テレビのバラエティー番組で人生相談をしていた。


「夫が不倫しています。
私はどうしたらいいでしょうか」













(回答)

「放っておきなさい。
そのうち、どうでもよくなります」







…………………。

いくらバラエティーとは言え、ふざけ過ぎでしょ!

と、渦中にいなくても、
そう思って当然ですよね。





ところが、


不倫が発覚した時にはとても考えられないけど、
夫の不倫がどうでもよくなる日が来ることがあるんです。


でもそれは、
心の傷がすっかり消えてなくなる、ということでは決してありませんし、
出来事を、なかったことにする、ということでもありません。





「放っておく」とは、どういうことか?

私なりに考えてみたので書いてみます。



* * * * * * *



まずは
自分の気持ちだけに目を向けるということ。

したい時に
したいことを
やってみるということ。

つまり…
慰謝料請求の準備をするも良し。
離婚に向けての計画を進めるも良し。
何が何でも夫の心を取り戻すために奔走するも良し。

そうこうしながら
その都度、一番いい方法をひねり出して
揺れ動く感情に逆らわずに
出来そうなことを粛々とやっていく。

気が変わったところで
誰が文句を言うわけでもない。

と同時に、
毎日の生活はちゃんとする。
ここは頑張る。

この時
心は、不安と悲しみのどん底を漂流し、
時間の経過に反比例するように
夫婦関係には何の成長も進歩も見られない。

それどころか、妻が不倫を黙認していると勘違いした夫の行動が
さらにエスカレートしていくように思える。
実際そうかも知れない。

でも、時間の経過は
夫婦関係の成長に役立たなくても
妻の心の成長を大いに助けてくれるかも知れない。
なぜなら、
あらゆることを夫に頼らなくなったから。


さらに…
証拠もあるからいつでも慰謝料請求できる。
親友も弁護士もカウンセラーも味方につけた。

これで有利な離婚もできそうだ。
でも離婚するかしないかは自分が決める。

こんな自由な考え方は
昔なら、しなかったかも知れない。



つらつら書き出してみると
「放っておく」って、こんな感じかな。

すべてのことを夫抜きでやる、という感じ。

つまり

夫を「泳がす」ってことですね。
完全に容疑者扱いです。
何なら加害者と位置付けてしまってもいいかも知れません。
とにかく自分の思いたいように思えばいいのです。
加害者でも犯人でもいいし、
主犯が女で、夫はその共犯者と思ってもいい。
何と思おうと自由です、当たり前だけど。

でも、夫を泳がしてるという意味は
しっかり「内偵」するということ…
つまり、探ることを怠らないということ。


「放っておく」って結構スリリングです。


さて、そのように月日は流れ、
気づけば、いつのまにか妻は
夫の不倫に惑わされることも減り、以前のように何げない日々を過ごせていたりする。
更にそれだけでなく、
その暮らしに幸せを見出し、人生全般が満足できるものになっていたりする。

そしてある日
自然体で暮らしていることに妻自身が驚き
自分が力まずに生きていられることに感動すら覚える。
大袈裟に言えばね。



時間は、かかるかも知れません。

おまけに、
夫が不倫をやめる保証があるわけでもない。



でも、穏やかな日々と健やかな心身を手に入れるために、
夫にではなく
自分自身にたっぷり時間をかける。
夫の不倫問題に立ち向かう時
そうすることが意外に近道だったりする。


「放っておく」って案外システマティックです。




そして……結果…

「どうでもよくなる」




「放っておく」→→→「どうでもよくなる」

この流れ、
なかなか理に適っているかも知れません。




付け足すならば…

毎日どんよりと暗い顔をして過ごした日々、
サレ妻としてしか生きてこなかった自分、
それら全部をひっくるめて受け入れ、
いつか笑えるようになるよ。

というような意味合いも含んでいる。



とにかく、



不倫して有頂天の今は、
手の施しようのないバカ夫に何を言っても
徒労に終わるだけ。

自分とは関係のない場所での
自分には関わりのない腐敗した人間関係を
自分から家庭に持ち込むことは、しない。

どうせ
陰でコソコソ隠れてしか会えない関係。

いくら気をつけていても
周りから見たら、
まともな関係ではないと見抜かれている、ということに気付いていないおバカな二人。


そんなバカップルには
貴重なアドバイスも妻の思いやりも全く通じない。
それを受け止められる心の装置が壊れているから。

だから、
何を言っても、何をやっても無駄。


「放っておく」とは、そういうこと。



 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 



一見すると
身も蓋もないように思える「放っておく」という回答。


我慢して、耐えて、縮こまって、静観する…
という意味では決してなく、

言い換えるなら…「相手にしない」

だってバカだから…。
バカにつける薬はないから…!


そう考えられれば、数年後には
「放っておく」というのも
決してふざけた回答ではなかったんだ

と、納得できているあなたがいるかも知れません。