それは心の問題の問題たるゆえんはその問題とそれに悩む人との関係のあり方によるものであるという考え方です。

 

 心の問題は死ぬまで起こり続けます。ただ、心の問題に対する自分と関係のあり方を変えることはできます。心の問題との「間」とか関係が適当にとれてくると、問題に振り回されずに、問題はあってもそれと適当な距離を保てます。

 

 「問題」ではなく、「問題に苦しんでいる自分」をいとおしみ大切にしようとする自己感覚の賦活です。

 

 つまり、「問題があっても私は私であるし、問題に振り回されることはない。問題は勝手にそこにいなさい」といった安心感が活性化するための援助方法と考えてください。

 

 心は生命体であり、その問題は一定のエネルギーを持って常に行き場を求めています。それがなくなるといわゆる「やり場のない」気持ちになります。その心の適切なやり場の発見の方法でもあります。

 

 心とは自然の一部であり、考えや観念など人工的な産物で自然を支配しようとすると自然が怒り出して、さまざまなしっぺ返しが起こり、いろいろな問題なり症状を起こすことになります。

 

 心の整理法のモットーは「心のままに」ということになるでしょう。このモデルで大切にするのは常に、「今、ここに生きている自分」ですね赤薔薇

 

 私たちは「今、ここで」しか生きていません。そして変えられるのも、昔でなく、「今、ここでの自分」です。今ここの自分が変われば、昔の事実は変わらないけれど、昔の見方は変わっていきます。

 

 次回は「答えのでない事態に耐える力」について考えていきましょう音譜