは34Tになってしまった(笑)
2世代目のRD-M950系は1995年に発表、1996年に発売。
M950は8S用だが、1998年から9S化され形式はM952に変更された。
1世代目と比べるとエッジの効いた形状で、ガンメタ仕上げになった。
個人的にはピボットボルト下の二股に分かれた形状がカッコ良く、この世代のXTRが一番好き。
1997年にローノーマルのM951を追加し、シマノはラピットライズを提唱した。
ワタシはRシフト方向が今までと逆になり迷うので使わなかったが、メカニカルなワイヤーリードはカッコ良す。
3世代目のRD-M960系は2002年に発表、2003年に発売。
9S用で、MTBにもSTiレバーが導入され、ローノーマルRDだけになった。
シフトワイヤーアジャストボルトも無くなった。
ワタシはシフト操作方法が変わるのがイヤでこの世代のXTRは使ってない。
4世代目のRD-M970系は2006年に発表、2007年に発売。
9S用で、パンタアームの「X」デザインが特徴的。
ローノーマルRDの思わぬ不人気にこの世代はトップノーマルも再設定された。
そしてサイドへの張り出しが少ない「シャドーデザイン」を採用したシングルテンション構造のRD-M972が2008年にデビューする。
このモデルが現行の変速機のベースデザインになり、ココからシマノの変速機はロード用も含めてシングルテンション構造の変速機設計になる。
両面にカーボンケージを使ったのもこのXTRが初めてだが、流石に強度不足だったようで、次のモデルからはインナーケージだけアルミ製に戻った。9S用。
5世代目のRD-M980系は2010年に発表、2011年に発売。
10S用、M972と同じくシャドーデザインでシングルテンション変速機。
ローノーマル仕様は無くなった。
M985からチェーンの暴れを押さえるチェーンスタビライザーが付いた。
ロアーボディ下のオレンジ色のレバーを操作すると、ケージがテンション方向しか動かなくなる。
XCレースだけではなくオールマウンテンでも使えるような設定になったという事だ。
6世代目のRD-M9000系は2014年に発表、発売。
11S用になり、エッジの効いたデザインからヌメっとしたデザインになった。
シャドーで、シングルテンション変速機で、チェーンスタビライザー付きという所はキープコンセプト。
そしてMTB用として初めての電動変速機 Di2のRD-M9050は2015年に発表、発売。
シフターを扱えば自動的にFDも動作して適切なギヤを選ぶシンクロシフト搭載。
現行のM9100系ではDi2は出ていないので、このモデルが現行の電動変速機になる。
7世代目のRD-M9100系は現行モデルで、2018年に発表、発売。
12S用、シャドーRD+デザインでガンダムチックなデザインになった。
ローギヤが46T対応で、プーリーは大型の13Tになり裏から見るとスゴくデカい。
ボディはFシングル仕様とダブル仕様があり、使い分ける時代になった。
9100系で電動シフトのDi2が出てないのは何故だろうか。
何か新しい機能を搭載してそろそろ発表してもいいと思うのだが。
以上がXTR30年の歴史。
XTRはロード用よりバリエーションも多く、マイナーチェンジも多いが、MTB用のパーツならどんどん新機能を搭載して進化して然るべきと思う。
XTRはほぼ4年毎のモデルチェンジで、直線的なデザインと曲線的なデザインが交互に来ているので、次のフルモデルチェンジは2022年頃、滑ったデザインで出るという予想かな(笑)