今朝標記の患者さんのお母さんから電話をいただきました。
昨年11月半ば、37度台の発熱後から疲労倦怠感が著しく登校出来ていないと。
ちなみに発熱は1日だけで、コロナではなかったそうです。
心療内科や精神科を受診しても原因・病名が不明であるとされたそうです。
中学生や高校生が登校出来ないのは非常に困ります。
基本的な検査は行っているそうですので、この状態では慢性疲労症候群になりかかっている可能性があると考えます。
成人の慢性疲労症候群の診断基準では、日常生活に支障があるような著しい疲労倦怠感が6ヶ月続くことが条件になっております。
しかし、中学生や高校生が6ヶ月もこのような状態が続いたら人生が狂ってしまいます。
そのため、日本では小児の慢性疲労症候群では成人よりは疲労倦怠感の持続期間を3ヶ月間として、早期の治療開始を推奨しております。
診断基準を満たすまで待つ必要などありません。
どんな病気でも、症状が出てから早く適切な治療をした方が早く治ります。
そうしないと人生が狂います。
では何が適切な治療なのでしょうか?
慢性疲労症候群は薬物治療では治りません。
これまで日本では、約30年間慢性疲労症候群を診断して治療してきた歴史があります。
当初は理論的にこの薬を使えば効くのではないか?とされ試されてきました。残念なことにことごとく失敗してきた歴史があります。
これから先、効果的な薬剤が出てくるかもしれませんが、現状では期待できません。
当クリニックでは慢性疲労症候群治療の歴史では早期から参加してきました。
我々は診断よりは治療そのものを重視し、様々な取り組みをしてきました。
薬物治療も行ってきました。
薬物治療はなかなか効果がありませんでした。
薬物治療では治癒までは無理だったので、物理的刺激を中心とした治療に切り替えました。
この治療法が効果的でした。
当初は注射の針を利用した刺絡と気診治療の組み合わせでした。
しかし、この方法では治療の頻度を増やすことが難しかったのです。
それを解決するために、綿花を利用したまだらめ式間接灸と気診治療の組み合わせに変化してきました。
刺絡を中心とした治療では慢性疲労症候群の治癒率は42%でしたが、綿花を利用した、まだらめ式間接灸を中心とした治療法では60%を超えるようになりました。
治癒に至る期間が短縮される効果もありました。
一般的にいわゆる治療法というと薬物治療しかイメージできない方が多いので、物理的刺激に拒否感を持つ方も多いのです。
また、針灸治療は受けてきて効果がなかったとおっしゃる方も多いのです。
針灸治療というと誰がやっても同じ内容の治療法と誤解している方も多いのです。
同じ針灸治療という名称でも、中身は千差万別です。
どのような考え方で治療しているのかわからないでしょう?
治療のレベルは確実にあります。
治療を繰り返せば治癒に至るような治療が望ましいのです。
治療を繰り返しているうちに効果的な時間が短くなるのは危険な治療です。
ご用心・ご用心です
青山・まだらめクリニック 自律神経免疫治療研究所