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【自転車】
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自転車に乗る事に意味など無くて、自転車に乗りたいから乗る、ただそれだけだと思う。
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難しい事は〇〇博士とかそんな方々に任せて、俺たちはただ楽しめば良いと思う。
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常々、自転車よりオートバイや車が好きだと豪語してきた店主もプライベート時代から数えたら自転車とキッチリ向かい合ってから付き合いはもう19年くらいになる。
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初めて手にしたブリヂストンのピストフレームを早速ペイントして通勤に使っていた、まだ当時東京のど真ん中でもそんなことをしてる奴は居なかった。
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その通勤ブリヂストンは後に有名な中華料理屋を開く事になる一人の男の子に通勤途中にナンパされて売却した。
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今でもその子は家の中に飾っていると言ってくれている。
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俺が塗った自転車が売れた。
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ただそれだけの事だったのだが、その金でまた次のビバロを手に入れて、やはり同じように塗装して乗っていた。
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そのビバロも売れた。
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その頃になると日本中がピストブームになっていた。
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天の邪鬼な店主はそうなるとピストに乗りたく無くなる、そしてブラックマーケットというストリートマウンテンバイクを手に入れて、ピストでトリックが流行ればBMXを始めるという無謀な33歳。
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そしてとうとうキャノンデールのSIX13にまで手を出す始末…
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もうこれ誰がどう見ても自転車好きとしか思えない…
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それから5年もしないうちに移住して此処へやってきてその時の持ち物と言えば三連勝のピストとカラビンカのオーダーフレーム待ち…
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そして家の下に自分の部屋と称した小さな店を作り始めた。
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移住してから10年経ってもまだ自転車に乗ってる、いや店始めてる…
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18年前に世田谷のBMXショップで見たあの自転車ブランドはなんだったんだろう?太いタイヤにシングルギアでローカラーにしてあって店内に飾ってあった…
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あれがSURLYだったのか。
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よし、それなら自分の憧れという物にドップリと浸かってやろうじゃないか…と今年で8年…
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最近ようやく自転車に乗る楽しさや自転車という物の存在が自分の中で不可欠になっていると感じた。
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ガキの頃も今でもそうだが万年金が無く、周りの子達が乗ってる綺麗なカッコいい自転車を眺めているだけだったあの頃。
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若い頃はオートバイばっかりだったけど、きっと今こうやって自転車に確実にどハマりしてるのは…
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自分の人生のやり残しを少しでも減らしておきたいのだと自身で気付いてないだけであって口より先に手が出る性格の分かりやすい行動が未だに自転車を眺めて、触って、跨っているのだと思う。
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人生に意味などあるのだろうか?と深く考え込んだ若い頃、いやいや考える前に行動していたのは今でも変わらないのか…
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昔から金に興味がなく、貯金など一切無いのは今も変わらないんだけど、その代わりに自分の知識と経験が貯まっていくような気がする。
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よく俺の投稿を見てくれている方々から真っ先に言われる事は…
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「毎日楽しそう‼️」。
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楽しいか楽しくないかは自分では気付いてないし昔から何も変わってないのですが…
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たった一度の人生。
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周りからそうやって言ってもらえるのなら…
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俺の人生の意味が見つかったような気がする。
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自転車に乗る事に意味など無い。
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自転車の色を塗る事などもっと意味がない。
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それはきっと意味を見出したくてやっている事なのかもしれない。
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自分が見たり聴いてきた事を自転車に詰め込んで。
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そうやって自分の人生に意味を持たせたいだけなのかもしれない。
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他に意味などなくても良い。
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人の真似をせず、人の言う事など気にせず、自分らしく物を作る事が何よりも自分の人生を生きている。
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そう言い切れる事。
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少しは意味があるのではないだろうか。
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そうこうしてると…自転車に乗りたくなった…
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まだ車に轢かれた膝が、股関節が、肩が痛い…
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自分の年齢を考えて…いや考えたくは無いのだが…もう少しだけ自転車屋で居たいと願うから。
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今は眺めながら…
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次は何を作ってやろうか…
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そんなことを…
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ガキの頃から何も変わっていない事に気付き…少し恥ずかしい…
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