しかし彼の魅力を知った僕の心には
もう選択の余地はなかったのだろう。

かれはにしくん。
見ての通りその屈託の無い笑顔は
女性はおろか、男性までも虜にする。
「ローマとイケメンは一日にしてならずや。」
そう吐き捨てて、僕の前から姿を消したにしくん。
彼を失った僕の人生はモノクロの写真。
針の止まった時計。
休み時間のない学校。
例えたらきりが無い。
何に対しても希望が持てず、
ただただ打ちひしがれていた僕に心に一筋の陽が差した。

名前とダンディーなヒゲは違うが、
彼は間違いなくにしくんだ。
毎日ひたすら彼の幻影を、
面影を、
笑顔を、
追ってきた自分にとってはそう思わざるを得なかった。
やってもいないブログの読者登録を勧めてくる彼は
どこか、にしくんと似ていた。
誰もこの茶番に「やかましいわ」と
ツッコミを入れることはできない。
何故なら、僕とにしくんとの繋がりは
もはや分子レベルの話なのだから。
(別に受精したワケじゃないよ。)
…つづく
