●Job Hopper第1話(全9話) | 大森善郎のビジネス英語道場

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大森善郎のビジネス英語道場「オバマ大統領のスピーチから学ぶ世界の一般常識」

ホップ、ステップ、ジャンプ!
hopperとはバッタなどのぴょんぴょん跳ぶ虫の総称
あるいは同じような場所を次々に移動する人
bar-hopper
(酒場をはしごする人)

幸せの青い鳥
どこにいるのでしょう
寓話の中だけでなく、あなたのそばにあるのかもしれませんね

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ヨーロッパ駐在を終え日本に帰国
浮かれた歓迎会など夢うつつの日々は一週間くらいだったでしょうか
それから現実に打ちのめされるのに時間はかかりませんでした

常に自分なりの決断を下さなければならなかった
辛いけれど生きがいに満ちた海外駐在だった
しかし本社での仕事は本当に歯車の一部であり、社内の調整がほとんどだった
本当にダークな、決してここに書けない営業の仕事もあった
一体何のために生きているのだろう
一生ワンマン社長の下でこの世界で生きていくのか

転職探しが始まった
想像以上に良い話があり、心がひかれていった
世界をリードするコンピュータ企業(アメリカ・外資)の面接に数十倍の倍率をこえて採用されることになった

大好きなヨーロッパとお別れするのは寂しい
しかし悔しいが世界をリードするのはアメリカだ
そのトップ大企業の研究所の所長補佐だ
これほどやりがいがある仕事はあるだろうか

…が、入社する一週間前だった
日本の小企業からのオファーがあった
鼻にもかけないような町工場が発展した会社だった
しかし内容に目をひきつけられた
「欧州に支社を置く、その支社長を求めている」

…ロマンチスト?の虫が騒いだ
ヨーロッパ?!
またみんなに会える
新しい物を築きあげていく
自分の求めているのはこれじゃなかったのか?!
アメリカの手先になることじゃなかったんじゃないのか?

面接で気に入られ、即決してしまった
アメリカ企業は断った・・・

入社した
話が違っていた
…最初の土曜日が出勤になっている
(あれ?週休2日じゃなかったの?)
…給料がちがっていた
(年収500万じゃなかったの?)
…待遇が違っていた
(無料の寮があるんじゃなかったの?)
若気の至りとはこのことだろうか
きちんと契約を結ばずその場の勢いで人生の道を決めてしまった

数ヵ月後、傷心のまま欧州視察のためにイギリス、ウェールズに旅立った
行きのフライトはベルギー経由にした
どうしても友人たちに会いたかったから
成田で隣り合わせた男と親しくなった
なんてことだ
自分が断ったアメリカ企業のまさにそのポストについた男だった
未来の夢に明るさに満ち溢れた表情だった

(第二話へ続く)



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英語レッスンの記事はこちらに引越しました。