昔は、言ってた。

「亭主元気で留守がいい」
「粗大ゴミ、一番捨てたいのは、夫」

平凡で幸せな人生の一コマに言えたこと。



夫の不倫が発覚したら

「稼いで来れば帰ってこなくていいよ~」
「粗大ゴミがなくなって部屋も気持ちもスッキリ!」

なんてこと、絶対に言えない。




やっぱり
自分たちは幸せだと思っていたからこそ
本心じゃないとわかっていたからこそ

「お金だけ持って来ればいい」
「家にいると邪魔だから出掛けたら?」

と言えた。


今は…言えない。


言えないけど…
見方を変えて、ちょっと考えてみる。




もし、夫の不倫が発覚した今でも
ちゃんと働いて稼いで家にお給料を入れて
なんだかんだありながら
夫が責任の一端を果たしているとしたなら、

それって、どんなにひどい夫だとしても
有り難いことなのかも知れません。
(夫を陰で支えてきた専業主婦や、歳を重ね人生の後半を生きる妻にとっては尚更)



夫の不倫のさなかで
どうにもこうにも辛くて仕方ない時に

そんな風に一瞬でも思えるかどうかは、なかなか難しいことだけれども、
やるせない事実であることは間違いないかも知れません。



夫の不倫と夫の収入。

その狭間で悩む妻は大勢いますが、
合理的な考え方が
心を救ってくれることもあります。



テレビのバラエティー番組で人生相談をしていた。


「夫が不倫しています。
私はどうしたらいいでしょうか」













(回答)

「放っておきなさい。
そのうち、どうでもよくなります」







…………………。

いくらバラエティーとは言え、ふざけ過ぎでしょ!

と、渦中にいなくても、
そう思って当然ですよね。





ところが、


不倫が発覚した時にはとても考えられないけど、
夫の不倫がどうでもよくなる日が来ることがあるんです。


でもそれは、
心の傷がすっかり消えてなくなる、ということでは決してありませんし、
出来事を、なかったことにする、ということでもありません。





「放っておく」とは、どういうことか?

私なりに考えてみたので書いてみます。



* * * * * * *



まずは
自分の気持ちだけに目を向けるということ。

したい時に
したいことを
やってみるということ。

つまり…
慰謝料請求の準備をするも良し。
離婚に向けての計画を進めるも良し。
何が何でも夫の心を取り戻すために奔走するも良し。

そうこうしながら
その都度、一番いい方法をひねり出して
揺れ動く感情に逆らわずに
出来そうなことを粛々とやっていく。

気が変わったところで
誰が文句を言うわけでもない。

と同時に、
毎日の生活はちゃんとする。
ここは頑張る。

この時
心は、不安と悲しみのどん底を漂流し、
時間の経過に反比例するように
夫婦関係には何の成長も進歩も見られない。

それどころか、妻が不倫を黙認していると勘違いした夫の行動が
さらにエスカレートしていくように思える。
実際そうかも知れない。

でも、時間の経過は
夫婦関係の成長に役立たなくても
妻の心の成長を大いに助けてくれるかも知れない。
なぜなら、
あらゆることを夫に頼らなくなったから。


さらに…
証拠もあるからいつでも慰謝料請求できる。
親友も弁護士もカウンセラーも味方につけた。

これで有利な離婚もできそうだ。
でも離婚するかしないかは自分が決める。

こんな自由な考え方は
昔なら、しなかったかも知れない。



つらつら書き出してみると
「放っておく」って、こんな感じかな。

すべてのことを夫抜きでやる、という感じ。

つまり

夫を「泳がす」ってことですね。
完全に容疑者扱いです。
何なら加害者と位置付けてしまってもいいかも知れません。
とにかく自分の思いたいように思えばいいのです。
加害者でも犯人でもいいし、
主犯が女で、夫はその共犯者と思ってもいい。
何と思おうと自由です、当たり前だけど。

でも、夫を泳がしてるという意味は
しっかり「内偵」するということ…
つまり、探ることを怠らないということ。


「放っておく」って結構スリリングです。


さて、そのように月日は流れ、
気づけば、いつのまにか妻は
夫の不倫に惑わされることも減り、以前のように何げない日々を過ごせていたりする。
更にそれだけでなく、
その暮らしに幸せを見出し、人生全般が満足できるものになっていたりする。

そしてある日
自然体で暮らしていることに妻自身が驚き
自分が力まずに生きていられることに感動すら覚える。
大袈裟に言えばね。



時間は、かかるかも知れません。

おまけに、
夫が不倫をやめる保証があるわけでもない。



でも、穏やかな日々と健やかな心身を手に入れるために、
夫にではなく
自分自身にたっぷり時間をかける。
夫の不倫問題に立ち向かう時
そうすることが意外に近道だったりする。


「放っておく」って案外システマティックです。




そして……結果…

「どうでもよくなる」




「放っておく」→→→「どうでもよくなる」

この流れ、
なかなか理に適っているかも知れません。




付け足すならば…

毎日どんよりと暗い顔をして過ごした日々、
サレ妻としてしか生きてこなかった自分、
それら全部をひっくるめて受け入れ、
いつか笑えるようになるよ。

というような意味合いも含んでいる。



とにかく、



不倫して有頂天の今は、
手の施しようのないバカ夫に何を言っても
徒労に終わるだけ。

自分とは関係のない場所での
自分には関わりのない腐敗した人間関係を
自分から家庭に持ち込むことは、しない。

どうせ
陰でコソコソ隠れてしか会えない関係。

いくら気をつけていても
周りから見たら、
まともな関係ではないと見抜かれている、ということに気付いていないおバカな二人。


そんなバカップルには
貴重なアドバイスも妻の思いやりも全く通じない。
それを受け止められる心の装置が壊れているから。

だから、
何を言っても、何をやっても無駄。


「放っておく」とは、そういうこと。



 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 



一見すると
身も蓋もないように思える「放っておく」という回答。


我慢して、耐えて、縮こまって、静観する…
という意味では決してなく、

言い換えるなら…「相手にしない」

だってバカだから…。
バカにつける薬はないから…!


そう考えられれば、数年後には
「放っておく」というのも
決してふざけた回答ではなかったんだ

と、納得できているあなたがいるかも知れません。



これまでの人生を振り返ってみる。

もちろん、
唐突にではなく、
夫の不倫が発覚したから。

そして記憶は、よみがえる。

幼かった頃、少女時代、青春時代、
学生から社会人へ。
何度かの、もしくはたった一度の恋愛。
そして結婚生活。


懐かしさと切なさが ないまぜになった感情とともに自分の歩んできた道を辿る。


振り返り、反芻しているうちに
当時の自分の言動に恥じ入り、
聞く耳を持たなかった他人のアドバイスが
今頃 身に染みてくる。

以前なら気にも留めずに済ませていたことが
今は、他人事にせず、
我が身を振り返り、
少し謙虚に考えられるようになった。


自分はちっとも悪くないはずなのに、
反省すべきは夫のはずなのに、
夫の不倫が 自分に変化をもたらしている。


最初は、苦しみから逃れるために何をしていいかわからなくて
ただ過去を振り返っていただけなのに、

記憶を辿るうちに
仕事や子育てで置き去りにしてきた大好きだった趣味や特技にまで思いが及ぶ。

好きだったのにやめてしまったこと。
忙しさに振り回されて諦めてしまったこと。
やりたいと思いながらやれなかったこと。

あの時より少し大人になった今、
それらのことに向き合う姿勢が変わったのか変わらないのか…。


もし、変わらない気持ちを再発見したなら


もう一度、始めてみませんか?
好きだったこと。


ただ気を紛らわせるためだけに始めた何かが
将来、あなたの人生を充実させたり、
生きがいになったりするかも知れません。
誰かの役に立つことがあるかも知れません。


夫の不倫発覚には、
思いがけないプラスの副産物があるかも知れないのです。



今まで必死に頑張ってきた。
いっぱい尽くしてきた。
私ばっかり我慢してきた。
いつも家族のことを優先させてきた。

なのに、
なぜこんな目に遭わされるの?
なぜ私だけが…。


でも、


いつまでも、かわいそうな自分でいると


「よく話してくれたね」
「苦しかったでしょうに」
「あなたは頑張ってる」
「悪いのはご主人」


気が付けば、
そんな言葉が聞きたいための言動ばかりになってしまっている。


そして、それを続けた結果
親身になって話を聴いてくれていた友人も
徐々にあなたから距離を置き
いずれ去っていってしまうかも知れません。


夫だけでなく、
大切な友人までも失いかねない…。


いつしか
問題の渦中にいることに酔ってしまい、
ネットやハウツー本に頼るだけで
なんの行動も起こさず、
その状況にただ身を置くだけになってしまっている。


もちろん、自分ではそんなことにまったく気づいていないし
そんなつもりも毛頭ない。

ただ苦しいだけ…。


……意外に、よくあることかも知れません。


「自己憐憫」からは、
何も生まれないし、何も始まらないのです。



たくさんの嘘をつかれた。

だから、、、

「なぜ?」
「どうして?」
「ホントに?」
「どうせ嘘でしょ?」

などを繰り返した。

結果、不倫夫は何も話さなくなった。


なのに、
女には言わなくていいことまで言っている。

おだてられて調子に乗ってペラペラペラペラしゃべってる…。

(そうに違いない。そうに決まってる…)



我が家のプライバシーを
一体どこまで漏らしているのか。

赤の他人にあれこれ知られる不気味さ。

女の情報は何一つ聞かされていないのに。

不条理で理不尽で、怒りがこみ上げてくる。






でも…

夫は不倫相手に、正直に何でも話しているわけではないのです。

女にも嘘をついているのです。

夫が自分の都合を優先したい場合とか、
不倫相手が複数いて、あっちと会うからこっちと会えない場合、とか。

そして何より、

「我が身可愛さ」のために。


最低…です。


嘘つき不倫夫は、
誰に対しても「うそつき」なのです。

多分、

自分自身に対してさえも…。

あまりに嘘をつきすぎて
自分でも
どこまでがホントでどこまでがウソか、
わからなくなっている可能性もあるかも知れないのです。


嘘で固められた不倫脳の夫の心の中を吐き出させることなど、
土台無理な話なのです。