24時間TVのドラマ紹介を新聞で読み、てっきりALSかと思った
ALSとは;
筋萎縮性側索硬化症
10万人に2人が発症するという難病
アメリカの有名な野球選手ルー・ゲーリックがかかったことで有名で、別名Lou Gegrig's Diseaseともいう
足の筋肉が萎縮して機能しなくなる
手も動かせなくなる
呼吸もできなくなると人口呼吸器をつけるしかない
もちろん下の世話もできない
顔も動かせなくなる
筋肉は全て使えなくなる
最後に動かせるのは目玉だけ
問題は筋肉だけが使えなくなることだ
「脳だけ正常」なのだ
死にたくても死ねない
何もできないまま意識だけは鮮明にあるのだ…
だから最も残酷な病とも呼ばれている
10万人にひとり…
宝くじより確率が低い
だが…親友が当たってしまった
(プロローグ)
学生時代、西早稲田の木造のアパートに住んでいた
4畳半ひとま
共同トイレ
風呂は無い
金のあるときは歩いてすぐの銭湯に通った
神田川はすぐそばだった
朝10時の授業なら9時50分に起きて、ジャージーとサンダルで徒歩3分の校舎に間に合 う至便な場所だった
大学は現役で入学したら留年して一年遊ぼうと決めていた
そのくらい辛い受験勉強で高校時代を過ごしたから、青春を取り戻したかったから
ドイツ語は予定外に2年連続落として、大学3年生なのに大学1年生の授業を受ける ことになった
さすがにばつが悪い
教室に入ると、見慣れた顔がいて驚いた
「おい信介!」
「先輩!」
高校の後輩の信介がいた
1年下だが浪人しているので大学では2年下なのだ
1m85cm、体重90kgの巨漢で、どこでも目立つやつだ
母子家庭で育ち、奨学金とバイトだけで大学に通う偉いやつなのだが、品の無いこと この上ない
この日も開口一番
「みなさーん、大学3年生の先輩がいますよ~」
「おぃおぃ、ええかげんにせえや」
信介と一緒にひとりの男がいた
無精ひげをはやした品の無さそうな、見るからにひねくれた顔つきをした男だ
それにしても大学1年生には到底見えない
3浪!して早稲田に入ったという
だから1年生なのに、3年生の私より年齢はひとつ上なのだ
「よろしゅう頼むわ」
こいつが三重県出身の克也だった
こんな変人と親しくなるとは思ってもみなかったのだが
(第2話へ続く)
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英語レッスンの記事はこちらに引越しました。