最近、ひどく落ち込んだり、凹んだりしたことは
ありませんか
あるいは、悲しみや元気がでない状態が、
度を越していたり、ずっと続いたりすることはないでしょうか
そうしたいわゆるパワーダウンは…
「問題を抱えてしまった。どうしよう？」と認識し、
それがうまく解決できないときに起こります
とりわけひどく落ち込むのは、
「大切な何かを失った、失いそうなとき」かと思います
自分の前に難題が立ちはだかり、解決方法を見つけられなければ、
落ち込むのは当然だと思います。
本来なら、問題を解決するための方法を考えなければいけないのに
辛すぎるので考えられない……
そうすると、ますます問題を解決できなくなり、
「もうダメだ」「どうせ無理」という妄想が膨らんで、
悲しさや絶望感などの辛い感情がさらに大きくなって、
もう何もする気にならなくなってしまうのです
そんなとき、人には、
「もう何も失いたくない」
「これ以上、少しでも傷つくのは嫌だ」という心理が働きます
そのためには、
何も求めず、何も得ようとしないのが一番と考え、
その結果、解決のためのチャレンジも失われ、
本来なら得られるはずのもの、
できるはずのことまで遠ざけ、
失った大切なものへの執着がますます強くなってしまうのです
こうした心のメカニズムの中で、
落ち込みを激しくしてしまう最も大きな原因が…
◆辛いときに反射的（自動的）に頭に浮かぶ
「もうダメだ」「どうせ無理」という
”極端な考え方”です
これを心理の専門家は、
自分の辛い気持ちを実際より大きく膨らませる
「ファンタジー」と読んでいます。
普通、ファンタジーというと、
何か素敵なものをイメージしますが、この場合は、
自分を追い込んでしまう悪いものとして扱います
このファンタジーには…
・また、ダメに決まっている
・いつも失敗ばかりしている
・何をしてもムダだ
・私なんて、何もいいところがない
・どうせ私が全部悪いんだ
・今度もどうせ失敗してしまうのでは？
どうでしょうか
私たちにはひるんだとき、こうやって
極端に考えてしまうクセがないでしょうか？
ひどい落ち込みから抜け出し、
チャレンジする気持ちを取り戻すには…
このファンタジーを小さくすることがまず第一歩なのです
「過去」「未来」「現在」の視点で思い込みをゆさぶってみる
ファンタジーを膨らませてしまう「極端な考え方」を
修正するのが早道です
そうすることで、すぐに気持ちが”バラ色”になるとは
限らないですが…
少なくとも、何もする気にならないという状態からは
抜け出すことができるはずです
極端な考え方とは…悪い意味で「決めつけ」てしまっている状態
したがって、それを修正するには…
◆「本当にそうなのか？」と疑い、
そうではないという「根拠」や「証拠」を見つけて、
「反論」するようにします
そのときに役立つのが…
「過去」「未来」「現在」という３つの視点から、
ものごとをゆさぶって見てみようという意識です
ただし、注意してほしい点があります。
こうした反論を加えることは、とにかく前向き、
がむしゃらにポジティブに考えることとは違います。
◆辛いときに反射的に出てくる、
「偏ったり、凝り固まったりしている極端な考え方」に対して、
それに矛盾する事実を並べることで…
膨らませり、柔らかくしたりして、
現実的なものの見方ができるよう、微調整していくことなのです
「極端な考え方」に矛盾する事実を探してみる
自分自身を追い込んでしまうファンタジーを
小さくするための反論を加える時…
主観的にどんどん流れがちなネガティブな感情を
客観的な数字で表わし、それがどう変化していくかを、
実際に数値化にしてみるのです
”心の定規”と呼んでいます。
例えば…最初に浮かんだ感情は、
【怒り】85%、【恐れ・不安】60%、【悲しみ】40%
◆「う～ん、ちょっと待てよ、違った見方ができないかな
」
と考えてみることが大切です
考え方を変えて、感情がどう変化するか？
【怒り】40%、【恐れ・不安】30%、【悲しみ】２0%
単に頭の中で考えているだけでは、
どれだけ気持ちが改善したのかわからなくなってしまいます
◆数値化すれば…
たとえ５％しか改善していなくても、
気持ちがラクになっていることを実感できるのです
たとえわずかであっても、この変化をキャッチすることが
辛い気持ちの切り替えのスタートとしては…
とても重要な意味を持ってくるのです
この作業をすることで、それまであったネガティブな感情が
いきなりゼロになることはないかもしれません。
◆だとしても、ネガティブな感情を起こさせる
極端な考え方をするクセを直すのに、
とても有効であります
そして、
辛い気持ちがラクになるためのコツが…
自分自身でつかみやすくなると思いますので、
ぜひ試してみてください
次回も「気持ちが落ち込んで、何もする気になれないとき」の
心理テクニックを引き続き学んでいきましょう！