こんにちは
私たちは「梅のクエン酸の定量方法と抗菌作用の研究」というテーマで研究を行いました。
研究の動機は私たちの地元、和歌山県の特産物である「梅」を題材にしようと考え、その成分として有名な「クエン酸」に注目しました。また、クエン酸は「抗菌作用」を持つことがわかり、それに興味がわいたので研究していくことにしました。
まず、[研究Ⅰ]クエン酸の定量方法について説明します。
実験①では、梅果汁に含まれるクエン酸量を調べるために、梅果汁を10倍に薄め、水酸化ナトリウム水溶液で中和適定をしました。
諸語で述べたように、梅果汁が含む酸性物の中で、クエン酸は多くを占めるので、梅果汁に含まれる酸を全て3価のクエン酸と仮定して、モル濃度を求めたところこのような結果になりました。(グラフを指す)
次に、実験②では、液体クロマトグラフィーを使って実験①で使用した梅果汁を正確に定量しました。
グラフをご覧ください(グラフ指す)。
実験②の結果より、梅の追熟が進むに従いクエン酸の濃度は増加し、逆にリンゴ酸の濃度は誤差があったものの減少する傾向にありました。
また、総酸量についてはあまり変動がなく、クエン酸とリンゴ酸以外の酸はごく微量のものでした。これより、総酸量はほぼクエン酸とリンゴ酸のみに影響されたといえます。
(別紙参照)こちらをご覧下さい
先ほど説明した通り実験①では梅果汁中の酸は全てクエン酸であると仮定しました。そうして計算した結果クエン酸量は0.34mol/Lとなりました。
しかし、実験②で液体クロマトグラフィーを用いて正確な?クエン酸量を測定したところ0.26mol/Lと、実験①とは違った結果が出てきました。なぜこのように違う値が出たのかというと、梅果汁中にはクエン酸だけでなくリンゴ酸も多量に含まれるからです。(円グラフ指す) よって実験①での仮定は補正が必要なことがわかります。
また、この式より(OH=Hの式指す)実験①で使った青梅10mL中のHの物質量と実験①で滴下した水酸化ナトリウム水溶液中のOHの物質量がほぼ等しくなったことから液体クロマトグラフィーで測定した値は正しいと言えます。
ここで、液体クロマトグラフィーの結果よりクエン酸:リンゴ酸=13:6となります。
私たちは、この比を用いてこのような方程式を作りました。
①式と②式を連立させるとこの式が出来上がります(H=51/13χの式指す)この式に仮に今回の実験で用いたHの物質量の値を代入してみるとχ=0.0026molとでできます。これをmol濃度に直すと0.26mol/Lとなり、液体クロマトグラフィーの値と等しくなります。
よってこの方程式を使えば、液体クロマトグラフィーを使わずに中和滴定ででた総酸量から正確なクエン酸量を求めることが可能だといえます。
しかし、この方程式はクエン酸:リンゴ酸の比が13:6の時に限ります。梅は追熟に従ってクエン酸は多く、リンゴ酸は少なくなるので比が変わってきます。このことから収穫時期や、追熟の度合いを考慮することが必要になります。また、今回使用した梅以外でもこの方程式は成り立つのかなどが今後の研究課題です。
次に、[研究Ⅱ]クエン酸による抗菌作用について説明します。
実験③では、梅に多量に含まれるクエン酸について抗菌作用の実験を行いました。
この実験は、実験1の中和適定で得た総酸量を基準としてグラフのように(グラフを指しながら)濃度を変えて、抗菌実験を行っています。
また、抗菌作用を調べるにあたって、ハロー試験を行いました。(写真を指す)
今回行ったハロー試験というのは……(シャーレの絵をとりだす)
植菌した寒天培地の真ん中に、抗菌作用を調べたい物質を置きます。その物質に抗菌作用があれば、物質の周りに菌の生えない領域ができます。(絵の部分を指しながら)これをハローと呼びます。この菌の生えない部分の大きさを比較することで抗菌作用の強さを調べることができます。
詳しい実験手順はここ([実験操作]を指しながら)を見てください。
([結果]を指さしながら)そして、この試験の結果がこちらの表です。
表をグラフにしたのがこちらなのですが、これを(グラフを指しながら)見れば、クエン酸の濃度が高くなることによって抗菌作用が大きくなっていくことがわかると思います。
実験④梅果汁による抗菌実験では液体クロマトグラフィーによって算出された数値を元に、果汁を使った抗菌実験を行いました。
(表指す)表より、果汁に含まれるクエン酸のモル濃度を求め、試薬クエン酸との比較を行うために試薬クエン酸もウメ果汁のクエン酸のモル濃度と同一にし、ハロー試験を行いました。(実験結果の表指す)実験の結果は表の通り青梅にだけ抗菌作用が見られました。
(考察指して)
実験③の結果より、クエン酸の抗菌作用は酵母菌に対しては見られませんでした。原因として今回使用した酵母菌(イチゴB)は野生酵母の一つであることが原因だと推測されます。
この野生酵母というのは、自然界の植物の表面に存在する菌で、(「酸に強い」…のところ指しながら)このような特徴などが挙げられるため、クエン酸は酵母菌に対して効果を発揮することができなかったと考えられます。
しかし、納豆菌には抗菌作用が見られ、クエン酸は濃度が上がるほど納豆菌に対して抗菌作用が強くなることがわかりました。
実験④の結果を実験③の結果と比較すると、結果に大きな違いが見られます。考えられることは、菌を培地に植える時に滅菌作業がきちんと行われていなかったこと、生のウメ果実という時間と共に変化する可能性が大いにあるものを使ったことから、実験に使用したウメ果汁に含まれていた菌などが原因であると考えられます。
青梅と熟梅の抗菌効果の違いについて考えていく事と、二度目の実験が失敗した原因として考えられる実験手順の見直し等が今後の研究課題です。
まとめです。
研究は現在も進行中で、まだまだ追及しきれていない事柄や、疑問点が多くある。今後の研究目標としては[研究I]ではクエン酸濃度を求める公式を導き出すこと。[研究Ⅱ]では実験の失敗と考えられる原因の実験手順を見直し、青梅と塾梅の抗菌効果の違いについて明らかにしていきたい。