パパの休日【前編】 | Lover's Concerto

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双子の兄弟が生まれてさらに1年。

つくしはなんと4番目の
子供を出産した。

今度こそつくしにそっくりの
可愛い女の子。

上3人はどっちかと言うと
俺似だけどこの子だけは
つくしに瓜二つ。

仕草も髪の色も笑顔もマジで
つくしのミニチュア!

幸いなことにこの子は生まれた時から
俺のそばにいるから類には靡いてない。

さくらには猛烈に可愛がられてるけどな。

名前は楓梨(かりん)

お袋から一字をもらった
つくしそっくりの娘。

つくしの顔や仕草で「わたくし」とか
言ったら間違いなく吹く。

冗談はさておき年子を育てるのは
双子より大変だというけど
ウチには育ち盛りの年の
近い子供が4人。

静かなわけがない。

つくしは毎日賑やかに育児中。

しっかり仕事もして、手も抜かずに
母親やってくれてる。

家族が増えたのはまあ
喜ばしいことなんだけど。

正直いって俺は手のかかる
子供たちの世話に追われてる
つくしに相手にしてもらえない。

やっと2人きりになれたと思っても
誰かしらやってきちゃー
つくしを拉致ってく。

それは愛しいはずの子供たちだったり、
幼馴染たちや彼女のダチだったり
姉貴やお袋だったり。

そして子供たちとお袋はいいとして
姉貴とダチどもは口をそろえて言う。

せっかくの休みの日くらい
つくしを休ませてやれ!

そんなことは言われなくても
わかってるけどアイツ自身が
手を抜こうとしないないんだから
仕方ないと思わないか?

勝手な理屈と子供らを押し付けて
どっかに行ってしまう。

さくらは甘えん坊。

いつも一番に俺の膝を占拠する。

甘えた声でパパ抱っことねだられると
ついつい抱き上げちまう。

人形遊びにつき合わされてるのは
いつも類。
ままごとはあきらで
総二郎とは戦いごっこ?をして
遊んでる。

俺はいつも見てるだけかこうやって
抱き上げてやるくらいしか出来ない。

この子には赤ん坊のときずっと
離れて暮らしててなかなか
逢えなくて一緒に暮らせなかった。

その負い目があるせいかどうしても
甘やかしてしまう。

双子の兄弟、睦と慧。
こいつらは笑っちまうほどそっくりだ。

まだ小さいせいか手を焼くって
ことは少ない気がする。
2人揃って泣き虫。

おもちゃの取り合いして
うるさいと叱れば同じタイミングで
両方ともが泣き出す。
俺様の子とは思えないくらい
弱っちくて鈍臭い。

姉には叶わなくていつも負けて
泣かされては大泣きしている。

それにさらにちいせぇ楓梨が加わって
てんやわんやの大騒ぎ。

さらに兄2人は超のつく母親っ子で
つくしがいないと後追いして
大泣きする。

3人揃って泣き出すとハッキリいって
手に負えない。

それなのにどーだ?

楓梨は母親不在でもへっちゃらで
うるさい中ひたすら寝転ける。

まるでつくしの顔した類だ。

普通赤ん坊ってもんは泣くか寝てるかのどっちかだがコイツはとにかく
寝てばっかで起きてるのを見た事がない。

だけど楓梨が静かなせいでつくしの
不在に気付かれることはほぼない。

それでも楓梨にまでつくしの不在を
勘づかれたらおしまいだ

さくらも眠くなるとママに
抱っこじゃないと寝ない。

以下に普段つくしに依存してるかが
分かってしまう。

それでもオムツ換えもミルクの
調乳も人の手を借りずに
出来るようになった。

この俺様がだぞ?

ガキなんて煩いし臭いし泣くだけで
喋らないから面倒だしって思ってた。
でも、自分の子供にはそういう
思いは不思議とないんだよな。

どんなことをしても可愛いって
思えるんだよ。
-
その証に最近は俺と一緒にいることに
慣れたのか泣き喚いて周りを
困らせるってことは減ってきた。

俺も誰にも邪魔されず子供たちと
一緒に居る時間をもてて少しだけ
お節介な友人たちには感謝してる。

でもやっぱり家族と過ごせる
時間を持つ余裕が出来たのに
その中につくしの姿だけが
無いってのはやっぱり不満の
ひとつな訳で。

次の休みにはつくしも一緒に
ハワイあたりに非難することにした。

だってよー

新婚旅行にも行ってないんだぜ?

こう次々と子供に恵まれたせいで
今さら旅行ね~って本人も
醒めちまってるし。

使用人たちに絶対あいつらに
行き先吐くなよと脅して
俺たちはハワイへとハネムーンと
いう名の逃避行をしよう。

いきなりの横行につくしは
怒るかと思った。

けれど思いのほか上機嫌で
素直に喜んでくれた。

つくしに話したとき居合わせた
お袋にも口止めのために
同行してもらう。

すっかり優しいおばあちゃんに
変わったお袋は思わぬ形での
家族旅行に終始にこやかだった。

「あら珍しいりんちゃん起きてんの?」

そんな声を娘にかけるつくし

「いいねぇパパのお膝独り占めだね」

当の楓梨はつくしに声をかけられて
 珍しく機嫌良さそうにしていた。                                                                                          「ぱっぱ…んまんま」       

そう言いながら俺の手を
口の中に持っていこうとする。

小さな手で掴んで 離さない     

そしてニコォ~と笑う。

それがもう本当に可愛くて堪らない

「ぱっぱ~」

「やだアンタってばお腹すいたの?」

時計を見てもまだ夕飯には
だいぶ早い。

思い切って口を開く。

「俺、用意してきてやるから
お前ここに座ってろ」

やべぇ~すんげー可愛い      

さくらも……あの双子たちも
そうだったか?

末っ子だから余計に可愛く見えるのか?

「つくしは休んでな、昨夜双子の
夜更かしに付き合わされて
碌に寝てないだろ」

「でもりんちゃんのご飯……」

「大丈夫だこいつは腹が減ってる時は
超絶素直だから扱い易い」

そこに幼稚園から帰ってきた
さくらと双子が手伝いの者達とこっちに
向かってやってくるのが聞こえた。

「やだもうこんな時間?」

廊下から聞こえてくる子供たちの
声につくしが反応した。 

つくしは名残惜しそうな顔して
俺に楓梨の世話を頼むと
玄関ホールの方に駆けていった。


楓梨は飯が待ちきれなくて
ジタバタし始める。

さすがつくしの子。

ククっと喉の奥で笑いながら
楓梨のご飯を食べさせる。

「はい、ご飯終わり、早かったな」

よっぽど腹が減ってたのか
あっという間に平らげてしまう。

「あ~ゔ~💢」

「怒ってもおしまいだ見てみろ
何もないだろ?」

空になった皿を見せるとようやく
諦めたのか静かになった。

「お前は変なとこばっかつくしに
そっくりだな?」

すっかりおとなしくなった楓梨。

しばらくするとまた眠くなったのか
目を擦り始めた。

抱き上げてゲップをさせると
腕の中でウトウトし始めた。





「分かり易いなお前」

目を瞑って胸元に凭れてた
楓梨が覚醒して腕の中で
ジタバタし始める。

「ぱっぱ、ぁ~」

「なんだよ、寝るんじゃないんか?
楓梨ちゃんは」

「ぶぅ~ぶぅ💢」

その時怒った楓梨が俺の胸元に
思い切り頭をぶつけてきた。

「いてて…コラ頭突きすんなって
車?あれはにぃにのだろ?」

どこか意思表示が暴力的な
楓梨ちゃん。

やっぱり間違いなくつくしの子だな
乗ると言って聞かない楓梨。

仕方なく睦のを拝借する。

最近自我が出てきて面倒い末っ子。

女の子なのに男勝りなとこは
やっぱり母親似だ。

着替えてリビングにやってきた
長男は自分のものが妹に
使われてても怒らない。

「まこ~車少しだけりんに
貸してやってな」

そう声をかけてやっとこっちを見た睦

黙って頷く。

これが弟だと嫌がって暴れる。

まこの頭を撫でてやると
擽ったそうに首を竦めた。




「ぱぱ~」

すっかり姉らしくなったさくらが
慧の手を引いてやってきた。

慧は少し眠そうだ。

さくらの手としっかり繋がれてやってきた。

「おかえりさくら、慧」

「今日るいは?」

開口一番類かよ。

「さくらが幼稚園行く日は
類はこれないっていっただろ?」

「おやずみの日は会える?」

「ああ、類にお仕事が入ってなきゃな?」

赤ん坊の頃から類に懐いてたさくら。

半分、親みたいなもんだから
仕方ないけどやっぱ気に食わない!

「ぱっぱ~」

足元に兄の車に乗って現れた楓梨
早く動かせと催促される。

「りん、あぶない」

睦は咄嗟に車から落ちた
りんを庇う。

ビックリした楓梨が泣き出す。

「いたくないもん、これくらい」

意地を張る睦。

本当は痛いくせに痩せ我慢してる。

その証拠に目じりにはうっすら
涙の膜が張っていた。

「ぶぅ、にぃに~(いっしょにあそぼー?)」

その涙も不思議なことに楓梨に
微笑みかけられると引っ込む。

メソメソ泣いてるところを
楓梨には見られたくないらしい。

(つくしの笑顔に弱いところは)俺譲りの長男
我の強い長女と双子の弟と末っ子。

「にいに、よちよち…たいのとんでけ~」

妹に慰められて涙を引っ込めた兄。

顔を覗き込んで楓梨は睦にキスした。
 
ったく類のやつ変なこと教えやがって!

楓梨までキス魔にすんなよな?