「……変わってないね?」
木の幹を撫でながらあたしは言う。
「たった10年かそこらで変わって堪るかよ」
ムードの欠片もないことを司が
言うからちょっと頭に来て脛を蹴った。
「いて、妊婦がそんなことすんなよ。」
転んだらどうすんだと怒られる。
「……ごめん、あんたがツレないこというから」
ちょっとだけしゅんとしてみせる。
「何でこのくそさみーのにこんなとこ
来たいっていったんだ?」
あたしが冷えないように上着を
肩にかけてくれる。
「うん、あたしたち10年前に
ここで誓ったよねって思って
だからお礼言おうと思ってさ。」
「桜の木にか?」
「うん、だって願い叶ったもん。」
「……何となく、覚えてるぞ?お前
あのときここで号泣したよな?」
「うるさいな……」
あたしは無言で司の腹部に肘鉄を
「うるさいな……」
あたしは無言で司の腹部に肘鉄を
食らわせようとして避けられた。
代わりに身体全体が包み込まれる。
「……ちょっとこうさせて」
道明寺の温もりはあたしを
心地よい気分にさせる。
え?
あたしは背中に思いもかけない
振動を感じて後ろを振り向いた。
代わりに身体全体が包み込まれる。
「……ちょっとこうさせて」
道明寺の温もりはあたしを
心地よい気分にさせる。
え?
あたしは背中に思いもかけない
振動を感じて後ろを振り向いた。
司があたしの肩に顔を埋めて
身体を震わせていた。
……泣いてるの?
恐る恐る振り返ると道明寺は
あたしから離れて背を向けた。
「……道明寺?どうしたの?」
もし泣いてるなら訊いちゃいけないと
思ったけれど訊いてしまった。
「……嬉しいんだよ!絶対手に入んないと
思ってたもんが手に入ったから」
「そっか……」
あたしはさっき道明寺がして
くれたように背中から抱きしめる。
「あたしも嬉しいよ……司はもう
あたしのこと忘れたのかなって思ったら
寂しくて仕方なかったんだ……」
「あたしも嬉しいよ……司はもう
あたしのこと忘れたのかなって思ったら
寂しくて仕方なかったんだ……」
「忘れるわけいだろっ!」
顔を上げた司の鼻が赤くなってる
顔を上げた司の鼻が赤くなってる
ところを見てあたしは我慢できず
ぷっと吹き出す。
「やだ……ほんとに泣いてた。」
「てめ……💢」
道明寺の額にピシって音がして
破れそうなくらい血管が浮く。
「ごめ……くっくっく……」
「なんかお前微妙にムカつく
笑ってんじゃねーよっ!!」
そういって拗ねてしまった。
「もう過去のことはいいじゃない?
あたしはアンタとこの子とで
歩んでいく未来があればいい。
過去を全部忘れるなんてできないけど
あたしは今とこれから訪れる未来を
「やだ……ほんとに泣いてた。」
「てめ……💢」
道明寺の額にピシって音がして
破れそうなくらい血管が浮く。
「ごめ……くっくっく……」
「なんかお前微妙にムカつく
笑ってんじゃねーよっ!!」
そういって拗ねてしまった。
「もう過去のことはいいじゃない?
あたしはアンタとこの子とで
歩んでいく未来があればいい。
過去を全部忘れるなんてできないけど
あたしは今とこれから訪れる未来を
信じるよ。でも過去にも感謝しなきゃね?
あの辛い過去がなかったらあたし達
今ここでこうして泣いたり
怒ったりできないでしょ?」
ゆっくり言葉を選んでたずねると
そうだなと司は振り向いてくれた。
そのときの司の笑顔はまだ幼い
子供のようですごく可愛かった。
あたし達は桜の木の前に並んで
手を合わせる。
あたしたちの願いを叶えてくれて
ありがとう。
これからも見守ってください。
そう祈ると顔を上げた司と
視線が合う。
「……冷えるから行こうぜ
またこいつが生まれたら
ここに見せに来よう。」
司が照れくさそうに
頭を掻きながら言う。
「……うん。」
あたし達は手を繋いできた道を戻った。
「そういえばそろそろみんな結果
知りたくてうずうずしてんじゃない?」
「いんだよ!今夜くらい焦らしとけ!」
思い出したようにそういうと
司はそういって邪魔扱いした。
再会のきっかけをくれた彼らに
その仕打ちはないだろうと思ったけれど。
彼の仕草があたしの記憶にある
司らしくてやっぱり笑ってしまった。
「それから!お前も道明寺に
なるんだからいい加減普段も
名前で呼べ!」
どさくさに紛れてそう叫んだ。
「はいはい。」
「ハイは1回だろ!」
と、怒りを露わにする道明寺。
姿を現した大魔神の怒りを
鎮めるためにあたしは背伸びして
道明寺の襟元を手繰り寄せると
そのまま口付けていた。
真っ赤になって硬直する彼の
耳元に止めを刺す。
「……司、大好き、愛してるよ。」
あたしがそういうと司は
今まで見たこともないような
極上の笑みを見せてくれた。
式を挙げた後、道……じゃなくて
司は単身NYに渡った。
離れてても大丈夫。
あたしたちには今度はちゃんと
帰る場所があるから。
あたしは将来その事業を継ぐであろう
ホテルの経営を新しく母となった
人から学ぶことになった。
思ったよりも大変そうだけど
実際に手をつけてみると
楽しいかもしれない。
そして……
今ここでこうして泣いたり
怒ったりできないでしょ?」
ゆっくり言葉を選んでたずねると
そうだなと司は振り向いてくれた。
そのときの司の笑顔はまだ幼い
子供のようですごく可愛かった。
あたし達は桜の木の前に並んで
手を合わせる。
あたしたちの願いを叶えてくれて
ありがとう。
これからも見守ってください。
そう祈ると顔を上げた司と
視線が合う。
「……冷えるから行こうぜ
またこいつが生まれたら
ここに見せに来よう。」
司が照れくさそうに
頭を掻きながら言う。
「……うん。」
あたし達は手を繋いできた道を戻った。
「そういえばそろそろみんな結果
知りたくてうずうずしてんじゃない?」
「いんだよ!今夜くらい焦らしとけ!」
思い出したようにそういうと
司はそういって邪魔扱いした。
再会のきっかけをくれた彼らに
その仕打ちはないだろうと思ったけれど。
彼の仕草があたしの記憶にある
司らしくてやっぱり笑ってしまった。
「それから!お前も道明寺に
なるんだからいい加減普段も
名前で呼べ!」
どさくさに紛れてそう叫んだ。
「はいはい。」
「ハイは1回だろ!」
と、怒りを露わにする道明寺。
姿を現した大魔神の怒りを
鎮めるためにあたしは背伸びして
道明寺の襟元を手繰り寄せると
そのまま口付けていた。
真っ赤になって硬直する彼の
耳元に止めを刺す。
「……司、大好き、愛してるよ。」
あたしがそういうと司は
今まで見たこともないような
極上の笑みを見せてくれた。
式を挙げた後、道……じゃなくて
司は単身NYに渡った。
離れてても大丈夫。
あたしたちには今度はちゃんと
帰る場所があるから。
あたしは将来その事業を継ぐであろう
ホテルの経営を新しく母となった
人から学ぶことになった。
思ったよりも大変そうだけど
実際に手をつけてみると
楽しいかもしれない。
そして……
その年の秋に生まれた娘に
さくらと名付けた司。
あたし達を再び結び付けてくれた
古い桜の木。
秋生まれなのに桜かよと周りに
突っ込まれたけどあたしたちは
いいのといって譲らなかった。
ずっと忘れないように娘の
名前に刻みつけた。
司が覚えていてくれたことが
嬉しくて初めて娘の名前を
聞いたとき思わず泣いてしまった。
次に桜が咲いたらさくらを見せに行こう?
それが新たにあたし達の約束になった。
END
次からは番外編になります。
司、つくし、類と続きます。