本 日の日経新聞朝刊には、折込チラシと一緒に就職ナビ(navi)の公告も入っていました。チラシではなく、日経新聞の別紙として。毎年この時期に出るんで しょうか。あまり気に掛けないのですが、今回は改めてランキングを見ることに。そして、トップ10には大きな驚きがありました。それは、
すべて金融機関
という点。ちなみに、第10位までは以下の通りです。
【日経就職ナビ総合ラインキングトップ10】
1位 日本生命
2位 東京海上日動火災保険
3位 第一生命保険
4位 三菱東京UFJ銀行
5位 三井住友海上火災保険
6位 三菱UFJ信託銀行
7位 みずほフィナンシャルグループ
8位 三井住友銀行
9位 三井住友信託銀行
10位 明治安田生命保険
保険会社・銀行のオンパレード。今時の学生はここまで安定志向なのでしょうか。しかも、トップ3が安定した保険料収入で稼ぐ保険会社。超安定志向という表現の方がいいかもしれません。
ちなみに、1年前の2011年12月~2012年1月に掛けて行われたアンケート結果は、ウェブで掲載 されていました。2年前 も合わせてまとめると以下のようになります。
【2010年・2011年調査の総合ランキングまとめ】
[2011年調査]
1~9位 保険会社・銀行
10位 サントリー
[2010年調査]
1~7位 保険会社・銀行
8位 ソニー
9位 三菱UFJ信託銀行
10位 東日本旅客鉄道
も ともと、保険会社・銀行志向は人気就職先なのですね。初めて知りました。ただ、2010年・2011年調査とも、保険会社・銀行以外のメーカー・鉄道会社 が入っていることを考えると、より安定志向になったのは間違いないようです。個人的予想では、比較的給料が高く多様な業界に人材を排出している商社が、 トップ10に入っているかと思っていたのですが、そんなガツガツした学生はあまり多くないようです。ちなみに、一番順位の高い商社は、調査年別に次のよう になります。
【就活生に一番人気の商社】
[2012年]20位 三菱商事
[2011年]19位 三菱商事
[2010年]15位 三菱商事
毎年のように順位を落としているということは、それだけ人気が落ちているということ。今の就活生にとって給料の高さは、大きなインセンティブになっていないようです。
金融が上位になっていますが、証券会社の名前はトップ10にはありません。そこで、各調査年における最上位の証券会社をまとめると、以下になります。
【就活生に一番人気の証券会社】
[2012年]21位 大和証券グループ
[2011年]?
[2010年]31位 大和証券グループ
20位にも入っていないところを見ると、保険会社・銀行とは全く違うビジネスと捉えられているのかもしれません。安定していないというイメージでしょうか。
さらに、今日の日経別紙をみると、選んだ理由が多い順に記載されています。興味深いのは、
仕事が面白そうな企業≠人気企業
ということ。ちなみに、1位の日本生命保険が選ばれたのは、
規模が大きい 58.3%
一流である 53.1%
安定している 48.5%
社会に貢献している 47.2%
社風がよい 47.0%
と いう理由だそうです。そして、「仕事が面白そうである」というのは、第5位の三井住友海上火災保険でやっと登場します。そして、三井住友海上火災保険以外 で、「仕事が面白そうである」ことを理由に選ばれたのは、6位の三菱UFJ信託銀行と9位の三井住友信託銀行のみ。(10位までの企業しか理由は掲載され ていません)今の若者は、仕事に面白みを期待していないことがわかります。
となると、仕事以外のことで何かしら楽しみを持 つのでしょう。逆に言えば、何かしら楽しさを付加すれば、モノが売れるということになるのでしょうか。直球で考えれば、仕事帰りのカルチャー教室の需要 も、潜在的には高いのかもしれません。金融機関に勤める社会人は、比較的給与が高いことを考えれば、娯楽・エンターテイメントサービスのターゲットとして ふさわしいかと思います。
☆ 今日のまとめ☆
今の就活生は、安定した保険会社・銀行を希望する人が多い。
ただし、その希望理由で仕事の楽しさを挙げる人は少数である。
仕事以外に楽しさを求めると考えれば、楽しさは売れる商材となるだろう。
マーケティング・ビジネスのヒントに関するブログも書いています
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
金融機関希望者=金融機関就職者とは必ずしもならないので、少し粗っぽい考えかもしれないですね。
ただ、電車の中でスマホをいじっている人の多くがゲームをしているところを見ると、楽しさを仕事以外に求める人は多いように感じます。
☆経営コンサルタント 石原明さんの言葉☆
「1回チラシを巻いて、そのチラシの効果があるということは確かに重要なのですが、市場に対してわが社を認知させるという意味では、回数を重ねて定期的にまいていくということがとても重要なのです。」
(『気絶するほど儲かる絶対法則 売れるしかけと勝てるしくみの作り方』 より)
※ポッドキャストでいつもお世話になっています。この番組は本当に勉強になります。
※創業者・経営者・コンサルタントの心に残る言葉、元気になる言葉を紹介しています。