自分の怒りの爆発をコントロールできるようになっても、思いがけず、他人の怒りを目にすることで、つられて激高
してしまうことがあります。
周囲から影響を受けて、あっという間に感情が伝わってしまう現象は、主に「ミラーニューロン」という脳の神経細胞の働きから説明できます。
人にはミラーニューロンだけでなく、環境と同調しやすい神経細胞、「同調細胞」が脳に多数あるそうです。
この一連の同調細胞のおかげで、人は他人の行為をまねて同調しやすくなり、脳の学びがスムーズに行えると考えられています。
ただ同時に、この同調細胞のせいで目の前に怒っている人がいると、つい相手の怒りに同調しやすくなります。
家族に一人不機嫌な人がいるだけで食卓が暗くなったりします![]()
では他人の怒りに感染しないためにはどうしたらよいでしょうか![]()
< 他人の怒りからの感染を防ぐ方法 >
①「この人は困っている」と思うと、冷静になれる
怒りをぶつけてきた人の態度や要求が理不尽であればあるほど、ぶつけられたほうは「攻撃された」と感じる傾向が強くなります。
理由がわからずにかけられた圧力は、暴力と同じだからです。
攻撃されれば、当然、攻撃し返したくなりますよね。
人間としては極めて自然な反応です。
ただ、ここで反論したり攻撃したりすれば、「対応できない!
」と容量オーバーになっている怒れる人の脳に、さらなる懸念材料を与えることになります。
怒りの火
に油を注ぐことになり事態は、もっと面倒なことになります。
ですので、怒っている人やイライラしている人を前にしたときは、反撃したくなる心を抑えましょう。
怒っている人に対して、「ああ、この人は困っているんだな」と考えるだけで、怒鳴っている相手に対して意外と冷静になることができます![]()
②「同情」は怒りを未然に防ぐ特効薬
怒っている人のことを、「この人は困っているんだな」と捉えられるようになると、相手に反撃しようとする気持ちは鎮まり、代わりに同情心が生まれてきませんか。
★怒っている人を「困っている人だ」と捉えることは、相手の苦痛に心を寄せることになります。
相手を攻撃せず、相手の苦痛に寄り添いながら、「なんだか普段と違うけど、疲れている?」「何か困っていることでもあるの?」という問いかけをしてみるのもいいですね![]()
③怒っている人を無条件で受け入れる
怒っている人に何か言われた際は、とりあえず一度、「はい」と返事をして、相手を受け入れる姿勢を示すことが効果的です![]()
「肯定」や「受け入れ」には相手の不安を和らげ、脳圧を下げるパワーがあります。まずは「はい」と返事をして、相手の話をよく聞いてあげることで、相手の怒りを和らげるきっかけになりますね。
④「事実化」すると怒りに感染しない
相手の怒りがあまりに激しいとき、びっくりしてつい相手の不安や困惑に引きずられてしまいます。
そんなときは、相手の怒りからくる暴言や行為を、単なる「できごと」として捉えてみるのです。
怒っている人の言動を「事実化」します。
怒っている人の感情については一切描写せず、実際の行動のみを心の中で記述してみるのです。
相手のネガティブな感情をシャットアウトすることで、脳のストレスが減ります。そのせいで頭がクールになり客観性を取り戻せます![]()
⑤視野を広げると怒りの原因がわかる
相手の怒りを「事実化」すると、いろいろなことが見えてくるようになります。
怒っている人のストレスフルな言葉や態度に気をとられずにいられる分、視野が広くとれるようになります。
視野が広くとれると、それだけで怒りが鎮静化する場合もあります。
脳が「わかった!
」という理解を得て一気に脳圧が下がります。
つまり、原因がわかると、パニック状態でカッカしていた脳がクールダウンして落ち着くようになります![]()
⑥ゆっくり話すことで相手を落ち着かせる
怒ってカッカしている人というのは、口調が攻撃的でたいてい早口です。こちらが落ち着いた態度を示し続ければ、相手を真似たがる同調細胞の動きにより、怒れる相手も落ち着いてくるのです。
⑦「怒りに同調しない」という思いやり
怒る人は怒る人を作り出します。そして、誰かの怒りに感染しないでいることです。
私たちは怒っている人の本当に言いたいこと、求めていることが何かを、じっくりと聞いてあげることから始まりますね![]()
まず、自分から穏やかに手を差し伸べていくことかと思いました![]()