今回も、杉原 保史先生の「プロカウンセラーの共感の技術」![]()
から引き続き少しずつ、ご一緒に学んでいきたいと思います。
もしあなたが関わっている相手が、何か困難を抱えて悩んでいて、
あなたに相談しているのであれば…
まず、その人をありのままに受容することがとても重要です。
しかし、それだけでは足りない
…
その人は現状において、何か問題がある
と感じ、
”変化”が必要だと感じているからこそ、
あなたに相談している![]()
ですから…
その人のありのままを受容すると同時に、
変化をサポートする必要があるのではないでしょうか?
その人に変化を促すような働きかけをすることが
特にカウンセリングにおいては、必要だと思っています![]()
一見すると、
相手のありのままを受容することと、
相手に変化を促すこととは、
正反対のように思えます
。。。
しかし、専門的な悩み相談であるカウンセリングでは、
「受容」と「変化促進」という
二頭の馬をうまく操ることがカウンセラーの仕事だと
杉原先生は言います。
◆受容と変化促進は、さほど実際には正反対の仕事ではないのです。
ありのままの受容が、変化を促進することが多いからです![]()
ありのままを受容することが、変化促進のための基礎![]()
傾聴では、「受容」と「共感」がセットでした。
つまり、受容と共感ができている「傾聴」であれば…
変化促進ができるということだと思います。
「共感」は変化促進のパートナーでもあります![]()
共感こそ、変化を促進する最大の力![]()
しかし、ワタシはそもそも共感できないような相手
に、
うまく変化を生み出すことなど、できないように思いますが
…
ワタシ自身、”共感してもらえた”という体験
は…
それ自体で変化をもたらしたことがありました。
共感には、変化促進力があるのですね![]()
しかし、変化促進は共感の後に来るものです![]()
変化促進とは共感とは別ものなんです。
例えば、話し手が
・「友だちがいなくて淋しい」と言うのであれば…
聴き手は
話し手の淋しさに共感するとともに、
「どうやって友だちを作っていくか」を一緒に考え、
そこに取り組むように働きかけること![]()
が必要です。
また、例えば、「学校へ行くのが恐い」と言っている若者がいたら、
関わり手は若者の恐い感じを受容し、その感じに共感することができるなら、その若者はほっとするでしょう![]()
しかし、一緒になって「恐いね」と言っているだけでは…
若者は決して救われません![]()
関わり手は、
若者にとって、恐さを共感してくれた上で、
「その恐さを、どう乗り越えていくか」を一緒に考えていくこと
必要であります![]()
共感は終着点ではありません!
共感が生じれば、それにふさわしいアクションが力強く呼び起こされます![]()
困っている人に真に共感すれば…
助ける行動が私たちに呼び覚まされるはずです。
かといって、聴き手、関わり手が、悩んでいる話し手に代わって、
問題を解決してあげることをできません。
ほとんどの心の苦痛は、本人しか解決できないものです![]()
不安を解決できるのは、本人だけです。
孤独を克服できるのは、本人だけです。
心の苦痛を抱えた上で、本人がどう生きるかの問題だからです
しかし、本人しか解決できないことだから、
一人で取り組ませておけというのは
…
あまりに冷酷な姿勢だとワタシは思います。
一人ではできないことを、一緒に考えてくれる人が必要です![]()
たいていは正解などない道のりです。
誰も正解を教えてあげることなどできません![]()
結局は自分で答えを出すしかないのです。
ですが、それを踏まえたうえで、
一緒になって悩んでくれ、
孤独な道のりを共に歩んでくれる人が必要だと思います![]()
◆なにも特別に高度な援助や専門的な知識や技術がなくても…
「一緒に考えよう!」
と
ただその言葉かけ、働きかけが大事なんです![]()
「受容」「共感」「変化促進」
この三つは相互に手に手を取り合って、
らせん状に深まっていくものと思いました。
ワタシは相談者の”こころの連れのカウンセラー”として
受容、共感、関心の3本立ての「傾聴」から、
さらに進めて、「変化促進」の目標を視野に入れて…
相談者と一緒に悩みながら、考えていきたいと思いました![]()