人が自分の人生をよりよく掌握できるよう手助けする
一つの方法である”リアリティ・セラピー(現実療法)”
をご紹介します![]()
「リアリティ・セラピーの理論と実践」
(ロバート・ウオボルディング著)と出会いました。
リアリティ・セラピー(現実療法)の提唱者は、
ウイリアム・グラッサー博士です。
リアリティ・セラピーとは
・人が自分の願望と欲求を明確に知り、
自分の願望を現実的に達成できるかどうかを
評価する手助けをする
・人が自分の行動を吟味し明確な規準に照らして、
評価する手助けをする
そのためには肯定的な計画を立て、
これによって自分自身の人生を掌握し、
現実的な願望と欲求を満たす手助けをするセラピーです![]()
この結果、力が与えられ、より確信に満ち、
より良い人間関係とより効果的な人生のための
個人的計画が生まれてきます![]()
リアリティ・セラピーの2つの要素
①カウンセリングの環境
②行動に変化をもたらす具体的な方法
◆カウンセリングのコツは…
この2つの要素をおりまぜて、
相談者が自分の人生を評価し、
人生がもっと意義深い方向に向かわせる
決断に導くことです。
カウンセリングの環境は、
有効的な態度で相談者の話に耳を
傾けることによって作られます。
◆他のカウンセリングと違う点は…
コントロールしやすい「行為」と「思考」
に関連づけ、いつまでも「感情」に焦点を
当て続けることはしません。
・変化をもたらす具体的な方法では…
相談者の現在欲しているものを質問していきます。
・ここから相談者が自分の人生を展開したいと
思っている方向に広げていきます。
・相談者の今していること(全行動)に焦点を合わせ、
現在の方向は自分で選択したもので
あることを理解してもらいます。
リアリティ・セラピーの中心点は評価の質問にある
Q 現在の行動を続けていて、自分の求めている
ことが手に入る可能性があるか?
Q 自分が行きたいと思っている方向に
行くことができると思っているか?
◆通常この質問に対して、相談者は「いいえ」と答えます![]()
つまり、自分の願っているものは、
現在の行動を続けていても得られないということです。
ここでカウンセラーは、
新しい行動計画を立てる手伝いをします。
WDEPとは?
W(WANT):相談者の求めているものを探る
D(DOING):相談者の現在の行動を探る
E(EVALUATION):自己評価
P(PLAN):計画立案
リアリティ・セラピーの考え方によれば、
人間の行動には目的があり、
行動は外的刺激によって誘発されるのではなく、
内側から起こってくる
人間は行動によって、
自分の欲求(ニーズ)と願望(ウオンツ)
を満たそうとしている![]()
人間の5つの基本的欲求
①生存の欲求
空気や水、食べ物、住居、睡眠など、生きていくために必要なすべてに対する欲求
②愛・所属の欲求
家族、友人、会社などに所属し、愛し愛される人間関係を保ちたいという欲求
③力の欲求
自分の欲するものを、自分の思う方法で手に入れたいと思う。人の役に立ちたい、価値を認められたいという欲求
④自由の欲求
自分の考えや感情のままに自由に行動し、物事を選び、決断したい。誰にも束縛されずに自由でありたいという欲求
⑤楽しみの欲求
義務感にとらわれることなく、自ら主体的に喜んで何かを行いたいと思う欲求
リアリティ・セラピーの原則1
人間は欲求と願望を満たすことに駆り立てられる。
・人間の欲求は万人に共通しているが、
願望は人によって異なり、独自のものである
・人間は求めているものを手に入れれば、
満足し、安息する
・自分の求めているものと実際得ているものとの間に
相違(フラストレーション)があれば、
何かを得ようと行動する
リアリティ・セラピーの原則2
自分の求めているものと、
置かれた状況で自分が得たものとの
差(フラストレーション)が具体的な行動を生み出す
・自分の求めているものを得るために、
肯定的、否定的な感情を選びとる
・肯定的な感情を持ちたいと思えば、
肯定的な思考をし、人生の明るい面を見ようとする
・逆にギャップ(フラストレーション)を埋めようとして、
怒ったり、落ち込んだりすることもある
・怒りや憂鬱、罪悪感や否定的な感情行動でさえ、
自分の求めているものを得ようとする試みである
リアリティ・セラピーの原則3
人間の行動は行動、思考、感情、生理反応で構成されており、
目的がある。
行動は自分の求めているものと、
自分が得ていると思うものの間にある
ギャップを埋めようとするものである
リアリティ・セラピーの原則4
「行為」「思考」「感情」は分離できない行動で、
内側で生じる。そのほとんどは選択である
・リアリティ・セラピーでは、「行為」行動が
強調されるが、
行動変容の第一歩は「思考」を変えること。
★認知行動療法の考え方が入っていますね。
リアリティ・セラピーの原則5
人間は知覚(ものの見方)を通してこの世を見る。
知覚には2つのレベルがある。
①出来事をありのままに取り入れる
②出来事や状況に対して評価を加える
◆リアリティ・セラピーの適用範囲は…
人間関係のあるところ全てであり、
家庭、職場、学校、社会の人間関係を
豊かにするものです。
リアリティ・セラピーを理解すると…
人間の行動の背後にある理由が
わかってくる感じです![]()
行動はすべての欲求と願望から来ています。
私たちは「欲求の充足」と「願望の達成」
をしたいんですね。
◆手段である「なりたい願望(ウオンツ)」から、
目的である欲求(ニーズ)が発見できますよ![]()
なかなか私たちは自分の本当の欲求を
見つけるのが苦手なようです![]()
次の手順で自身に質問してみてください。
Q1 具体的なウオンツは何か?
Q2 入手するとよいことは何か?
Q3 なぜそう思うのか?
例えば、
A1 公務員になって堅実に暮らしたい(ウオンツ)
A2 安定した生活ができる
A3 「生存と所属の欲求」が満たされる
ギャップがないので、フラストレーションはなさそうですね![]()
でも、本当の欲求は、「自由に生きたい欲求」だったら
、
いつか転職しよう!っと思うのでは?
願望は手段、欲求は目的![]()
2つの違いはきちんと、
押さえておくことが重要ですね![]()