クロネコの甘えんぼさん。
のりまきくんのお話です。
先日トライアルが決定し、
スタッフみんなで祝福して送り出す予定でした。
その10日ほど前、スタッフがのりまきがお口になんだか違和感があるようで歯ぎしりをしているのを発見しました。
念の為、病院の先生にお口を見てもらいましたが特に気にすることはないでしょうと何事もなく帰ってきました。
そして、トライアル前日。
なんとなく毛が立ってる(いつもならツヤツヤで毛がねている)
なんとなく尾てい骨が触れる気がする…
このなんとなく嫌な気配ともやもやした不安を払拭するため、その日病院で血液検査を受けました。
この「なんとなく」は、いやな気配と勘でした。
どうせ私の考えすぎだ、明日にはのりまきはずっとのおうちに出発するんだ、と言い聞かせていました。
そして私の気にしていた血液検査の結果はグレーゾーン。
先生も最初は「気にしすぎている」ただの風邪の初期症状の可能性のほうが高いと言われました。
それでもなんだかスッキリしなかったのでエコーを撮ってもらうことに。
そこで胸水が溜まっていることが発覚しました。
ここから先生の声も険しいものになりました。
私が、この病気だけは違うと言ってほしい…。そう願っていたその病気の可能性でほぼ間違いないとなったからです。
それは「FIP」です。
数年前はこの病気になるとほぼ100パーセントで亡くなる猫さんの病気でした。
発症率100匹中2〜3匹、もしくは5〜10匹、
読む本によっても聞く先生によっても意見も見解もバラバラです。
ですが発症の原因はいまだ不明とされているため防ぐことも難しい病気です。
発症するとどんどん小さな命を蝕んでいき、見守る家族をも苦しめる病気です。
ただそんなまだ解明されていない病気にも光が見えてきました、治療法が少しづつわかってきたのです。
いままで藁にもすがる気持ちでいた家族の皆様には朗報でした。
保護猫さんと関わっていく私たちにとっても両手をあげて喜ぶ明るい知らせです。
ただし、あまりにもまだわかっていない病気だったが故に、まだ治療薬は簡単に手に入るものではなく非常に高価なものでした。
飲み薬から、注射での治療も加わり、それにより救われる小さな命が増え、喜びの声をSNSでも拝見することが多くなりました。
そして今回のりまきがFIPとわかり、治療する以外の選択肢はありませんでした。
助かる方法があるなら助けたい、
本当はトライアルへ出発しておうちの人に受け入れてもらって、たくさん愛情をうけて、不自由のない、幸せしかない暮らしが待っていたはず。
なのに。これからってところで。
幸せの切符を無くしていまうなんて悲しすぎます。
その日から注射での治療を開始し、先日3週間検診をうけました。
結果は、良好でした!
血液検査の数値はほぼ全部が正常値。
毎日イタイ、イタイ注射を頑張ってくれているのりまきは、本当にエラいです!
本当はかけっこして遊びまわりたい年頃だけど、普段はファミーユウリエルにてゲージ生活中。
あまえんぼうさんなので「だっこしてよ!」「あそんでよ!」とうったえてきます。
あと2ヶ月。イタイ、イタイの日々がまだ続くけど。たくさんたくさん甘やかすから。
もう少し頑張って、ぬくぬくの幸せが待つずっとのお家いき切符を掴んでほしいです。
のりまき、辛いけど。
ウリエルのみんな、そばにいるから。一緒に頑張ろうね。
そして、この治療費はうりえる救急箱(月額制保護猫さん医療費基金)であつまった皆さんの支援を使わせていただいたいます。
毎月焼き菓子メニューを考えて、製作に当たってくれるスタッフ。
ポストカードにつかう可愛いみんにゃの写真を撮ってくれるスタッフ。
梱包はファミーユウリエルの仲間にお手伝いしてもらっています。
そして、まだ家族のいない保護猫さんたちのために支援したいという優しいみなさんのおかげで、
小さな命を救うことができます。
本当に。本当に皆さん、ありがとうございます。
*トライアル希望だったご家族さまにはウリエルからキャンセルとして詳細を含めお伝えさせていただきました。