「またせたね。良樹君、いや藍禅」
「はい。緋子さん」
「私を呼ぶときは清水さん。いいね?」
「はい。わかりました清水さん」
「それでよし。さぁ乗って」
笑いながら彼女は車の扉を開け俺に中に入るように促した。
★
「着いたわよ、しっかりしなさいよ。昨日とはちがって今日は使用人の一人なんだからさ」
「はい。わかりました、清水さん」
...俺はは必ず見つけ出す。”ある物”を。そして...母さんを助け出すんだ。
「こっちに来て。執事室であなたは行動する。もちろんそれだけではなくお嬢様や旦那様のお世話をすることになるわ」
「はい。あの...寝る場所は?」
「すべて執事室で済ませられるように施してあるわ、ちなみに私たちの部屋のお向かい。だからといって襲わないようにね」
「いや...そんなのしませんけど」
やはり、緋子さんは変わらないな...。と苦笑いを浮かべていると執事室に着いたようで俺に目線をや
った。
「ここが...執事室ですか?」
「うん。そうだよ、よくお察しで」
...にしても、執事室のくせに広いな。これだと俺の家が二つは入る気がする。最近家と比較するくせ
があっていけない気がする。まぁ心で思う分はいいか
「自分の家と比べないようにね」
...くっそ。 俺は考える事すら許されてないのか。ってかここの家の人たちって全員読心術心得てな
い?というぐらい俺の心を読んでしまう。 なぜだろう...
「それは...あなたが口にだしているからよ。わからないの?」
「そんなはず...はっ!」
俺は口を噤んだ。 俺の心を読んでいるんじゃなくって俺の独り言を聞いているだけなのか...
それはかなり恥ずかしいぞ...。いつ独り言を言うようになったのか....。分らぬ....。
「わからないのね... 。まぁ面白いからいいんじゃない?」
「わぁ! すみません。以後気をつけますね」
「まぁいいわ。 中に荷物を入れて、ここに戻ってきなさい。あと執事服も着てきてね」
「わかりました、それでは...後ほど」
ガタンッ
俺はこのあと泣きを見る事になる...がそんなこと俺の知った事ではなかった
【#23 大蛇と名乗る者】後編