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【君の名は】
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今日は7年前に天国へ行った【一休】の命日。
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人間の愚かな行為で流行りで繁殖された尊い命をいとも簡単に放棄したブリーダーの跡地で発見された彼。
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虐待されていました、人間不審になってます。
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里親募集の彼の内容はこうだった。
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今でもいや、それ以上に金が無く逼迫した毎日を過ごしていた時に彼を見つけた。
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5歳くらいだったと記憶している、見ての通り耳も尻尾も切られている流行りのピットブルだった。
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どのような経緯か知らぬがブリーダーは夜逃げ、彼は檻の中で一人で居たようだ。
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その愛くるしい顔を見ていても立ってもいられずに配送料を支払ってまでも俺は彼と共に暮らしたかった。
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家に到着するなり階段は登らない、登ったと思えば机の下に隠れて警戒している…そんな毎日が始まった。
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【一休】と名付けた。
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散歩へ出ようとも階段を降りないので担いで運ぶ、外に出ても走ることは無くただゆっくりと警戒しながら歩く。
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もちろん懐くことなどない。
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良いか悪いかは知らないが、俺は犬と一緒に寝るのが大好きだから、彼とも一緒に寝たくて机の下から出てこない彼の前に布団を敷き毎日呼び続けては知らぬ間に眠ってしまった…
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あの頃はまだ朝からアルバイトへ行き夕方に帰ってきて店を開けて子供達の帰りを待つ日々だったが、アルバイト中も彼が家の中で一人で過ごしていると思うと気が気じゃなかった。
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あの頃は家に大勢の仲間やお客様を呼んでは宴会をしていたから机の下にいる彼を皆んなが覗き込んでは名前を呼んでくれた。
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何ヶ月か経ち、ある晩のこと、いつものように布団を敷いて彼の名前を呼んだ時…
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照れくさそうに?警戒しながら?ゆっくりとこちらに向かってきた。
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そのままゆっくりと掛け布団を持ち上げて手で招いて彼の名を呼んだ。
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そのまん丸の身体を真っ直ぐに手足を伸ばしデーンと横たわり布団の中で寝た。
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朝までぐっすりと。
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翌朝からの散歩では、リードを離し少し前へ行きしゃがんで手を叩き彼の名を呼んだ。
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お!ちょっと駆け足でやってきた。
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そして散歩で駆け足が慣れた頃に彼は突然倒れた。
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最初に向かった動物病院が良くなかったのか?心臓病だと告げられた…
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出してもらった薬を与えればみるみるうちに更に具合が悪くてなっていった…
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そうして2週間もしないうちにみんなの前で息を引き取った…
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6歳と10ヶ月という短い時間の中で…
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最後くらい少しだけでも人間との触れ合いができて良かったと思った。
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人間はそんなに悪い奴らばかりじゃないよ。
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ボロくて寒くて暑いそんな家だけどさ…
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来てくれてありがとう。
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そして天国で一休みしてね。
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そんな事を想定して付けた名前の訳が無いが…
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あれから7年経って携帯が何度変わろうとも…いつまでも君が俺の待ち受け画面だね。
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キャンプ行ったね。
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名古屋にも行ったね。
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子供達に寄り添ってくれたね。
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君が教えてくれた事、伝えてくれたことが沢山あるように思える。
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あれからも犬は飼い続けているよ、今居る2匹も捨てられそうになってたから俺の家に来てもらったよ。
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人間の勝手で捨てられそうになったのなら。
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俺の勝手で引き取って君達の時間を共に楽しむ事があっても良いでしょう。
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そんなに人間を嫌いにならないでくれよな。
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そうそう、そういえば目に見えない電波というのがこの世にはあるみたいで、その電波や情報というのは会陰に削除されずにどうやら宇宙を彷徨っていたりするらしいよ。
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俺もそろそろそっちへ、あ、俺は天国は無理かもしれないけど、君と何処かで会っても必ず分かるように俺の携帯の待受画面という電波が永遠に何処かで彷徨っているのなら。
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また必ず会える。
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俺はその日を楽しみにまた自分勝手に生きていこうと思うよ。
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 #ピットブル #犬