ワイヤーについて

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KINBOWさんから、シマノとカンパのシフトワイヤーの互換性について
質問をいただきました。
そこでワイヤーをネタでちょっと書いてみます。


通常ワイヤー類はコンポーネントパーツ純正を使うのがセオリーで、
メーカーもサイクルショップでも違うメーカーのワイヤー使用を勧めない。

先日箱買したシマノ・ステンレスワイヤーの太さは1.2mmで、カンパニョーロも同じ。
ワイヤーヘッドの形状はどうなのか。拡大するとこんな感じ。
上がカンパニョーロで、下がシマノ。

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ワイヤーヘッドの形状がカンパニョーロとシマノではかなり違う。
ワイヤーヘッドの径を計るとシマノは4.4mm、カンパ用は3.9mm。
その差0.5mmだが、エルゴパワーにシマノのシフトワイヤーを入れても収まる。
エルゴのワイヤーホールのサイズにほぼぴったり。

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純正の組み合わせでは隙間があるのがわかる。
ということはシマノワイヤーを長期間使用すると固着する可能性もある。

昔、カンパのWレバーに他のワイヤーを入れると、ワイヤーヘッドサイズがギリギリなのですぐ固着した。
そうなるとカンパのWレバーは使えなくなり、涙涙… そんな経験を持つ人も居ると思う。

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ワイヤーを拡大すると、カンパニョーロのワイヤーは細い拠り線で、しなやか。
シマノは粗い仕上げでワイヤーが直線的に構成されている。
カンパワイヤーは抵抗が少ないと思うが、ワイヤー伸び量は多いかもしれない。
拡大してみて判ったが、シマノのワイヤーはやっぱり仕上げが粗い。
安いだけの事はある。

で、どうなのか。使えるのか、使えないのか。
結論から言うとワタシはずっと使っている。

今まで特に問題なく、ワイヤーの抜き取りも支障は無かった。
その代わり付けるときにワイヤーヘッドにグリスを塗り、小まめにワイヤー交換をしている。

それからあまり自慢できることではないが、交換の際、R側シフトワイヤーを交換し、
外したR側のワイヤーをF側と交換して使っている。

もちろん邪道だ。両側同時に新品に交換した方が良いに決まっている。
しかし根が貧乏性なこともあり、まだ使えるものを捨てるのは忍びない。

F側はシフトの変速頻度が少ないし、FDはストロークが大きく、スプリングも強いので、変速不良は発生しない。
昔のワイヤーは品質が悪く、素線切れを起こしたり、
タイコ部分が飛んだりしたが、最近のワイヤーではまずそんなことは無い。

個人的見解としては高いワイヤーを長期間使うより、安いワイヤーを小まめに交換し、
その都度、アウター内をクリーニングし、
ワイヤーのグリースアップしたほうが変速の軽さを維持できる。

ワタシはワイヤー潤滑にはチタンスプレーを使用。
抵抗軽減できてアウターのケーシングも痛めず良好。


もしワタシが小売店の立場ならこんなやり方は全く勧めない。
純正を付けるだろう。そっちの方が利益も大きいからね。
しかし趣味で部品交換もメンテも全て自分で完結するなら、全て自己責任。
試して自分が納得すれば良いと思う。

ブレーキワイヤーでもエルゴパワーでシマノワイヤーを流用し、
R側ワイヤーをF側に流用交換している。今のところ問題は発生してない。
こちらもこまめに交換がセオリーです。

シマノ(上)とカンパニョーロ(下)のブレーキワイヤーを比べてみるとこんな感じ。
ヘッドの形状は違うが、カンパのブレーキレバーにシマノのワイヤーは問題なく入る。
逆はやってないけど、多分問題ないはず。

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カンパのワイヤーセットはアウターとワイヤーのセット売りで7000円もする。
値段の高いカンパ用をあえてシマノ用に流用することは無いと思うが、
シフト用はSTIのワイヤーホールに隙間が出来ると思うので
やらない方が良いと思う。

旧車に乗っている人で、ワイヤーが曲がり、
ほつれている旧いワイヤーを使っている人がいる。
純正のワイヤーを使いたい気持ちも分かるが、あれは危険だ。
ワイヤーはヤバい時に切れるのだ。ワイヤー一本に命を載せている。
たかがワイヤー、されどワイヤー。

KINBOWさん、ワイヤー互換はこんな感じでーす。
あくまでも個人的見解です。
よろしくです