「共感」という目に見えないものを、より深く理解したいと思いました![]()
共感の能力は、突然、降ってわいたように![]()
身についていたというようなことはありえません。
生まれながらに身に備わっていたというようなこともないでしょう。
もし、そのように見える場合があるとすれば、
幼少期からの豊かな家族経験や生活経験の中で、
自然と訓練されてきたのです![]()
つまり、共感は経験や訓練によって開発することのできる技術
なんです。
これは私たちにとって朗報ですね![]()
共感の能力は、まずは自分が人から共感される経験によって身についていきます。
誰かから共感されることが基本です![]()
例えば、
・思春期以降であれば、自分自身が自分の心に対して、
「共感的な目」を向けていくことも重要です。
・できるだけ幅広い他者に対して、「共感的な態度」で接していくことも訓練になります。
誰かに共感するためには…
①観察力…先入観に縛られずに相手をよく観る
②想像力…相手の立場だったら、どう感じるだろうかと想像する
③注意のコントロール力…自分が感じていることに注意を向けて感じ続ける
④表現力…感じたことを表現する
・相手の気持ちや思いに対する関心ももちろん必要です。
・自分の感じたことを表現するのは、勇気や思い切りも必要かもしれません。
・表現しても、きっと相手に受け取ってもらえるだろうという信頼感も必要かもしれません。
こうした作業を、ずっと関わり合いの中で抱えていくのが共感です。
ですから、根気強さも必要ですね。
特に人は身近な人に対しては、なかなか共感できないものです![]()
むしろ、身近な人にこそ、なかなか共感できないとも言えますね。
家族や夫婦など身近な人には、特に共感しなくても当然、お互いに
わかっているという甘えや期待感も影響しているかもしれません。
しかし、本来、共感はできるかできないか、白か黒かといった性質のものではありません。
◆「共感できていないな」と残念に思う気持ちが感じられた…
そのときその人は、すでに共感のスタート地点にいるのです![]()
共感は深めていくプロセスなのです![]()
ONかOFFかといったものではありません。
・感じられている「感情の内容の問題」というよりは…
「関わり方の問題」、
「関わり手の注意の向け方」
「態度の問題」なのです。
私たちはよく、「Aさんは共感能力が高い」とか、
「Bさんは共感能力が低い」とか言いますが
……
共感は常に話し手と聴き手、二人の間の共同作業です![]()
Aさんが相手と共感できるかどうかは、
相手のあり方にもよります![]()
ですので、
そうした文脈から切り離して、Aさん個人の共感能力を云々すると
いうのは![]()
また、平均的な共感能力というものはあるのでしょうか![]()
Aさんが人と関わるときの共感の平均値を、
Aさんの共感能力と言っていいのでしょうか![]()
例えば、
・Aさんは平均的な共感能力が高く、
Bさんは平均的な共感能力が低いと言えるような場合でも…
例えば、Cさんとの間では、
Aさんはどうにもうまく共感できず
、
Bさんはとても容易に共感できる
、
というようなことがいくらでもあるかと思います。
共感はあくまでも相手との共同作業だからです![]()
人には共感する能力は、基本的には誰にでもあります。
ただ、「注意の向け方」の問題としてその能力が
活かされていない。
開発されていない
ということがあるだけです。
例えば、
・物心ついてずっと、人に対してこうした注意の向け方を、
ほとんどして来なかった人![]()
・共感に必要な注意の向け方をほとんどしない習慣を
何十年にも渡ってしてきた人![]()
私たちはこの人たちを、「共感の能力が低い人」と
読んでいるだけなのではないでしょうか![]()
◆ワタシは共感力が低い人という認識を改める必要があると
思いました![]()
感じる能力を開発![]()
ワインの味を味わい分けるソムリエと似ていると思います![]()
ソムリエは繊細に注意を向けて味合うことで、
豊かな感受性を開発しています![]()
それから、もう一つ…
内面に注意を向けて感じながら生き生きと表現する能力の開発![]()
音楽の世界で、「音楽性」と呼ばれているものの開発と
よく似ていると思います。
誰にでも歌心はあります。
ですが、演奏技術は素晴らしい譜面通りに完璧に演奏しているのに、
心に響かない演奏もあります![]()
共感の場合で言えば…
言葉はとても適切なのに
…
どうも心が通わないことがある
のと同じです。
◆おそらく音楽性を開発するには、内面の歌心に常に注意を向け、
それを感じ、
それを表現したいという思いに、身を委ねながら、
演奏技術を自由に操って生き生きと力強く表現して![]()
いくことが必要なのでしょうか。
感じながら、感じている自分と、
表現する自分とを一つにしていくことが必要なんです![]()
「共感の開発」
相手の話を聴きながら、
感じられることに注意を向け、
それを繊細に感じ取り、
それとつながりを維持しながら、
表現したいことを生き生きと力強く表現していく。
そのとき、感じている自分が、
即、表現している自分でもあると
いう状態になっている![]()
◆共感が深まっているときには、
そういうことが起きていると、いうのでしょうか?
最後に、
「自分は共感ができない人、共感できていない人」
と
感じたときこそが…
共感力を獲得できるスタート地点に立ったということなんです![]()
共感は経験と訓練によって獲得されるもの![]()
心に刻みたいと思いました![]()
共感の能力は…
諦めさえしなければ、
誰にでも、いつからでも、獲得できるものなんですね![]()