「御待たせしました。清水さん」
「へぇ似合うじゃない。」
「ど、どうも」
一応、女性の方に似合うと言われたら、とても嬉しいのだが、こんなことを思っているってことは...
必然的に...
「一応...ねぇ? 私はこれでも年頃すぎたお姉さんですよ?」
あぁ...やっぱりぃ...ごめんなさい。清水さん
「あら、藍禅ってよく謝るんだね、次謝ったら....ね?」
「...は、はいぃぃ...」
想像もしたくないわボケぇ...。
「いい突っ込みだよ!ナイス」
ありがとうございます。って、ちゃんと口に出さないと...
「いいよ。口に出さなくても」
「...ありがとうございます」
「それじゃあ旦那様のところに行きましょう」
いよいよ...俺の戦いが始まるのか...
さて...始めるか!
★★☆☆★★
...俺は善くやった方だと思う。
この2年間俺は散々いろいろなしごきを受けてようやくまともに行動が出来るようになった。
「姫子お嬢様、朝ご飯の支度が出来ました。」
「ありがとう、藍禅。いつもありがとうね」
お嬢様も、頑張っているのに俺ががんばらないわけにはいかない。
「とんでもございません。これが私の仕事なので...」
ジリリリーン ジリリリーン
とベルがなる。
これは玄関の子機の音だろう...。
俺は取りに行く。
まさかこの行為が後の...いや、お嬢様の運命を司る事になるとは...。
【#23 姫子の過去へ続く】