改めて予約し直した電車に乗って、1時間弱。

あっという間にフィゲラスに到着です。

 

電車は快適。

座席はきれいで飛行機みたいだし、車内販売もある。トイレは臭いけれど、清潔で使えるレベル。

 

「ヨーロッパの電車は…」とひとくくりにしてはいけないと肝に銘じる。

 

 

フィゲラス駅からダリ美術館へは歩いて20分ほどです。

 

ガイドには電車に合わせてバスが出ていると書いてありましたが、駅の人曰く「そんなものはない」とのこと。

 

そうですか…

 

しかしその前に重大なミッションが。

 

そう、帰りの電車の時間変更です!

 

あいにくまだシステムはダウンしていたようで、どこかに電話をかける駅員さん。

 

しばらくして、手書きで座席が書かれた紙と一緒にチケットが帰ってきました。

 

変更後の電車の時間も書いてないけど、大丈夫なんだよね?

 

 

少々不安は残るけれど、なんとかなるでしょう。

いい感じにゆるい国だから。

 

美術館に向かって出発。

天気が良かったので、歩くのも苦ではないわ。

 

何もない通りで、おそらく歩いている人の大半はダリ美術館の客と思われる。

 

しばらくすると特徴的な外壁が見えてきました。

 

 

入口はこちらです。

 

 

受付の係員に「電車逃しちゃって、チケットの時間を過ぎてるんだけど…」と言ったら、

 

「今日は空いてるから全然問題ないよ!」

 

と、快く入れてもらえたのでしたチュー

 

現地の友人にも「とりあえず行ってみなよ。そのまま入れるかもよ。」と言われていたので少し期待していたのだけど、良かった…!

 

この美術館は、ダリが生前に、自らデザインしたもの。

 

入場してすぐの中庭がまず素敵で印象的。

 

ダリが実際に乗っていたキャデラックです。

 

 

彼(とその妻ガラ)は生前に多くの作品を販売したため、いまでは世界中の美術館に所蔵されているようです。

 

そのため、この美術館には作品はそんなに多くは残されていないけれど、ダリのこだわりがこれでもかというくらい詰まっています。

 

一度訪れたら忘れられない強烈な作品がいくつかあって、面白い!

 

私は2度目の訪問だったけれど、前回は20年以上前で、スマホやタブレットもなかった時代。

 

他の観光施設同様、デジタルが導入されていたり、興味深かったです。

 

 

正面のリンカーンのモザイク。 

 

近くで見ると妻ガラの後ろ姿がメインで、リンカーンには見えないのですよ!

 

 

左下にもリンカーンの一コマが。

こんなだまし絵的な作品が面白いですよね。

 

そしておそらく最もシュルレアリズムを感じる展示は「メイ・ウエストの顔のシュルレアル・アパート」ではないでしょうか!

 

 

 

ダリのミューズであったアメリカ人女優メイ・ウエストの顔をリビングルームに見立てたもので、唇がソファ、鼻が暖炉、目が窓枠になっているのです。

 

 

この階段に登って、ラクダ(かな?)の間のスコープを通すと、上のような顔に見えるように配置されています。

 

 

天井にはバスルームが、そして、この裏には創作と瞑想のために必要な緑のベッドルームが隠れています。

 

 

 

その他の作品を掲載しているとキリがないのですが、今回期間限定で展示されていた十字架の聖ヨハネのキリスト」を。

 

 

 

その作成過程や、ほかの著名アーティストによるキリスト磔刑像との比較が動画でも紹介されていました。

 

ダリのは、珍しく上から見下ろす構図になっています。

 

そして足元にはスペインの海辺。 

 

独特でとても印象的な作品ですよね。

 

十分堪能して、美術館を後にしました。

娘達も楽しんでくれてよかったです。

 

 

朝の失敗を思い出して、念のため電車の時間に余裕を持って出発。

 

帰り道は夕陽がきれいでした。

 

 

20分前に駅に着いたらまたしても行列です。

 

とても小さな駅なのだけど、ここでもセキュリティチェック?!

 

電車の発車の時間になってようやくセキュリティチェックの列が進み始めました。

 

手書きの切符も「OK!」と問題なく通れて安心。

 

ところが、ホームに上がる階段の前でまた止まってしまった。電車の発車時間はとっくに過ぎているけれど、みんなバルセロナに帰る人たちだから大丈夫でしょう…

 

 

よくやく動き出したと思ったら、ホームのずーっと向こうに電車が止まってるの。こんなに広いのになぜあそこで足止めされていてのかさっぱりわからないわ。

 

 

そして指定された号車の座席にいくと、やはり「私たちもそこなの」とやってきた家族がいましたわよチュー

 

手書きの切符、やっぱり信用ならなかった。

 

でも彼らは地元の人だったみたいで、「大丈夫、人がこなかったら適当に座ってるから」とフレキシブルだったわ。

 

ありがたいことに無事にバルセロナまで座って帰れました。

 

そんなわけで、電車でダリ美術館に行く方は、色々起こるかもしれないと予想しておいた方が良いかもしれません。