街が静かになったころ


軽装のまま家を出て車に乗り込む


特に目的はないけれど


車を走らせる


結局行き着くところはいつもと同じ


もう何年通っただろう


またあの時みたいに


ここで逢えないものか

意地を張ったり


向き合わなかったり


理解できなかったりしたわけではない


ここで許したら


過去の事が無かったことになってしまう


それが嫌だった


ただそれだけ



まっすぐ歩いてきたつもりだった


立ち止まって振り返ってみると


いつの間にか曲がっていた


足元ばかりに気をとられ


ちゃんと前を見て歩けてなかったみたいだ


振り返る事に怯え


信じる事に逃げて


目の前の事実を


透過していた


決して消すことのできない足跡


これからどうすればいいのか考えてしまう


まるで足元に落としたタバコの火を消すかのように


踏み捩じっている気分だ