人は異なる場面や役割におけるそれぞれの自分の間に折り合いがつけられるようにしています。
複数の自己に適した居場所、友人、活動を見つけることができるようになると、健康かつ豊かに成長することができます。
統合が達成されることで、幸せと心の健康を獲得するのです。誰もが持つ複数の心の「状態」「自己」とはいったいなんなのでしょうか。
「状態」とはある行動、感情トーン、記憶へのアクセスにかかわる神経の発火パターンが一つの集合体を形成することだそうです。
ある行為に必要な機能がその瞬間に「神経の接着剤」で一つにまとめられ、効率よく使われるようになります。
例えば、テニスをするときには、テニスウエアに着替え、ラケットを持ってコートへ向かうあいだに、脳は忙しく、「テニス時の心の状態」をつくります。
「神経の接着剤」が柔軟なものであれば、一つの状態の中に新しい感覚データや新しい行動をいつでも使うことができます。
しかし、中には根深く脳に絡みついてとれない「状態」もあります。
この状態になると過去に身についた神経発火パターンに頑固にとらわれ、過去に学習した情報に縛られ、まったく同じ反応しかできなくなってしまいます。
つまり、過去に学習された生存のための自動的な行動を考えることなく繰り返してしまうのです。
新しいデータや感覚を取り入れることはできず、とにかく反射的に反応します。
過去の学習にとらわれて反応しようとする「心の状態」になったとき、それを自覚できるようになればいいのですね![]()
複数の状態を持つ、複数の自己が、「私という人間」を構成していると考えればいいのでしょうかね![]()