カーボンディープリムは如何にも速く走りそうな雰囲気が出るし、実際速いので、使っている人も多いと思う。
ワタシもトライアスロン時代から数えると50mmハイトのホイール中心に10数本のカーボンディープリムのホイールを使った。
随分、散財をしてきたが、今残っているカーボンディープリムのホイールはBORA G3と3T ORBISⅡだけ。
ボーラはイタリアで冬場に吹く強い北風の事で、我々スーパーカー世代には「マセラティ ボーラ」を思い出す。
カンパニョーロがBORAというホイールを出すと知った時、その影響もあるのかと思った。
BORAというホイールはカッコ良く評判も良いが、実際使っても良く回るホイールだ。
ここでいくらBORAを褒めてもただの自慢になるだけなので、少しは参考になるようにBORAのざっくりした歴史のおさらいを( 重量はカンパ用ホイール)
初代BORAは1994年から1995年に出たカーボンリム仕様が最初になる。
まだ完組ホイールが少ない時代に出たハイエンドホイールだった。
重量はFが700gでスポーク数14H、Rが990gで16H仕様。
ウルリッヒがここぞと言う時に使っていたね。
当時の値段はFが103500円、Rが115000円で、今だとそれほど高く感じないが、当時はとてつもなく高いホイールと思った。
実際、このBORAを日本で見たことが無い。
2代目BORAは「BORA TITANIUM」と言う名前で、1996年に発表。
アルミリムにカーボンカバーを被せたホイールになってしまった。
チタンアクスル仕様だったので「TITANIUM」表記が付いた。
Fが830gで12H、Rが1040gで12H仕様とスポーク数が少なく、現在だとUCIの規定でレースで使えない。
1999年から2003年までのBORAはアルミリムに黒いカーボンカバーで、スポーク数が増えた。
Fが722gで14H、Rが898gで16H仕様。
アルミリム仕様で前後で317000円と値段も高く人気がなかった。
2004年からカーボンリムのG3組になり、BORAは今のモデルと同じスポークアレンジメントになった。
Fが570gで18H、Rが750gで21H仕様。
値段は442890円。
2006年からRハブの変更でBORA ULTRAになった。
Fが565g、Rが740g。
ULTRAのロゴが派手で人気が高い。
530250円と値段もウルトラ(年によって変動あり)。
CULTベアリングのBORA ULTRA TWOになったのは2009年からで、Fが565g、Rが740g。
ダークラベルは2012年に追加。
値段は451500円。
2015年から24.2mmのワイドリムになり新世代ホイールになった。
その他、アルミハブのBORA ONE、80mmハイトのBORA ULTRA 80、35mmハイトのBORA ULTRA 35、ディスクホイールのBORA TT、その他クリンチャーモデルも有り、もう覚えきれない(苦笑)
ワタシのBORAはG3組みになった最初のホイールで、2004年~2005年のモデル。
ナローリム50mmハイトの世代で、ULTRA表記の無いシンプルなデザイン。
当時の値段は40万円オーバーと、とても一般人が買えるホイールではなく、10年ほど前に友人が手放すと言うので、格安で譲ってもらった。
古いカーボンリムは、下りでブレーキをかけ続けると発生した熱でカーボンの積層が剥がれ変形することがあったが、BORAは長く下っても熱による変形は全く出ない。
BORA G3はホイールの剛性は充分で、踏めばスピードは伸びるし巡行しやすく、下りのハイスピードコーナーでも腰砕けにならない。
そのくせBORAには不思議なしなやかさがあり脚に来ない。
BORAのリムは前後で同じように見えるが、前輪と後輪で引き受ける役目に応じてカーボン積層を替えて別に造り分けをしているのはすごいと思う。
BORAは最初は怒熊FP号で使っていたが、この相性も良かった。
しかし怒熊号に乗る機会が少なくなり、TIME VSRで使うことにした。
最近のワイドクリンチャーリムのBORAは更に剛性が高くなり、しなやかさが消えてBORAらしさが消えたと言われる。
その点でもナローBORAは貴重で、ワタシにとってBORA G3は性能面で不満な点は全く無い。
この後のBORAデザインはだんだん派手になり気後れするので、G3はシンプルなデザインが気に入っている。
今後のロードバイクはディスクブレーキ中心になり、完組ホイールの供給もディスクホイール中心に移行するだろう。
そうなるとリムブレーキ用ホイールの選択肢はかなり少なくなることが予想される。
実際、リムブレーキ用のチューブラーカーボンディープリムの選択肢は極端に減ってしまった。
新型BORAは WTO(ウインド・トンネル・オプティマム)シリーズになり、更にエアロダイナミック性を追求され、チューブレス&クリンチャー用になった。
当分リムブレーキのバイクに乗り、チューブラーでカーボンディープリムを考えているなら、今のうちに程度の良いホイールを探したほうが良さそうだ。
乗り心地の良いリムブレーキホイールを選べる最後の時期かもしれない。
ワタシはBORA G3と最後まで連れ添うつもり。