「太子様!!助けに来ましたぞ!!」
布都は、そこらへんにあった皿を掴むと、神子に投げつけた。
皿は、神子に斬られて真っ二つになる。
「・・・布都、悪あがきはやめなさい。負けることはもうすでに分かっているでしょう?それと、私をもとに戻すとは、どういうことですか?」
「太子様は気づいておられないかもしれませんが・・・太子様は正気を失っておられるのです!!」
「だから、失ってなどいないと言っているでしょう!!聞き分けのない子ですね!!」
神子は、斬った皿を細かくして布都に投げつけた。
弱いと思うかもしれないが、結構痛いぜ。
「っ・・・!これじゃあ太子様に近づけない!!」
絶体絶命の布都!!
いったいどうする・・・
「魔理沙。そろそろあのすぺかを出してやってはどうじゃ?」
「あのスペカって?」
「ほら・・・あの時、お主が人間に託したスペカ・・・」
「うん・・・?沙希の事か??(東方小説東風谷子孫録・幻想帰還参照)」
「うむ。あの子が使っていたすぺか・・・一枚だけ焼けずに残っていたじゃろ?」
「なんでお前が沙希の事知ってんのか謎だけどよ・・・。これ布都に使いこなせんのか?」
「物は試しというじゃろ?渡してみろ。」
「・・・もう私ナレーターじゃないよな。」
「そうじゃな。お主も立派な物語の登場人物の仲間入りじゃ。」
「お~い!布都~!」
私は、布都に呼び掛けた。
布都は、皿を投げる手を止めて、こちらに振り返った。
「このスペカ、お前が使えるかどうか分かんねえけどよ、使ってみろ!!」
魔理沙は、思いっきり布都に向かってスペカを投げた。
布都は、スペカを受け取ると不思議そうな顔をした。
「ふむ・・・我と同じような風水の力を感じるぞ・・・?このスペカは」
「それはこの前まで幻想郷に来ていた人間のスペカだ!!使え!!」
「うむ!!では、借りるぞ人間!!」
「奇跡『多忙な奇跡の大結界』!」
布都が叫ぶと、スペカは光り輝きだした。
しかし、力の制御ができずに、スペカが燃え尽きようとしていた。
「!?スペカが燃えるぞ!!」
「頑張れ!!多分だがお前なら使いこなせる!!」
「本当じゃな!?裏切るでないぞ!?」
そう言うと、布都は己の力をスペカにため込んだ。
スペカはまた、己の力を取り戻していく。
「おお!!燃えるのをやめたぞ!!」
「喜んでる暇はないだろ!!」
「・・・完全に私が空気のような気がする。斬ってもいいのかしら」
そう言うと、神子は剣を突き出すと、スペカを発動した。
「スペルカード!!『詔を承けては必ず慎め』!!」
剣は光り輝き、布都を真っ二つに切り裂いた。
「布都!!」
「危ないじゃろ!!一輪、お主は焦りすぎなのじゃ!!」
「でも!!」
「ほら、あれを見てみろ」
一輪が、とっさに閉じた目を開けると
「太子様、どこを狙ってるんですか?我はここですよ・・・!」
布都は、身代わりの皿を用意して、代わっていたのだ。
「布都・・・!ああ、よかった!!」
「まだ・・・死んでなかったのですか」
「ふむ。なるほど。」
「今度はこちらから行かせていただきますぞ!!スペルカード!!奇跡『多忙な奇跡の大結界』!」
そう言うと、スペカは光り輝き
結界が大慌てで飛び出してきた。
結界は、たちまち神子を包み込んだ。
「くっ・・・!動けない・・・」
「いいぞ!そのままピチュっちまえ!(ピチュっちまう・・・倒しちまえ!!)」
「言われなくても分かっておるわ!!スペルカード!!炎符『太乙真火」!」
炎の柱が、結界を突き破り、神子を燃やした。
「うあっ・・・!」
「よし!いいぞ!!」
「魔理沙は、弾幕ごっこ見てるとすぐ熱くなるのね。」
「いや~、でも、相手はまだ倒れていないみたいじゃぞ??」
マミゾウが指さすと、神子はまだ倒れていなかった。
「まさかこれほどとは・・・油断していました。」
「ふっふっふ。もっと油断していただいても良かったのですぞ??」
「・・・ですが、もう油断はできませんね!!スペルカード!!光符『救世観音の光後光』!!」
沢山の弾幕が、観音の後光のように布都の元へ飛び交ってきた。
「ふおお!?スペルカード、奇跡『多忙な奇跡の大結界』!」
布都は間一髪結界によって助かった。
その様子を見て神子は舌を打つ。
「おお・・・、危なかったな」
「全くもう・・・私も加勢してあげたいわ。危なっかしくて見てられない。」
「しかし、それではあやつの為にならんじゃろうて。」
そう話していると、突然布都が足を崩した。
「!?」
「布都!?」
「太子様・・・残念ながら、我はあと一枚しかスペルカードを出せませぬぞ・・・」
布都は、足を震わせながら立ち上がった。
すると、神子はふっと笑うと
「奇遇ですね。私もあと一枚しかスペルカードが出せないんですよ。斬ることに体力を消耗しすぎちゃったかしらあ・・・」
二人はにらみ合って笑うと、真剣な表情で最後の一枚を出した。
「スペルカード!!炎符『桜井寺炎上』!!」
「スペルカード!!秘宝『斑鳩寺の天球儀』!!」
二人のスペカはぶつかり合い
弾幕は砕け散った。
爆風が二人を襲う。
「布都・・・っ!!」
「どうなったんじゃ・・・?」
「くそっ・・・!前が見えないぜ!!」
「誰じゃ!?」
布都が叫ぶと、聖が奥から出て来た。
「神子さんはヘッドフォンが無いと欲が聴こえ過ぎて大変なんでしたよね・・・?ならば、狂う様にヘッドフォンに仕込んで、渡せば勝手に敵は倒れる。相手も自滅する。」
「貴様っ・・・!前に太子様に言われたじゃないか!!正々堂々勝負しろと!!」
「そんな事言われてましたっけ?・・・まあいいわ」
「おい!!早く太子様を元に戻せ!!」
「戻す方法はね~二つあるの」
「何?」
「一つが、神子さんを倒すか。倒した瞬間元には戻るけど、相手は強大な力を放出してるからね~。死にはしないだろうけど色々負傷するかも??」
「・・・二つ目は」
「二つ目は、ヘッドフォンを外す。ただし、ヘッドフォンを外した瞬間激しい頭痛が神子さんを襲って最悪死ぬかもしれないわね~」
「・・・それ以外の方法は?」
「無いわよ。今思いつく限りはその二つの方法だけ。」
「・・・魔理沙殿はどっちがいいと思う。」
私は最初に言った方かな?死なない確率はそっちの方法の方が高いんだろ。
ヘッドフォン外すよりかは何倍もマシじゃね?
・・・その代わり足やらなんやら負傷するかもしれんがな。
「我は・・・二つ目だな。死なない方は確かにそっちの方が確率は高い。だが、それで太子様の身体やらなにやらを壊されてはいけないからな」
じゃあ二つ目で決まりだな。
「いやいや!!一つ目にするぞ!やはり怖いものは怖い!」
どっちなんだよ。
「・・・とりあえず、一つ目でいいんだな?」
「いいぞ!・・・やっぱり二つ目のほうがいいかな・・・」
「どっちなんだよ!!ほら、早くしろ!!」
「う、うむ!!あい分かった!!」
布都は、私を押しのけると神子の元へ向かった。
「うふふ・・・まあ、神子さんを助ける方法なんて一つしかないですけどねえ。」
「布都!!」
一輪が慌てて駆けつける。
が、しかし布都は怯えて飛びのく。
「ひっ・・・!我は何もしておらぬっ・・・!」
「布都!?何で逃げるのよっ・・・!」
一輪は慌てて布都を追いかける。
布都は逃げていく。
一輪が追いかけるうちに布都が何かにぶつかった。
「・・・布都。そんなにも自分のやったことが辛いの・・・?」
「太子様・・・!」
「マズイ!!布都!戻って来て!」
一輪は雲山に布都を助け出すように言うと
雲山が神子に向かって行った。
神子はすぐさま剣で薙ぎ払う。
「雲山!!」
「・・・人が心配してる所をつけ狙うなんて。命蓮寺は最低な人ばかりなのかしら・・・」
「違うっ!!私はただ純粋に布都を助け出してあげたいだけ!!」
「・・・何故?」
「それはっ!!貴方が正気をなくしているからよ!!」
「・・・いつ私が正気をなくしたんでしょう。」
一輪は、雲山を呼び戻すと、二人で神子に殴りかかった。
しかし、神子は雲山と一輪を殴りかかる前に殴った。
「いっ・・・!」
「・・・!」
「あらら・・・一輪さんはともかく、御仁まで負けちゃうなんてね。一輪さん教育なってないんじゃないかしらあ・・・?」
神子は布都をどこかへ消し飛ばすと、また戦闘に戻った。
・・・私、ナレーターなんだがな。心配だから布都を探しに行って来るぜ。
うおっ・・・暗い暗い。
布都はこんな薄暗い所に飛ばされてたのか。
「・・・魔理沙殿ではないか。どうしたのだ。」
「いや・・・?一応ナレーターだからな。布都の状況も伝えとかないとな。」
「めたい事言いおって。まあ仕方ないか」
そう言うと、布都は出口を探しに出かけた。
こっから出たいんだろうな。
「・・・なあ、魔理沙殿。」
こいつ、私ナレーターって言ってんのに(笑)
まあいいや、何だよ
「いや、少し聞きたいことがあってな・・・。何故太子様はあんなにも狂っておられたのだ。」
「さあ・・・?廟に封印された事ねえからな。・・・何か頭に強いショックを負ったんじゃね?」
「そんなに太子様弱い訳が無かろうが!!きっと何かされたのじゃ!!」
「それはね、私が神子さんのヘッドフォンに仕込んでおいたのよ。」