ていねいな対話によって存在の承認をつくりだすことができれば、その場は安全基地になります。
そして自分がやってみたい活動をきちんと評価してくれる場所にもなります。互いの想いが衝突したときにも、話し合って調整することができます。
喜びをもって生きるためには、承認と自由の二つをともに生かす必要があります。そのために対話が重要になってくるのです、
★対話とは言葉を通じて互いの「想い」を受けとめあうことです。
Qどうすれば対話関係をつくっていくことができるのでしょうか![]()
「たずねる・確かめる」こと
「このあたり、もう少し詳しく聞かせてもらえませんか?」とたずね、「あなたが言いたいことはこういうことでしょうか?わたしの理解は合っていますか?」と確かめる
それはなんとなくわかったように通り過ぎるのではなく、相手がその言葉で言おうとしている「想い」をキャッチするためです。
相手の考え(思考)をわかりたいですが、それだけでなく、「なぜ
そんなふうに考えるのか、もっとわかりたい、その考えにいたった文脈(その人のこれまでの経験)やそれにまつわる気持ちも受けとめたい」
そのために「たずねる・確かめる」が有用です![]()
もちろん、いきなり自分の世界に無遠慮に入ろうとしてきたと、相手に感じさせてはいけないと思います。相手の気持ちを感じ取りながらていねいにたずねることが必要です![]()
1 他者理解
互いの「想い」の受けとめがうまくいくと、「自分の想いをきいてくれるんだな」と思えるようになり、安心して話せるようになります。
きちんと聴いてもらえると、話す側も自分の気持ちや考えをなるべくピッタリくる言葉で伝えようと努力するようになり、言葉に対する繊細さが磨かれていきます。
聴く側も言葉を通じて想いをキャッチするのがうまくなります。こうやって、互いの間に存在の承認が成り立ってきます。一定の期間、対話関係を続けていると、そこは安全・安心な場になってきます。
2 自己理解
対話を通して相手の「想い」がわかってくると、「あの人はそう考えるんだ、自分はどうだろう」と、他者理解を通して自己理解が深まっていきます。
例えば、「自分の見方はちょっと偏っていたな」とか「こういう発想があるんだ」という気づきが生まれます。
これは言い換えれば、自分を客観視できるということでもあります。
3 自分の物語の再構築
いいかたちで対話ができていくと、それぞれがどれくらい違った生の条件(個性、家庭、状況の違いなど)を生きて来たかに気づくとともに、
人間としての共通な想い(こういうことは誰だって嬉しい、悔しい)にも気づいていくことができます。
自分が自分なりの特有な条件の中なかを生きてきたこと、
しかし皆と共通な想いがあることに気づいていくと、
私は「みんなの中の一人」だという開けた感覚が生まれてくるのではないでしょうか![]()
4 価値あることの明確化
「そもそも~とはどういうものか。なぜ・どのようにそれは良いのか
」
この問いをめぐって、それぞれが自分の体験に問いかけて言語化し、交換しあう。そうすることで、皆が納得できる、一般性のある答えに近づいていくことができるように思いました![]()
何が価値あることなのか、何が大事なことなのか![]()
こういったことを確かめることができると、どこに向かって生きていけばいいかがはっきりしてきます![]()