執着をつくっているのは人間の記憶です。すべて脳にインプットされており、後から消去できません。記憶を消去できない以上、人間は記憶とともに生きる限り執着を続けます。

 

ただし、得意な記憶の方法は人によって異なるので、執着の仕方に左右されるそうです。例えば、人の話を聴いて覚えるのが得意な人は、人から聞いた話に執着する傾向があります。あるいは肉体を使った運動記憶が得意な人は、体を動かすことにこだわります。

 

また、人によって執着の対象が変化しやすい人もいれば、同じ対象に執着し続ける人もいるそうです。個人差はあるものの、人生においてさまざまな経験をするにつれ、総じて執着の対象は変化していくようですね。

 

私たちの大半は「自分が何に執着しているのか」に気づかないまま毎日の生活を送っています。執着によってどんどん自分が困る方向へと人生を選択している場合でも、それをまったく自覚していないのです。

 

ワタシも実はほんとのところよくわかっていないですショボーン

 

頑固な人はなぜ直らない?

「人の話を聞かない」「自分の主張を押しつける」「自分の間違いを認めようとしない」といった共通点があります。いずれも「自分が正しい」という考えへの執着がもとになっています。

 

これを直すには、人の話をしっかり聞き、聞いた内容を咀嚼し、自分の考えを変えていくという脳のしくみを獲得する必要があるそうです。

しかし、本人は自分の偏りに気づいていませんし、たとえ指摘されても聞く耳を持たないので、いつまでも同じことの繰り返しです。

 

もちろ頑固な人だって、生まれつき頑固だったわけではないと思います。頑固になったのは、生きてきた環境の影響を受けて、自分の中で常識(当たり前)を形成してきたからです。

 

無意識の執着に気づくだけで生きやすくなる

脳内科医の加藤先生は漠然と生きづらさを抱えている方が、脳画像診断外来に来られて執着から解き放たれることが少なくないとのこと。

自分の脳と向き合うことで自分の執着に気がつきやすくなるからです。

 

例えば、両親の愛情を知らないまま育った経験があるAさん。ふだん生活していて何か良い出来事があっても、すぐに過去のイヤな経験を思い出し、素直に喜ぶことができない。また、恋人ができてもなぜか自分から離れるような行動をとってしまうと悩んでいたそうです。

 

「Aさんは過去の記憶が今やるべきことを阻害している状態」です。母親の記憶をなくすことはできないので、過去をあるがまま受け入れるしかないんです。

 

そして、自分ではどうにもできない過去の記憶に縛られ、「自分に幸せになる権利はない」「自分は家族を持てない」などと思う必要はないです。「AさんはAさんのままで幸せになることはできるんです」と加藤先生が話したところ、Aさんは少し気持ちがラクになったそうです。

 

Aさんは自分が両親に愛され、褒められることに執着していたことに気づいた結果、両親にそこまで褒められることを求めなくてもいいと思えるようになったようです。

 

大切なことはまず自分が何に執着しているかを知ることなんですねキラキラ

自分の執着を少しでも言語化できれば、執着の対象から距離を取れるようになれると思いましたお願い

 

人のために生きる、それも執着

他人のために行動することに執着しているケースが多々あるそうです。このタイプの人は自分が何をしたいのかがはっきりしないまま、他人に尽くすことに執着します。

そして他人に一生懸命尽くした結果、自分自身が疲弊してしまいまいます。

特に執着の対象が子どもや親、配偶者など身近な親しい関係性があると、執着から抜け出すのが難しくなります。

 

人からの期待や「あるべき姿」に沿おうとする気持ちが強ければ強いほど、周りに尽くすことへの執着が強くなってきます。

自分自身の満足を考えるときには「ここまでやれば十分」という限度を設定できます。限度を設定できれば、それが目標となりどのように達成すればよいのかを考えるので、脳がよく働くそうです。

 

しかし、他人を喜ばせることに限度がありません。他人なので限度は決められないのです。限度が決められないのでどれだけ頑張っても終わりが見えませんショボーン

 

なせ、同じ話を何度もしてしまうのか?

過去の経験や両親の悪口を何度も繰り返して話す人が、ワタシの身近にたくさんいます。

同じ話を繰り返すというのは、過去の特定の記憶に執着していてその記憶だけがよみがえりやすくなっている状態だそうです。

 

過去の記憶に執着し同じ話を繰り返す人には大きく2種類に分けられます。

①過去を引きずって悲しみや怒り続ける人

②過去を生かしてモチベーションにしている人

 

そういえば、ワタシは頭があまり良くなかったので、幼少期から勉強しないとみんなについていけない。人並みになるには人の2倍3倍の努力が必要だと母親にも言われ、勉強してきました。自分もいつも「人並みになるためには努力が必須」という言葉を何度も人に話していたかもしれませんショボーン

 

今も努力は怠らないようにしていますが、弊害として、努力しない人、怠ける人、ずるい人を許せなくなる傾向が強いことに気づきました。

 

自分は「努力する」ことに執着しているので、いつも資格を取得するために勉強ばかりしていました。結果的には自分の「頭が悪いから努力する」は良い執着で勉強するモチベーションに繋がったようです。

 

そう考えると、何度も過去の同じ話を繰り返すのは決して悪いこととは言い切れないし、何度も話していた自分の気持ちにも気づけた気がします。

 

電話相談でも家族への不満話を何度も繰り返す人がいて、「どうしてそんなに同じ話を何度も話すのか」わかりませんでした。でも、それが本人の生きる力筋肉になっているようであれば、本人が受け入られる状態になるまで温かく見守ってあげたいと思いましたお願い

 

いつか過去の辛い経験を受け入れ、新しい経験を作っていくモチベーションに繋げてほしいですね。ワタシもそうしたいですニコニコ