いつのまにか前の更新から1年も経ってしまいました。

ひっそりと、自己満足で始めたブログです。

この仕事に就いて4年目になりますが、原点となったあの日々のことを忘れずにいよう、

そんな気持ちで少しずつ綴っていきたいと思っています。


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東北大会の表彰式。

舞台の前には、各県ごとに会議用の細長いテーブルが並べられ

クロスがかけられていました。


そのテーブルに、マユさん、サカさん、千秋さん、由実さん、そして私が着き

表彰式が始まるのを待っていました。


みんな、笑顔でした。


「早く、始まらないかな~」

「大丈夫、私たちの中から必ず代表3名に入るよ」

「楽しみだね」


表彰式がこんなに待ち遠しいのは初めてでした。

私たちは、練習したものを全部出してやり遂げた達成感と満足感に浸っていました。

今までは頑張った分まで、結果はついてきました。

今回も確かな手ごたえを感じ、全員が同じ想いでいました。


「それでは、成績を発表します」


思わず背筋が伸びました。


どうなんだろう・・・。


「まず、入賞は・・・○○県○○地区代表・・・・・様!」


暗算で消費税までその場で計算していた、銀行マンさんです。


私たちの名前が出るのは、まだまだ。

だって、全国大会に進む上位3名で呼ばれるはずだもの。

昨年全国大会に行っているマユさんからお墨付きをもらっているし・・・。


「続いての入賞は、△△県、○○地区代表、・・・・様」


「では、第3位」


よしっ。


「○△県、○○地区代表、・・・・・・様!」


あれ?


・・・違う地区の選手でした。


「準優勝は、○○県、・・・地区代表、・・・・・様!」


・・・違う。


何かが違う。だって、いいと思った選手が誰も呼ばれない・・・・


「ではいよいよ優勝です!」


待って、待って・・・・違う・・・・


「最優秀賞は・・・○△県、△△地区代表、・・・・・・様!おめでとうございます!」




私たちはショックのあまり、しばらく声も出ませんでした。


「・・・うそ」


サカさんが口を開きました。


「どうして、あの人が入ったの?」


「どこがよかったの?」


「なんで?なんであの人が優勝なの?」


混乱していました。


自分ひとりの評価ならいざ知らず、こうやって5人も集まって皆が同じ結果を信じていたのに

それがもろくも崩れ去ったのです。


いくら悔しがっても、結果は覆らない。


私たちは深い絶望感に打ちのめされました。



・・・今まで信じてやってきたことは何だったんだろう。


感じがいいねと褒められて、もっと上手くなりたい、もっと感じがいいと言われたい、

そう思い続けて練習してきたのに、どこが悪かったんたろう。


事前研修の時に「声が出ていない」と言われて練習したつもりだったけど

全然声が出ていなかったんだろうか。


これでいいと思ってやってきたことは、実は大きく外れていたことじゃなかったのか。


とんでもない勘違いを私たちはしていたんじゃないか。





『おまえ、いい気になるんじゃないよ。コンクールで全国大会に行こうなんて、とんだ思い上がりだ』




・・・自分の全てを否定され、そう言われたような気がして、私はその場から動けませんでした。