心の行き詰まりは。なぜ生まれるのかについて考えてみたいと思います![]()
ポイントになるのが人間の「感情」です。感情というのは大きく二つに分けられると考えられています。
★一次感情(本音の感情)~嬉しい、悲しい、怖い、不安、驚き
何らかの出来事があったときに現れる、ありのままの感情です。
・初めに出てくる本能的な感情
・心の奥にある本音の感情
・動物でも感じられる
・ときには苦痛を伴って感じられるため、自分では気づかずに抑圧していることがある
・しっかり感じ切ると自然に消えていく
★二次感情(うわべの感情)~自己嫌悪、劣等感、罪悪感、絶望、恨み、羞恥心、嫉妬、強すぎる怒り等
動物にはあまり感じられない人間特有の「苦悩」を伴う感情です。
・一次感情に続いて生じてくる人工的な感情
・自分でも気づきやすく意識しやすい
・ヒトでしか感じられない
・苦悩を伴って感じられることが多い
・ため込み癖がつくと心と体の不調を招く
★感情の性質
①一次感情を抑えこみ、十分に感じていないとき
つらい一次感情を感じることを回避すると、一時的には楽になります。しかし、ネガティブな一次感情が中途半端に残り、感情の不適切なふくらみや別のネガティブな感情を呼び起こし、二次感情としてふくらみます。つらい気持ちが続き、行動や身体症状にも悪影響を及ぼします![]()
②一次感情をありのままに感じたとき
十分につらい感情を感じきることで、ピークを抑えたネガティブな感情は徐々に消え、それに付随していた二次感情も同時に消えていきます。さらに二次反応として出た、ゆがんだ考え方や問題行動、病的な身体反応も消えていきます![]()
★一次感情と二次感情の関係
この二次感情の「蓄積癖」が身につく過程には、親子関係が深く関わっていることがわかっています。
子どもが小さいうちから、本音の感情を口に出させそれを親が真摯に聴いてあげれば、子どもは自分の本能的な感情を感じる力が育まれます。
たとえ感情を表出して思い通りにならなくても、そこに悲しみなどをしっかりと感じられれば、「感じることさえ許されない」「表現することさえ許されない」というゆがんだ葛藤を持たずにすむので、大きな行き詰まりには追い込まれません。
本音の感情というのはある種本能として出てくるものなので、感じること自体には正しいも間違っているもないのです。
それを子どもが話して気がすんだと思える前に、さえぎったりたとえ善意であっても正論をアドバイスしたりすると、はけ口を失った一次感情は行き場を失い、二次感情をふくらませ蓄積するという現象が生じます。
(これはカウンセラーが良き聴き手となっていない場合も同様なことが生じると思いました)
それが続くと、「親の前でそんなことを表現してはいけない、感じてすらいけないのだ」と余計なことを考える癖がつきます。そうやって本音の感情(一次感情)を感じる力が落ちていくと、二次感情というゆがんだ人工的な感情が生まれやすい体質ができてきます。
★二次反応
子どもは一次感情を表に出せず、親に受け止めてもらえないと感情だけでなく、様々なものにしわ寄せが行き、ゆがんだ二次反応となって表れてきます。
・一つは「ゆがんだ思考や価値観」です。
一次感情に向き合う以外の方法を必死に探すものの、生物にとってそれは本能や生存の否定となるので、色々な悪あがきを重ねます。
しかし、うまくいかないので無力感ばかりが募り、過度に後悔したり将来を過度に悲観したりして、「自分なんてダメだ」と自己肯定感が低くなります。
また、二次感情という脳内のノイズが膨れ上がると、脳の無駄使いにより情報を総合して物事の優先順位をつける「ワーキングメモリー」と呼ばれる力が失われるため、集中力が失われたり、余計なことばかりにとらわれたりして、前向きに考えることができなくなることもわかっています。
・もう一つは「ゆがんだ行動」です。
働こう、勉強しようといった前向きな意欲や姿勢が失われ、暴飲暴食やアルコール乱用に走ったり、自傷行為や暴力、買い物やギャンブルへの依存などの衝動行動に出たりします。
影響は身体反応にも及び、慢性的で消えない疲労や痛み・倦怠感、めまいや高血圧、発熱、息苦しさといった病的な身体反応も表れます。いわゆる心身症の原因ともなります。
しかし、このような状態であっても、親やカウンセラーが「傾聴・共感」することで、子どもが一次感情をしっかり感じ切ることができれば、これらの問題の多くはゆっくりかもしれませんが、少しずつ消退していくのではないでしょうか![]()
子どもだけでなく成人した私たちも、自分の一次感情(本音の感情)の存在にまず、気づくことと一次感情を感じ切ること。自分一人で一次感情を感じ切ることができないときは、誰かに傾聴してもらうことが大切だと思いました。
二次感情に惑わされて、二次感情に振り回されてはいけないのですね![]()
ワタシは心の行き詰まりを感じたときは、まず、「自分は最初にどんな感情が湧き上がってきたのか?」と問うように心がけたいと思いました![]()