文章を書く…ということも、

Twitterやインスタ、Tiktokが主流となったいまとなっては縁遠いものとなってしまいました。

 

ですが、

今回はきちんと文章にしておきたいな、と強く思ったので

久しぶりのブログでご挨拶をさせていただきます。

 

 

今回は猫邸スイートホームのアネラについてです。

アネラとエールは11歳でやってきた白猫シニアのおばあちゃんとおじいちゃんです。

おんなじ場所からやってきたこの白猫ペアは、顔も性格もてんで似てなくて、

ただふたりに共通しているのは人が好きな甘えんぼさんというところでした。

飼い主さんは亡くなり、彼女たちがいままでどうやって暮らしてきたのかは不明です。

 

10歳を過ぎたシニアの子達を受け入れることは、ウリエルにとっても負担も不安も大きく

ただでさえ猫邸の子達は高齢の子が多いためご飯管理、体重管理そして毎週数回ある通院の子たちの管理など、

スタッフにも負担をかけていることが多いので心配をしていました。

ですが、今年の3月に猫邸の店長とも話し合いアネラたちを受け入れましょうと決めてから、

スタッフ全員でアネラもエールも全力で可愛がり、居場所になろうと尽力をつくしてくれています。

 

来た当初、ふたりとも実年齢にくらべるとボロボロで、

毛艶もなく、めやにもついて、特にアネラは鼻は赤く傷つき、耳はただれてカサブタだらけでした。

病院でお薬をもらって耳に塗るものの治りは遅く、原因究明のため思い当たる検査には出しましたが異常もなく、原因はわからずでした。

 

 

そして、どっしりビックベイビーのエール、

あまえんぼう大福のアネラ、ふたりが猫邸の暮らしにも馴染んできたという時に最初の異変が訪れました。

あんなにもご飯が大好きだったアネラに食欲不振が続いたのです。

まさかと思い病院に連れて行くと、

肺に水が溜まり血液検査からはFIP疑いという結果がでました。

(FIPは伝染性腹膜炎と言われ原因不明でそのままだと死に至る病気)

高齢猫で体力がない上にFIP…心配事や、

なんでアネラが…というどうしようもない不安が頭をかけめぐりましたが

悲しむにはまだ早すぎる、まずはできることを全力でしよう!

とスタッフみんなで一心に寛解を目指していました。

幸い早期発見のため治療薬がすぐに効き、

またいつものようにおねだり上手なアネラがみられるようになり、

あとは投薬期間を無事に終えること、そして再発がないことを願うばかりでした。

 

ところが先日、

アネラが来た時から鼻にあった傷が凹んでいる、腫れている気がする…とスタッフから報告があり

念の為に病院に連れて先生に相談することに。

白猫さんはどうしても皮膚が弱く、傷つきやすく、カサブタができることも多いので、とりあえず消毒をして様子をみるか…となったところで、

猫邸の店長と元動物看護師であるスタッフの頭のなかに「扁平上皮癌」の可能性が頭によぎりました。

扁平上皮癌とは、表皮に存在する細胞が悪性化してできるガンです。

先生に相談した結果、可能性としてはかなり低いが、ありえないことでもない。ということで、念の為病理検査を出すことになりました。

スタッフも私も、「まさかな」と疑いの気持ちの方が大きかったです。

 

そして結果、

アネラの鼻の傷は扁平上皮癌でした。

 

11歳でご飯が大好き、人がだいすき。

今まではどんな生活をしていたかはわからない。

けれども、ここから。猫邸から、また第二の猫生をはじめていこうね。

そう思ってこの子たちを受け入れ、見守っていこうとスタッフ全員がおもっていたはずです。

そこでFIPとなり、毎日の投薬もがんばり、ご飯も美味しいけれど健康のためにちょっとダイエットもして、

アネラはこれから幸せになる準備をたくさん、たくさん頑張ってきました。

 

FIPの投薬期間も折り返し地点。

どうしてアネラが。こんなにも頑張ってるのに。

もっと早くに気づいてあげれたら…そんな考えても仕方ないタラレバを永遠と思ってしまいます。

 

外科手術か放射線治療か投薬治療か。

選択肢はあるけれどもそれぞれにメリットもデメリットもあるわけで、

それらを十分に知ってから判断をしてあげたい。

そこで箕面にある高度医療センターに紹介していただき、かけこんできたのがまさに2日前のことでした。

 

 

外科手術になると鼻の周りを切除し、その部分の根治はできるが完全に取り切れるかはわからない。

だからこそ大きく顔を削ることになる。

最初はアネラの可愛いお顔を変形をさせたくはない、その気持ちで放射線治療を望む気持ちが大きかったですが

放射線治療をした後の再発の確率が低くないということ、

そして再発したあとには、選択肢をかなり狭めてしまうことなどを知りました。

先生には質問を私が把握できるまで何度もしつこく尋ねました。

切った後の再発はどうなのか。放射線の途中で方針を変えることはできないのか。

など、なにがアネラにとって最善なのか、どの方法が後悔することが少ないのか。いまこの瞬間に答えを出すべきなのか。

決断すること自体を悩み、

また先生に質問を繰り返し、と私自身もなにが正解かわからなくなっていました。

 

ただ、診察の待合の間に私は今後の猫邸のかたち、

そしてそこに居る猫ちゃんたちのことを猫邸の店長に話していました。

「ユノさんや、うーちゃんそしてオーレン、猫邸で猫生を終えた子達もいる。

けれども、その子たちは家族がいなくてかわいそうだった。じゃなくて猫邸が「わがや」になって、居場所となって

私たちも愛情をこれでもかと注いで、たくさんなでて、おかえりが言える場所にしたい」そう話していました。

 

そして私がアネラの治療方針に頭を抱えて悩んでいたところで猫邸の店長が

「もうさっき話していた通り、猫邸のもうひとつのかたち、方針が決まっているのであれば、切りましょう。アネラがどんな姿になっても僕たちは愛せますよ」

と背中を押してくれました。

そして、まさにその通りで私はアネラがどんな姿になっても愛せるというのは確かだなと。

可愛い今のお顔が変形してしまっても、あまえんぼうで、くいしんぼうで、でもお薬も毎日ちゃんと飲んでくれて、いい子で愛おしい存在は変わらない。

そして、それは私だけじゃなくて、スタッフみんなそうアネラのことを思ってくれていました。

 

一番頑張るのはアネラであって、検査の日も大好きなご飯も我慢して病院でCTのために麻酔をして

病理検査を念の為に耳も行うために耳カットもして、

それでも迎えに行ったときには「もう、おうちにかえりましょ」と私たちのことをキャリーの中から見上げていました。

そんな頑張っているアネラを幸せにしてあげたい。

しっかりしないとなと改めておもいました。

 

なので、アネラはFIPの治療と扁平上皮癌の外科手術という

どちらもヘビーな病気とこれから戦ってくれます。

そして私たちはこれからもアネラのことをもっともっと愛して、可愛い可愛いするつもりです。

今後はスタッフルームが主となりみなさまの前には直ぐには出てこれないとはおもいますが、

アネラらしくこれからも過ごしてもらいます。

手術は耳の病理検査の結果を待つ必要があるので10月末予定になります。

 

また、何かの形でご報告させていただきたいと思っております。

 

そして治療費は今回はかなりの巨額になるであろうと想定しております。

最初に聞いてた放射線治療の金額とあまり変わらず、先生からおおよその手術費を聞いたときは

さすがに一拍おいて頭の中で金額をつぶやきました。

もちろんだからといってアネラの方針を変えることは考えてはいません。

 

もしみなさまにもご協力をいただけるなら、「うりえる救急箱」を知っていただけたら幸いです。

うりえる救急箱は、身体が弱い子も、子猫もシニアも、ハンディキャップをもった子も

みんなが平等に医療を受けれるように、それを一緒に望んでくださる方への

保護猫さんの医療費サブスプリクションです。

保護猫さんのためになにかしたい、そんな方へ毎月500円からご協力していただき

お礼品としてポストカードや焼き菓子をお送りさせていただいております。

 

もしご興味がありましたら見ていただけると嬉しいです。

 

 

 

これからアネラはたくさん頑張ってくれます。

そして私たちはただひたすらに抱きしめて支えてあげたいとおもっています。