牝馬クラシックとは異なり混迷を極めていると思います。前置き抜きに振り返って行きます。


【朝日杯FS】

直線入口3番手で並んでいたジャンタルマンタルとタガノエルピーダが1着3着。2着4着5着は後方待機組。ハイペース判定で、勝ちタイム1.33.8で走れた馬が上位に来れたという感じのレース。

タイム的に水準ではありそうだが、阪神JFの1.32.6と比較した際の1.2秒差は、開催週や馬場状態を差し引いても大きいのではないか?


この組の年明けの好走馬は…

1着ジャンタルマンタル(共同通信杯2着)

3着タガノエルピーダ(チューリップ賞4着、忘れな草賞1着)

4着ジューンテイク(すみれS2着、若葉S5着)

8着ダノンマッキンリー(クロッカスS5着、ファルコンS1着)


勝ち上がりは2頭だが、忘れな草賞、ファルコンSは関連性の薄いレースでここでは取り上げません。

問題はタガノエルピーダのチューリップ賞4着で、これは朝日杯FS3着馬なら通常1着か2着、最悪でも3着は死守しないといけないメンバー構成。それが逆に3着馬から少し離されてしまった。この組の評価を大きく落とす結果だったと言える。


この組から参考にするのであれば

1着ジャンタルマンタル

ここまで1600~1800を走って【3-1-0-0】

先行して力を出し切るタイプで、物差しとしての信頼度は極めて高い。


しかし前走のデイリー杯2歳Sは、

6着カンティアーモ(フラワーC3着)

が、あるくらいで壊滅状態。


ジャンタルマンタルの次走となる共同通信杯は後述するとして、朝日杯FS組のレベルは高くないと言い切って良さそうです。


【ホープフルS】訂正しました。

2着シンエンペラーがインの好位から直線突き放しにかかるのを、後方待機から内ではなく外目の良い所を選んで延びたレガレイラが差し切った。

レガレイラと並んで延びてきたサンライズジパングだったが、ゴール前引く場面があり離れた3着。それがなければ上位2頭ともっと際どくなっていたのは間違いなく、コーナーで外を回されて位置取りを下げるロスもあった。

この3頭が抜けていたレースとします。


4コーナーで押し上げた中団のメンバーが大きく外を回された為、後方待機組が開いた内を突く事が出来た。4着5着がこれに当たる。俗に言うゴルシワープが発動した形だ。次走以降の成績を見ても大きな評価は出来ない。


この組の年明け好走馬は

2着シンエンペラー(弥生賞2着)

3着サンライズジパング(若駒S1着)

5着ミスタージーティー(共同通信杯7着、若葉S1着)

6着シリウスコルト(弥生賞3着)

7着ショウナンラプンタ(ゆきやなぎ賞1着)

8着インザモーメント(きさらぎ賞4着、アザレア賞1着)

9着ディスペランツァ(1勝クラス1着)

10着ウインマキシマム(ゆりかもめ賞1着)

15着アモシエラ(ブルーバードC 1着、京浜盃2着、ともに地方交流重賞)


外を回した組も次走即巻き返しており、2歳戦におけるメンバーレベルではホープフルSが断然と言って良いでしょう。


この中から参考にするのは

2着シンエンペラー

ここまで1800~2000を走って【2-2-0-0】負けた2走も0.1~0.2秒差と力を出し切るタイプで、物差しとしての信頼度は極めて高いです。


その前走京都2歳S

2着プレリュードシチー(以降未出走)

3着サトノシュトラーゼ(あすなろ賞1着、毎日杯6着)

4着ダノンデサイル(京成杯1着)

5着キープカルム(つばき賞2着、若葉S3着、ひめさゆり賞1着)

6着ディスペランツァ(ホープフルS9着、1勝クラス1着)

ここまでが0.2秒差で雪崩込んでおり、7着以下は離している。


しかし…

7着オールナット(あすなろ賞3着、大寒桜賞2着)

8着コスモキュランダ(1勝クラス2着、弥生賞1着)

9着ホウオウプロサンゲ(すみれS7着、若葉S2着)

12着パワーホール(共同通信杯3着)

13着ルカランフィースト(若竹賞1着、スプリングS3着)

7着以下においても、その後安定した成績を残してる馬が多数。


2歳戦を振り返った際の王道路線は京都2歳S→ホープフルS。中心馬はシンエンペラーと結論付けて問題はないでしょう。


※2歳G1の阪神JF、朝日杯FS、ホープフルSを振り返ると、レガレイラが何故ホープフルS出走に至ったのか…というのが浮き彫りになって来ます(1着というのは結果論なのですが)。

ここで書くには少し長くなるので、余裕があったら別のブログで。

間に合いました。




という訳で、年明けのレースはシンエンペラーをから振り返っていきます。


【弥生賞】

1着コスモキュランダ

2着シンエンペラー

3着シリウスコルト

レースはスローの前残りの展開の中、道中捲って奇襲を仕掛けたコスモキュランダがシンエンペラーを振り切って勝利。シリウスコルトも一気に来られたが崩れる事なく粘り込んだのは価値がある。


5着シュヴァルツクーゲル(東スポ杯2歳S2着)

6着トロヴァトーレ(新馬→葉牡丹賞無敗)

7着ダノンエアズロック(新馬→アイビーSでレガレイラに勝利、無敗)

9着ファビュラススター(新馬→1勝クラス無敗)

らの上位人気馬がコスモキュランダにふるい落とされた形となる。

京都2歳S→ホープフルS組が上位を占めレベルの高さを証明した。年明け最強のレースはおそらくここでしょう。


シンエンペラーは完調ではなかったかもしれないが、-2kgと仕上がっていなかった訳ではないだろう。コスモキュランダは額面通りの評価とします。

むしろここで危惧すべきは、シンエンペラーが完成度の高さで好走を重ねていて、どこかで通用しなくなるタイプかもしれない点。


【共同通信杯】

2着ジャンタルマンタル

超スローの極限の上がり勝負で、自身も32.6の脚を使っているが、前にいた勝馬にも同じ脚を使われ捉え切れなかった。距離が伸びるのはマイナス濃厚と言えるレースぶり。


1着ジャスティンミラノ(新馬戦勝利)

新馬戦は2着ヘデントールが3着以下を離しており、同馬がその後未勝利→1勝クラス圧勝。ジャンタルマンタルとの二方向から地力の裏付けが成されている。


しかし3着にはパワーホール(札幌2歳S2着、京都2歳S12着)が逃げ粘っており、お世辞にもレベルが高いレースだったとは言い難い。


敗れた主な出走馬は…

5着エコロヴァルツ

スローで折り合えず失速。距離延長に大きな不安を残す結果に。

7着ミスタージーティー

超スローの後方待機で出番無し。上がりも33.0と前にいた馬にも及ばす。展開の助けが欲しいタイプ。


この組の評価としては…軽視は可能だがジャスティンミラノはおさえ以上必須。という所。


【スプリングS】

少頭数のスローの前残りのレース。

3番手からシックスペンス(新馬→ひいらぎ賞無敗)が瞬発力の差で2着以下を0.6秒突き放した。同馬が回避という事で基本的に用無しの組。


敗れた主な出走馬は…

4着コスモブッドレア(京成杯3着)

距離短縮+前残りとお誂え向きの展開にも関わらず直線伸びあぐね4着同着。京成杯組の評価を大きく落とす結果。

9着ウォーターリヒト(シンザン記念3着、きさらぎ賞2着)

展開コース向かず出番無し。年明け3戦目とヤケクソ気味の出走にも見えた。


【シンザン記念】

上位3頭が次走重賞で好走しており、レベルが高かった可能性があるレース。

1着ノーブルロジャー(毎日杯2着)

2着エコロブルーム(NZT1着)

3着ウォーターリヒト(きさらぎ賞3着)


ここから皐月賞への参戦はないので、3着ウォーターリヒトからきさらぎ賞へ繋げます。


【きさらぎ賞】

1着~4着が5着以下を少し離したレース。

2着ウォーターリヒト(シンザン記念2着)

4着インザモーメント(ホープフルS8着、次走アザレア賞圧勝)

この2頭を物差しにすると、少なくとも1勝クラス以上、重賞として水準のレベルは担保されているレースだと言える。

このレースからの参戦は1着のビザンチンドリームのみだが、同じ1800重賞の共同通信杯、スプリングSよりはここの組が優位に見える。


【毎日杯】

結果だけを言えば1着メイショウタバルが2着ノーブルロジャーを1.0秒突き放す圧勝。

要因としてはノーブルロジャーが重馬場+1800への延長で、力を発揮しきれなかった事だろう。

対戦比較からはこの圧勝劇の背景を見いだす事は出来なかった。分かる人がいるなら教えてほしいくらいである。

重馬場で1.46.0と他の1800重賞を圧倒しているので、突発的に強くなった可能性もゼロではないが、妙にいいタイムが出てしまっただけの可能性もある。おさえには入れるかもしれない。


【若駒S】

1着サンライズジパング(ホープフルS3着)

この組からは4着エルフストラック(デイジー賞2着、フラワーC5着)くらいと、低調なメンバー構成。

重馬場が合わないのか、勝負所でも全く進んで行かなかった同馬が直線突き抜けたあたりは、明確に体力差があったのだろう。ホープフルS3着の地力の裏付けにはなったと思われる。


【京成杯】

1着ダノンデサイル(京都2歳S4着)

2着アーバンシック(新馬→百日草特別1着無敗)

3着コスモブッドレア(スプリングS4着)

以下1勝クラスで2着がある馬が数頭いるくらいと低調なメンバー構成。アーバンシックの前走百日草特別からも勝ち上がりが出ておらず、この組のレベル自体は高くない。

ダノンデサイルが勝ち切った事で、京都2歳S組のレベルの裏付けにはなった。


【若葉S】

3着キープカルム

新馬戦ジャンタルマンタルの0.4秒差2着

未勝利ウォーターリヒトに+0.3秒1着

京都2歳Sシンエンペラーと0.1秒差5着

つばき賞メイショウタバルのアタマ差2着

若葉Sミスタージーティーの0.1秒差3着

ひめさゆり賞ハナ差勝利

常に強い相手と僅差の勝負をしており、物差しとしての信頼度はかなり高い。

最後が福島の1勝クラスと、かなり格を落としたがハナ差なので相手なりなのだろう。


2着ホウオウプロサンゲ

アイビーSでレガレイラに先着も、京都2歳S0.7秒差9着、すみれS1.1秒差7着と底を見せている。


1着ミスタージーティー

ホープフルS0.5秒差5着、共同通信杯0.9秒差7着

重賞となると展開の助けは欲しい。


シンエンペラーとキープカルムを信じるなら、おさえる価値はある組。


【すみれS】

1着サンライズアースが道中捲り上げて押し切る強い内容。0.3秒差2着ジューンテイクが3着以下を0.5秒離しており、この2頭のレース。

そのジューンテイクが次走若葉Sで0.6秒差5着に敗れており、この2レースにおいては若葉Sに軍配が上がると見る。


以上になります。


【まとめ】

今年の王道はシンエンペラーの歩んだ

京都2歳S→ホープフルS→弥生賞

これに付随するレースが

京成杯、若葉S、若駒S


別路線から警戒の必要性が高いのは

きさらぎ賞、毎日杯


他は軽視可


と、結論付けます。