360°ビューモニター ステアリングスイッチ化 MAZDA3 | 甘えん坊将軍の自転車&ガジェットログ

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自転車旅行の記録をとっていたブログでした。
※ルートラボ終了に伴い、ルート情報が消えてしまいました。

現在はニッチなガジェットに関するブログになっています。

 概要

MAZDA3の360°ビューモニター用のスイッチは右膝横のクラスタースイッチ内にあり、運転中に押すことが難しい位置にあります。

過去にワイヤレスリレーを自作して、このスイッチをステアリングに増設していました。



その後も問題なく、電池交換もなく使用していましたが、ステアリングのレザーが経年劣化で禿げてきたこともあり、ステアリング交換とともにスイッチも移設することにしました。

移設先は純正のステアリングスイッチにある空きスイッチです。



この空きスイッチは海外向けのMAZDA3の「LIM」スイッチ用のスペースです。



LIMスイッチはスピードリミッター(制限速度)を設定するためのスイッチで、ここで設定したスピードはいくらアクセルを踏んでも超えないように制御される機能です。

正式名称はAdjustable Speed Limiter (ASL) というようです。

海外では速度違反が非常に厳格な国もあり、これらの機能が付けられている国があるとのこと。


今回は過去「その1」で説明している、クラスタースイッチからの配線を、クロックスプリングを経由して、LIMスイッチに繋げることで、360°ビューモニター用スイッチとして有効化しました。

失敗談も含めて詳細紹介します。






 材料

必要なものは下記の通りです。

⚪︎LIMスイッチ付きステアリングスイッチ

ebay等で入手します。

なかなか出品がないですが、今回はイスラエルから出品があったので購入しました。フランス経由で日本に届きました。

そのほかEU、英国、オーストラリアにもLIMスイッチが付き仕様があるようです。

自車はステアリングヒーター付きですが、購入したステアリングにはヒーターが付いていませんでした。レザー禿げも直したかったので、ステアリング自体は別途ヒーター付きの中古品を国内で入手しました。


ステアリングヒーターが付いているか付いていないかを見分ける方法は、ステアリング6時方向のパネルが貫通していればヒーターなし、穴が埋まっていればヒーター付き仕様です。そこにヒーターユニットが入っています。


⚪︎サンハヤト シール基板 (SMT汎用パターン) (ICB-078)

ステアリングスイッチ(クルーズコントロールスイッチ)の基板加工用に。LIMスイッチ付き基板からいったんLIM用タクトスイッチを取り外し、このシール基板でもとの基板と絶縁した後に同じ位置にスイッチを再配置します。

そうしないとあらぬ信号が車体に送信されてしまいます。試していないですが、国内仕様でもLIM(ASL)機能が効いたら面白いですね。

もう少しパッドが大きいものの方が付けやすいかもしれません。

シールと名前が付いていますが、粘着剤は付いておらず、自分で接着剤等で接着する必要があります。


⚪︎接着剤 セメダイン 耐熱エポキシ ハイスーパータフ

上記シール基板接着用に。これでなくてもよいですが、強力で剥がれない、耐熱性のあるものの方がいいと思います。


⚪︎端子 矢崎総業 060LC型ターミナル メス

LIMスイッチを含むステアリングスイッチ(クルーズコントロールスイッチ)の配線はクロックスプリングという部品を通して車体と繋がっています。

ステアリングは回転するので、普通のワイヤーでは絡まったり、断線したりで安全に支障をきたします。クロックスプリングは内部でゼンマイのように配線が渦巻き状に巻かれており、ステアリングの回転に対応できるようになっています。

MAZDA3のステアリングヒーター付き車には、クロックスプリングに車体(クラスタースイッチ)側、ステアリング側とも空き端子が1つあります。それぞれの空き端子に追加で端子を挿入して、配線を接続します。

ステアリングヒーターの端子を利用しますので、ステアリングヒーター付き仕様でない場合、クロックスプリングごと交換する必要があります。


当初はステアリングスイッチ用コネクタの空き端子で接続しようと思いましたが、クロックスプリングにスペースはあるもののオス端子が出ておらず、導通させられませんでした。

×端子 矢崎総業 RIコネクタ 0.64タイプ ターミナル メス 7196-0158-02 

この端子を使おうと思いましたが、これではダメでした。入手性も極めて悪いです。


⚪︎ステアリング固定ボルト 9YA0-11-003A

兄弟車のCX-30(たぶんMAZDA3も)のステアリング固定用のボルトは高張力ボルトのため、再利用不可とのことです。

他のステアリング交換をDIYされている方は再利用されているようにお見受けしますが、安全に関わるので一応。500円しないです。


⚪︎ハンダ付け工具一式

⚪︎ステアリング交換のための工具一式

 エアバッグ外し工具、ドライバー、トルクレンチ等



 方法

  分解

まずはLIMスイッチ付きステアリングの分解です。


パドルシフト(ステアリングシフトスイッチ)を外します。裏に付いているボルトを左右2本ずつ取り外し、コネクタも外します。コネクタの爪を細い棒で押し込んで引き抜きます。


写真撮ってないですが、ステアリング裏のパネル(ステアリングホイールコアカバー)と表側6時方向のパネル(ステアリングホイールベゼル)を剥がして、ステアリングスイッチを外します。

内張り剥がしを差し込めばパネルもステアリングスイッチも簡単に外せます。

ステアリングスイッチを外す際は下側はこじらないようにしてください。メッキ塗装された樹脂が曲がったり傷付いたりします。横方向、上方向からこじるようにしてください。




ステアリングスイッチを外せました。整備書的には左側のスイッチ群がステアリングスイッチ、右側のスイッチ群はクルーズコントロールスイッチと言うようです。どちらにしてもAssyで1つの部品(ステアリングスイッチ)として扱われると思います。

加工するのは右側のクルーズコントロールスイッチのみです。


防振テープが貼られているので剥がします。再利用するので丁寧に剥がして保管しましょう。



まずはスイッチのキーキャップを外します。隙間に薄いヘラ状の工具を入れてテコの原理で外せます。メッキ塗装に傷が付くと禿げるので気を付けてください。養生した方がよいでしょう。


次に爪を外してケースを分解します。

側面外周に爪があります。

丁寧に外さないと爪や受けが割れるのでこちらも気を付けてください。今回2個分解しましたが、1個は失敗し、再利用不可になりました。2個あってよかった…。


基板を取り出します。表面。MAZDA3こだわりのアルプスアルパイン社のタクトスイッチがここにも使われています。


裏面。PB2342Bという型番のようです。右の表を見る限り2342Bはスイッチ(SW)38,39はあって、31,33はない仕様のように思いますが、表面見て分かるようにSW31,33も実装されています。余った基板を流用しているのかもしれません。


  基板解析

基板への配線は6本です。

ICやレギュレータはなく、基本的には抵抗、LED、スイッチくらいで、プリントも表と裏の2層のみでそれなりに単純な構成です。

照明用LEDとスイッチとで系統が分かれています。

裏面のコネクタ下から1→6ピンと印字があります。

ピン1がLEDのGND、ピン4がLEDの電源、その他のピンはスイッチ系統です(スイッチも2系統あります)。

スイッチ側はラダー抵抗が組まれており、

スイッチを押下しないと抵抗値は実測1490Ω、

それぞれのスイッチを押すと抵抗値が実測1, 61, 152, 302, 604Ωのどれかに変化して、その抵抗値の変化を車体側で検知して制御しているようです。


今回使用するLIMスイッチはSW33です。ここを押すと2,3番ピン(配線図でいう3F, 3G)間の抵抗値が152くらいになります。

日本仕様車にこの抵抗値を送った時にどうなるかは試していません。


ちなみにレザー禿げ交換用(ヒーター付き)として国内仕様の中古も入手しています。



表面裏面ともに左が国内仕様(2022年)、右がLIMスイッチ付き海外仕様(年式不明たぶん2023年?)です。仕向地による違いか年式による違いか(たぶん後者)、LEDやその抵抗値、パターン、基板の色やシルクの細さみたいな細かい部分も異なります。基板メーカーも違うのでしょうか?

右側の基板にはアメリカの認証機関が認証したことを示すRUマークがあります。

ラダー抵抗の抵抗値は同じでしたので、どちらでも問題なく使用可能と思います。今回はLEDと抵抗が搭載済みの海外仕様の基板を使用します。


  加工

海外仕様のSW33を取り外し、基板と絶縁させた上で再度元の位置に戻します。


スイッチは2ヶ所でハンダ付けされているので、ハンダごても2本あったらやりやすいです。摘んで取り外しました。


取り外したスイッチをシール基板にはんだ付けして、それを基板に接着します。

いきなりですが、こんな感じになりました。


360°ビューモニターのスイッチはマイナスコントロールなので、スイッチの片方をLED系統のGNDに接続、もう片方は伸ばしておきます。

LEDに被らないようにも注意です。

また、接着剤を盛り過ぎるとケースに収まらなくなるのでほどほどに。


ワイヤーと接着剤でケースに入らなくなったので、一部削りました。


この穴から背面に出してます。


ケース背面にも配線用の穴開け。


こちらから他のワイヤーと合流させました。


このステアリングヒーター用のコネクタ、空き端子(左から2番目)に接続します。



赤線に沿って時計回りに配線しました。


  組み付け

加工が終わったら組み付けします。

 既設ステアリング取り外し

まず車体から既存のステアリングを取り外します。

ステアリングの取り外しにはエアバッグの暴発を防ぐためにバッテリーを外してから数分放置してから行う等手順があります。全て自己責任でお願いします。


今回はさらなる自己責任で、

こちらの方を参考に、

バッテリーは外さずに、エアバッグとホーンのフューズを外すだけで作業しました。

バッテリー外すとパワーウインドウの再設定等しないといけないので…。




エンジンルーム内のF31ホーンとF48エアバッグシステム




上記の方はされていないようですが、室内ヒューズボックスにもF22エアバッグシステムがあったので、こちらも外して5分ほど待ってから作業を始めました。


次はエアバッグの取り外しです。

ステアリング裏側に3か所エアバッグ取り外し用の穴があるので、そこにマイナスドライバーや六角レンチを差し込んで、エアバッグ固定ピンを解除します。

イメージ掴めないと難しいですが、交換用のステアリングで練習しながらやると雰囲気が掴めてよいです。


こうやってピン(針金)を押し込められればよい


うまく行かないとピンが逃げてしまう


ピンを奥まで押し込めさえすれば、エアバッグはバネの力で勝手にボコっと外れます。右、左、下の3ヶ所外します。


1回目、適当な六角レンチでやったら大苦戦して、3か所外すまで30分くらいかかりました。

2回目外す時には下のような道具を作製して臨んで、あっという間に(1〜2分)外せました。適切な道具は効率的な作業に非常に重要です。

100均の安いマイナスドライバー、先端をリューターで削って凹ませました。ピンを凹みで受けて逃げないようにしています。


3か所取り外したらエアバッグのコネクタも外して完全に分離させます。



黄色のコネクタは黒いピンで固定されているので、マイナスドライバーでピンを完全に抜いてコネクタも抜きます。

黄色透明なコネクタは引っ張れば抜けます。


エアバッグが取り外せたら、ステアリングのコネクタを外します。ステアリングスイッチ用のコネクタとステアリングヒーター用のコネクタと2つです。


コネクタが外せたら、いよいよステアリングを外します。中央の21mmのボルトを外して、ステアリングを引き抜きます。

ステアリングを引き抜いたら、クロックスプリングが回転して位置がズレないようにテープ等で固定しておいた方がいいでしょう。


 コラムカバー取り外し

通常のステアリング交換だけであれば不要ですが、クロックスプリングの車体側のコネクタにアクセスしないといけないので、コラムカバーを外します。

まずステアリングを1番手前に引き出します。


コラムカバーは上下に分かれていて、


この辺に薄い板を差し込むと上側のカバーが外れます。傷つきやすいので養生した方がよいでしょう(せずに傷付けた)。

上側のカバーは完全には外れずに革?状のシートでメーターに付いていますが、外さずに立てかけておけば問題ないです。


下側のコラムカバーはネジ3か所でとまっています。

真下に1か所、コンビネーションスイッチ(ワイパー、ライト)前に左右1か所ずつです。



ネジを外せば下側のコラムカバーも外せます。下側のコラムカバーには室温計とその配線が付いているので注意してください。

こちらも完全に取り外す必要はないのでそのまま作業します。


 クロックスプリングコネクタ追加

クロックスプリングの車体側のコネクタを引き抜きます。青色、4極の矢崎のコネクタが目的のステアリングヒーター用です。


青コネクタを外すために隣接する黄色コネクタも外しました。


左から2番目が空き


リテーナーはないので、空いているところに端子を追加するだけです。色は違いますが、ステアリング側と同じく矢崎の060LC型メスターミナルが入ります。

挿したらコネクタをクロックスプリングへ戻しましょう。


紫線追加


追加した線はクラスタースイッチからの線と接続します。

ワイヤーがステアリングコラムに絡まったりしないように固定、結束して、コラムカバーを戻しておきます。


 ステアリング組み付け

基板を加工したステアリングを取り付けます。

クロックスプリングが回転していないことを確認のうえ、ステアリングをはめます。

固定用ボルトをしめます。

指定トルクは41〜54Nmとのことですので、トルクレンチがあった方がいいです。

ステアリング固定用ボルトは再利用不可なので、新品を使用しました。





ステアリングが固定できたらコネクタの接続、エアバッグ、ホーンコネクタの接続、エアバッグの取り付けと取り外し、バッテリーの接続(ヒューズ取り付け)と反対順で戻していきます。


 動作確認

エンジンオン

無事、LIMスイッチのLEDが点灯しています。


スイッチを押すと…

無事作動しました!!


 失敗談 端子が…ない…!?

当初、クロックスプリングの別の空き端子を利用する予定で進めていました。ステアリングスイッチ用の14極コネクタです。


配線図。1A〜3Aが空いてるし、ここを使おうと思っていました。


進めた作業としては下記の通りです(無駄でした)。

ステアリングスイッチ用コネクタの端子を用意する(入手性極めて悪い)


ステアリングスイッチの空き端子にスイッチの端子を挿入。

追加前


追加後。右上、3Aに茶色線を追加。


クロックスプリングの端子を実車で確認して初めてオス端子が出ていないことに気付きました…!


14極中12極分しかオス端子がない!!


これではダメだったので、上記のステアリングヒーターの端子に変更しました。


 まとめ

ステアリングの空きスイッチに360°ビューモニターを移設・増設できました!

見た目も以前の後付け感がなくなりスッキリしました。

ステアリングも中古ではあるものの、状態の良いものに替わって明らかにスベスベを実感できます。

総じてやってよかったです。


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