俺のお姫様① | Lover's Concerto

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※書き下ろし
ホムペにはありません



 さくらを初めて見たとき
俺の世界は少しだけ色が着いて
明るくなった気がした。

彼女は親友の司とずっと恋焦がれていた
女性との間に生まれた一人娘。

両親のどちらにも似た面影を持つ
俺の大切なお姫様。

母親にそっくりの人懐こさと笑顔を持ち
父親の性格を受け継ぐ最強のお姫様。

それがさくらだった。

可愛くて愛おしくて、会う度に
つい甘やかしてしまう。

よく笑って可愛いんだ。

いつもつくしには必要以上に
甘やかすなって目を三角にして
怒られるけど。

最近喋るようになって
俺のことも両親や周りにいる
親友たちの真似して『りゅい』と
名前で呼ぼうとする。

その舌っ足らずなところが可愛くて
必要以上につい甘やかしてしまう。

そのさくらが最近、"お姉ちゃん"になった。
 生まれてきたのは双子の兄弟。

これがまた父親の司そっくりで
俺には見分けがつかないくらい
瓜二つな一卵性双生児だった。

あきらんとこの絵夢と芽夣も
やっぱりそっくりだけど
ここんちの双子はもっとそっくり。

ホクロの位置もほぼ同じで
マジで見た目だけじゃわからない。

どっちがが兄で弟だかパッと見じゃ
分からないくらいそっくりだった。

それなのに。

つくしもさくらも弟たちを一瞬で
見分けられる。

司も俺らも必ず1回は間違えるのにだ。

でも最近その瓜二つな双子に
ようやく見分けがつくようになった。

それはやっぱり黒子の位置。

微妙に違うんだ。

右手の指の付け根に黒子があるのが
兄の睦(まこと)で
ないのが弟の慧(さとし)。
 
つくしが2人を見分ける時に使う
目印みたいなものだった。

兄の方には司の親父さんの名前が
意味と字を変えて付けられている。

母親のつくしが双子の育児に
かかりきりになってますますさくらは
俺にベッタリにななった。

このままだとまずいとは思うものの
甘えられて悪い気はしない。

だからつい甘やかしてしまうんだ。
ダメだと思っているのに可愛さ余って。

こんなつまらない俺を無垢に懐いてくれる
さくらを手離せない。

親友の娘だと分かってはいるけれど
この子が自分の子であるかのように
錯覚してしまう。

幼なじみたちはまるでお前の
子みたいだなと揶揄ってくる。

当のつくしまでもだ。

弁えてるつもりだったけれど
顔を合わす度にウチの子にしたい
欲望が膨らんでくる。




「ねえ、つくし、今週末、さくらを
ウチにお泊まりさせていい?
双子の面倒1人で見るんでしょ?」

「でも……悪いよ、類だって忙しいでしょ?」

「母さんがさくらに会いたいって」」

「でも悪いよ、おば様にだって
ご予定があるでしょう?」

「あの人の場合好きでさくらに構ってるから
放っといていいよ?やりたくてやってるんだし」

「でも、いいのかな?おじ様だって
いらっしゃるんでしょう?」

見てる分には面白いけどね?

あの堅物の父親が年端のいかない
子供に振り回されてるのは
見てるだけで面白い。

『じいじ』と呼ばれて悦んでいるのを
見るのはかなり愉快だ。

さくらには『じいじ』が不在だからね

「たまにはアンタも休みなよ?姉弟を
離したくない気持ちはわかるけど
無理してるとつくしが倒れちゃうよ?」

「じゃあ、今週だけ預かってもらっていい?」

申し訳なさそうに眉根を下げるつくし。

「こんなことしか出来なくてごめん」

「ありがとう、類助かる!
あの子が類を大好きでよかった」

そう言ってつくしは安堵したように
微笑んで見せた。

つくしのこの笑顔が好きだ。
二度と曇らせたくない。


②に続く。