GoodBye To Love 16話 | Lover's Concerto

Lover's Concerto

花より男子の二次創作ブログです。
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花嫁修行より一足先に始まった
バイオリンのレッスン。

今日は英徳に迎えに来た
先生に車に乗せられて
どこかに連れていかれた。

着いた場所は道明氏家に
負けず劣らずの大豪邸。

どこまでが敷地なのかまったく
分からないくらいの広大な土地。

たぶん道明寺家より広い。
さすがに私も目が点になった。

「先生?ここは?」

「外よりウチの方が防音室あるから」

見るとどこかホールのような設備。

「大丈夫、ちゃんと送るから
君を連れ出すことは椿さんに
きちんと許可貰ってる」

「はい」

少し不安になったけど
先生の後について行く。

それから今日はもう1人
仲間がいるんだ」

「奈央、入っといで」

そう言われて中に入ってきた
女性がおずおずと私たちの方に
歩いてきた。

「僕の妹」

先生の妹だというその人は
ゆっくりと私の前に歩いてきた。

え?妹なのに……先生のレッスンが
必要だと言うのかしら?

「私は親の再婚でこの家に来たの
だから何もひとりじゃできないのよ」

学校から帰ってきたら
勉強の毎日だそう

ご両親の再婚前から嗜んでた
バイオリンだけは絶対に
やめたくないのだという。

だからこの家でお兄さんが
バイオリンの先生をすると聞いて
頼み込んで混ぜてもらったという。

「私は……花嫁修行の一部で……」

遠慮がちに事情の説明を始める。

「君達、価値観が合うんじゃない?」

先生は優しく微笑みながら
奈央さんに言った。

私は奈央さんと仲良くなり
西園寺家に通ってのレッスンは
苦ではなくなっていた。

先生……雅季さんも丁寧に教えてくれる。

奈央さんも雅季さんもF4と同じ年齢。

それなのに。
彼らは同じお金持ちの家に暮らしていても
三男と長女であるから跡取りとしての
重圧は無いらしい。

私みたいな素人に楽器教えても
自由に過ごせる時間があるらしい。

人に教えるのは自分のおさらいにも
なるからと引き受けてくれていた。





「つくし、今日は……」

「ごめん、今日はバイオリンの
レッスンなの!」

類が息抜きしようとお茶に
誘い出そうとする。

「こないだも同じこと言ったじゃん!」

バイオリンの後ももう色んな習い事で
予定がビッシリだった。

プライベートでのとはいえ
講師までつけての習い事と
尽く予定のすれ違う生活に類の
不満はそろそろはち切れそうな
様子だった。

「ねえ!俺との時間は?
バイオリンなら俺が教えるって!」

「でも約束しちゃったから
その後じゃダメ?」

私がそう言うと不満気に唇を尖らす。

類が拗ねるのも仕方がない。

急に詰め込んだって身にはならないよ。

彼はそう言って花嫁授業には
反対なのだ。

自分の将来の為と決めたことが
類には邪魔なものになっている。

「でも、やるって決めたんだから
最後までやりたい」

「それは俺との時間を犠牲にしても
やらなくちゃいけないことなの?」

聞き分けのない子供みたいな
ことを言われ……ゲンナリする。

「そうじゃないけど最後まで
やり遂げるって決めたことなの
お願いだから応援してよ」

ここまで意見が食い違うと
進むものも進まない。

「はぁ、わかった……もうやめよっか」

ため息とともに零れた諦めの言葉。

「やめるって?」

「類との結婚も同居も全部だよ」

「なにいってんのっ?」

「もう嫌だよ、最近顔合わせる度に
こんな喧嘩ばかりで
私が花嫁授業なんかしなきゃ
揉めることだってないでしょ?」

私のすることに文句ばかりで
頑張れって一言くらいあればいいのに
何も無いし言われるのは反対の事ばかり。

「辞めるわよ、花嫁授業も結婚も全部!
それなら文句ないでしょ!」

私は首にネックレスとしてかけてた
指輪を外して類に投げつけた。

まだ始まったばかり。

それなのに途中で投げ出して
逃げるということが何を意味
するのかくらい分からない訳じゃない。

周りを巻き込んで迷惑かけて
やっぱり辞めますなんて
タダで済むわけない。

「私は誰に認めて貰えなくても
類にだけは頑張れって言って欲しかった
一緒にやろうって背中を押して欲しかった」

でも類はそんなことって言葉で
片付けちゃうんだね?

2人の未来のことなのに……