製作:ジョン・レッシャー/ブライアン・オリヴァー/スコット・クーパー/パトリック・マコーミック/タイラー・トンプソン
製作総指揮:ブレット・ラトナー/ジェームズ・パッカー/ピーター・マルーク/レイ・マルーク/クリストファー・ウッドロウ/ブレット・グランスタッフ/ゲイリー・グランスタッフ/フィル・ハント/コンプトン・ロス
原作:ディック・レイア『ブラック・スキャンダル』(角川文庫刊)/ジェラード・オニール
脚本:マーク・マルーク/ジェズ・バターワース
撮影:マサノブ・タカヤナギ
プロダクションデザイン:ステファニア・セッラ
出演:ジョニー・デップ/ジョエル・エドガートン/ベネディクト・カンバーバッチ/ロリー・コクレイン/ジェシー・プレモンス/ケヴィン・ベーコン/ピーター・サースガード/ダコタ・ジョンソン 他
「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのジョニー・デップが、FBIの最重要指名手配犯となった実在する伝説のギャング、ジェームズ・“ホワイティ”・バルジャーを熱演し評判を呼んだ衝撃の実録犯罪ドラマ。

評価★★★☆☆
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[STORY]
1975年、サウスボストン。アイリッシュ系ギャングのボス、ジェームズ・バルジャーは、イタリア系マフィアと激しい抗争を繰り広げていた。一方、弟のビリーは、州の有力政治家として活躍。そこに、バルジャーの幼なじみジョン・コノリーがFBI捜査官となって戻ってきた。折しもFBIはイタリア系マフィアの掃討を図るべく、コノリーは、バルジャーにFBIの情報屋となり敵の情報を流す代わりに、彼の犯罪を見逃す、という驚愕の密約ともちかける。
[IMPRESSION]ネタバレ注意!
見てきた!
そうそうに見てきた!
これはジョニー・デップ主演の作品なので、不本意ながら『ベネディクト』カテゴリーには入れず、『デップ』カテゴリーとします(笑)。
実話の映画化なので、驚きも感動もございません。
淡々と展開されるストーリーにただただ見入るだけでございます(笑)。
さらに、個人的には、確かにジミーの悪事そのものは残虐極まりないのですが、どうもそこまで凄みを感じない・・・・というのが感想。
しかもビリー(ベネディクト)の出番はさほど無い。
つーか彼は静観を貫き、ただ見守っていると言った様子で、悪のトライアングル的な存在の中心には居ない・・・・・。
可もなく不可も無く・・・と言ったところでしょうね。
さて、冒頭・・・・、
FBI捜査官エリックがウィークスに尋問する場面から映画はスタート。
サウスボストンのウィンターヒル・ギャングとの関係、そのボスで逃亡者のジェームズ“ホワイティ”バルジャー(以下ジミー)について、そして元FBI捜査官ジョン・コノリーとの取引など、知っている事を話すよう尋問している。
1975年、
ウィークスはジミーが仲間のジョン・マルトラーノ、スティーヴ・フレミ、トミー・キングと良くつるむバーで用心棒として働いていた。
ウィークスがバーの外で見張りをしていると、敵対するイタリア系マフィアのアンジェロファミリーの男が絡んできて殴り合いになる。

外の様子を聞いたジミーは、何とか場を収めたものの、次の日ウィークスに運転させてアンジェロファミリーの男をビーチに連れて行き、二人がかりでリンチして殺してしまうのだった。
その後、ジミーは母の住む自宅へ帰り、そこで母とカードゲーム。
上院議員である弟ビリーも一緒に夕食をとるのだった。

一方で、ジミー、ビリーと幼馴染であるジョン・コノリーは、FBI捜査官となりサウスボストンに戻ってくる。
幼いころいじめられていたジョンはジミーに助けられた事があり、恩を感じており、また固い絆で結ばれている。

ジョンは上院議員のビリーに会いに行き、ジミーの事を教えてほしいと頼むが、ジミーの犯罪を黙認しているビリーは当然、何も話す気はない様子。
ジョンはその後、ジミーに直接会いに行く。
そして、アンジェロファミリーを一掃するために、FBIの情報提供者になって欲しいと頼む。
しかしジミーは、密告者になるのはごめんだ!とキッパリ!

とは言え、ビーチでアンジェロファミリーの一員を殺した事で、徐々にアンジェロファミリーの報復とも言える攻撃を受け始めたジミーは、FBIの情報提供者になる事で、自分の犯罪を見逃してもらいつつ、敵を排除する事が出来ると考え始める。
ジョンは、上司のチャールズ・マグワイアとロバートにこの協定について話す。
極悪犯罪者であるジミーの協力など得られるのか?と半信半疑なマグワイアは、サポート役にジョン・モリスを付ける。

その頃、ジミーは仲間とドライブ中。
そこを警官に停められ、「アンジェロファミリーに狙われているぞ」とメッセージを受ける。
同乗していたトミーが警官に怒りをぶつけるが、ジミーが制止。
バーに戻っても怒りが収まらないトミーはジミーにくってかかる。
とりあえずはその場を収めたジミーだったが、後日、フレミにトミーを射殺させる冷酷さ・・・・。

そしてトミーを通称「バルジャー墓地」と呼ばれる死体埋葬地に埋めに行く。
そんなジミーには内縁の妻リンゼイと彼女との間に出来た子ダグラスがいる。
ダグラスは学校で友達を殴り、問題になっているらしい。
ジミーはダグラスに、「よくやった」と言いつつ、「ただし皆が見ている所でやったらダメだ。誰も見ていないところでやれ!」と諭す。
うん、そんな教育もあるのか・・・・とやけに納得してしまった(笑)。
ある日、ダグラスが高熱を出しているとの事で、病院へ連れて行くとライ症候群だと判明。
生命維持装置に繋がれ、失意のどん底のジミーとリンゼイ。
リンゼイはこんな息子を見るのは耐えられない!と装置を自分で外す!と訴えるが、ジミーはそんな彼女を責め、『人殺し!』と非難・・・・・(^_^;)。
どっちがやねん・・・・w。
ジミーはやむなく脳死のダグラスの装置を自分が外す決断をするのだった。
1981年・・・・、
ジミーの悪行はとどまる事を知らず、ウィンターヒル・ギャングとしての確固たる地位を確立していた。
ジョンは、情報提供者である以上、殺人・麻薬・恐喝など派手な事をするな!と釘をさすも、ジミーらは自分達の悪行は激化。
アンジェロファミリーの情報提供も全くなく、一掃の為の成果は何も出て居ない状況だった。
その頃、ジミーはブライアン・ハロランというドラッグ漬けの男をそばに置いていたが、ハロランが公衆の面前で男二人を殺してしまう。
いよいよFBIはジミーの悪事を見逃せなくなり、マグワイアはジョンにジミーを逮捕するよう告げる。
しかしジョンは、必ず情報も出させる!と言い、ジミーに直談判。

するとジミーはアンジェロファミリ―が郊外で会合している所を撮った写真をジョンに渡す。
FBIはアジトに盗聴器を仕掛け、気長に彼らが犯行を認める会話をするのを待ち、ついに彼らを逮捕することが出来たのだった。
これによりジョンは、FBIの英雄となる。
そして今まで以上にジョンはジミーやビリー、そしてモリスも巻き込んで親しくなっていくのだった。
そんなジョンの変わりように不安を隠せないのは妻のマリアンヌ。
一方で、ジミーは水面下でカジノのワールド・ハイアライを乗っ取ろうと計画。
しかしその計画から外されたジミーは報復を計画。
「ハイアライのオーナー夫人が未亡人になるというのはどうだ?」と・・・・。
つまり、オーナーを殺せ!という指示。
その密会の場にいたハロランを信用できないと考えたジミーは彼に金を渡し、立ち去るように命じる。
その後、マルトラーノがオーナーをゴルフ終わりに車中で射殺。
オーナーが殺されたニュースを見たハロランはジミーらがやったと確信し、FBIに駆け込み、ジョンやモリスのこの事を打ち明ける。
しかしジョンはドラッグ漬けの彼を信用できないとして帰らせてしまう。

時はセント・パトリックスデイ・パレードの日。
ビリーの演説が行われ、遠くからそれを見守るジミー。
そこにジョンが現れ、事の真相を確かめる。

ジミーは何も語らなかったが、どこからその情報が?と逆にジョンを追及。
その後、ハロランは友人と共に車に乗っている所をジミーにライフルで射殺されるのだった。

さらにフレミの愛人の子デボラが警察に捕まり、身柄を引き取りに行くジミーとフレミ。
彼女は警察でジミーらの事でマズイ話しは何もしていないと言うものの、信用できないジミーはフレミの前で彼女の首を絞めて殺してしまう。

そしてフレミ自身にデボラの遺体を始末させるのだった。
どんどんジミーの悪事が激化していく中、ジョンとの密約関係も深刻な状況に陥って行く。
FBIには新しい検事フレッド・ワイシャックが異動。
ワイシャックはジミーが何故何年も警察の手を逃れる事ができるのか?とジョンに突きつける。
証拠を残さない!と苦し紛れの言い訳をするジョン。
いよいよジミーやビリーにFBIの捜査の目が向き始め、ジョンはビリーに警告。

そんな時、ジミーの母親が死亡。
ビリーが仕切る葬儀を、遠くのバルコニーで見守るしか出来ないジミー。

彼の心の傷の深さを誰よりも感じているビリー。
そして葬儀に友達として参列するジョン。
その後のジミーはIRAへの武器提供に乗り出していたが、密輸が何者かに密告されてしまい押収されてしまう。
その密告者がジョンの情報で、ウィンターヒル・ギャングの情報屋マッキンタイヤと判明すると、ジミーは彼を拷問した挙句に絞殺。
ジョンとジミーの関係を洗い直していたFBIのワイシャックとマグワイアは二人の密約を確信する。
そしてモリスは訴追免除と交換に二人の密約について暴露してしまい、それによりマルトラーノ、フレミ、ウィークスは逮捕され、その後ジョンも逮捕されるのだった。

自宅で落ち込むビリーの元にジミーから電話が入る。
「しばらく姿を隠す」と言ってさよならを言うジミー。

そしてエンディング。
ウィークスとマルトラーノは服役を終え、普通の生活に戻っていると。
フレミは10件の殺人で終身刑。
ビリーは上院議員を辞職、マサチューセッツ州の総長になったが、ジミーと電話連絡を取ったことがバレて総長を辞任。
ジョンは第二級殺人で有罪となり、州刑務所に懲役40年。
そして2011年6月、
何者かの密告により、16年の逃亡生活を終え逮捕されるジミー、この時すでに81歳となっていた。
そして終身刑2回と5年の懲役で服役中。