10月19日付AFPの記事によれば、17日イスラエル軍がガザ地区でバスを砲撃しパレスチナ人一家9人を殺害したと、ガザ民間防衛隊が18日に発表したという。9人のうち4人は子供だという。
イスラエル軍は、停戦合意下で部隊が配置されている「イエローライン」に接近、越境した人物に対し発砲してるみたいだ。このバスもその標的になったらしい。
ただ、ネットも使えず、破壊され尽くされた街で、「イエローライン」と宣言されても、そもそもそれをどれほどのパレスチナ人がきちんと認識できてるんだろう。
このバスに乗っていた9人も何故砲撃されるのかわからないまま殺されていったのかもしれない。
イスラエルとハマスの停戦合意が発効したのは、10月10日正午。
13日、ハマスは生存する人質20人全員解放。
先週までに、12人の遺体を引き渡したという。(13人目の遺体は、検死の結果イスラエル人人質ではないことがわかったみたいだ。)
そしてまだ16人の遺体がガザに残されているという。
イスラエルが引き換えに解放したのは、約2000人のパレスチナ人、100人以上の遺体。
解放された父親が乗るバスの窓にしがみついて離れない少年、立つこともできず衰弱し切って運び出される痩せ細った若い男性。解放された2000人のうち、一体どれほどが「囚人」の名に価する罪を犯していたのか、わからない。
19日日曜日、イスラエル軍は、停戦合意下でイスラエル軍のコントロール下にある、ガザ南部のラファで、パレスチナ人民兵に攻撃され兵士2人が死亡したとして、停戦合意違反だと、攻撃を強化。ガザのパレスチナ人44人が死亡したという。一方ハマスはラファにいる民兵たちとは数ヶ月連絡を取れてないと発表。
互いに合意違反だと非難しあってる。けど、それぞれ停戦合意は遵守するとも言ってる。
死亡した人質の遺体の引き渡しが遅れていることも合意違反だと責めるイスラエル。
昨日、NHKの夜のニュースで、イスラエル軍の攻撃でガザで44人死亡した件を報じていた。停戦合意違反だとの非難の応酬についても触れていた。
その間、破壊し尽くされたガザの市街地の映像が画面いっぱいに映された。この破壊された見渡す限りの瓦礫の中から、残された遺体を「掘り出す」のにどれほどの労力と時間を必要とするか。そもそも瓦礫の埋もれているのはイスラエル人の人質だけじゃない。
イスラエルのカッツ国防相は、合意が守られないなら「戦闘を再開する」と発言してるという。米国は今のところ、遺体収容は困難だと理解を示しているというけど。
脆い合意なのかもしれないけど、どうかその言葉通り互いに遵守してくださいとやっぱり願うことしかできない。