さて、AibonitoからBarranquitasへ向かう道は山の景色が美しく、ドライブしていても楽しい。そのうち周囲の高低が激しくなってきて、地図的にも「そろそろキャニオンじゃない~?」と怪しみ始めた。
この調子じゃ、「ここがキャニオン!」っていう観光スポットはなさそう。しかも暑さで喉がからから。毎日水を1ℓくらい持ち歩いているけれど、夕方になると疲れて甘いものが欲しいよ~。
するとタイミングよく、カーブを曲がった瞬間にジューススタンド発見!
すかさず停まって、冷たいジュースをゲット。
あー美味しい~
ついでにスタンドのおじちゃんに「キャニオンってこの辺?」と聞いてみる。
人の良いおじちゃんの話によると、ちょうど通り過ぎてしまって、ちょっと戻ったところらしい。
しかも「細い坂道をずーっと降りて行って、突き当たりの民家の納屋を通っていくんだ。住人に挨拶したら入れてくれるよ」という。
「もしくはキャニオン好きの人がそこ(通りの向こうを指差して)に住んでて、彼が35ドルでヘリコプターに乗せてくれるよ。」という。
これは観光案内には絶対載ってなさそうなローカル情報。
ついでに疑問だったことを聞いてみた。
「何でプエルト・リコの人たちはみんな新品の高級車に乗ってるの?」
おじちゃん:「政府のせいだよ。ぼろい車は車検を通さないんだ。それで最近みんな新しい車を乗るようになったんだよ」
へ~。それにしてもお金はとこから出てくるんだろう?
「それにしてもレストランが高いよね?どうして?」
おじちゃん:「そうだよ、いいレストランはやっぱり高いよ。僕ら家族3人でこの辺の美味しい店に行くと、やっぱり300ドルは掛かるからね。」
えええー?3人で300ドル~?
しかも子供はまだ小さいのに~。
日本だって超高級レストラン級の金額ではないか?!
しかもこのジュース・スタンドでそんなに儲かるとは思えないしなあ・・・
やはりプエルト・リコはナゾだらけだ。
そんな感じで世間話をして、ようやくキャニオンに向かう。
少し戻ったところに、突然細い坂道が。
「きっとこれだよ、行ってみよう」
かなり急な坂道を下り始めると、左右に民家が・・・本当にここで良かったのかしら???
夫は「絶対間違えたよ。だからやだったんだよ。こんな細い道バックも出来ないよ。」と勝手に逆ギレ。
「いいから」もうちょっと行ってみようよ。他にそれらしい坂道なかったじゃない」とあくまでも追求したい私。
どっちみちUターンしなくちゃいけないからというんで、そのまま直進。住民にじろじろ見られながら、坂道の行き止まりまで行ってUターンをしかけたところで一番奥の家の住人らしき女性が大きな四駆でご帰宅。やはりこんなローカルな小さな家なのに新車・・・と思いながら、夫が慌てて謝りだした。
「お宅の敷地内に入ってしまって申し訳ないけれど、キャニオンを探していて・・・云々」
「スペイン語話せる?英語だけなの?しょうがないわね、娘が案内するわ」
助手席の「娘」が降りてきて、私たちの車を誘導し始めた。おや~・・・?どうやらここに停めろということらしい。
「こっちよ」と私たちを連れて鉄格子のところへ案内してくれる。よく見ると馬やウサギがいる。これが例の「納屋」なのか?「好きなだけいていいわよ。終わったら錠だけおろしておいて。」と言って彼女は家に入ってしまった。
やっぱりここで合っていたみたい。鉄格子を越えてなぜかゴールデンリトリーバーまで収容されている動物達の檻を過ぎるとそこは渓谷。西日が眩しいが、遥か遠くにはジュース屋のおじちゃんが言っていた「滝」らしいものもかすかに見える。
これもプエルト・リコらしい、というのかしら・・・