小学生高学年女子向けアパレル・ジャスティス

 

この前のWSJメルマガ(「ウォールストリート・ジャーナルから見た起業・ビジネスのヒント」) に て、米ドール(おもちゃの人形)メーカーに関する記事を取り上げました。この記事によると、アメリカの玩具メーカーは、ドールの発売先として小学生高学年 をターゲットにしたアパレル店・ジャスティスを選択しているということ。そして、発売当初は、ジャスティスの独占販売とし、ウォルマート・ストアーズなど の量販店での販売をしないとのことでした。

 

なぜ量販店では販売せず、アパレル店の独占販売にしたのか。その理由は、

 

ジャスティスの方がファンを増やしやすいから

 

で す。正確には、「ファン」というよりも「熱狂的なファン」なのかもしれません。ジャスティスは、10代前半の女の子から熱烈な支持を得ているのでしょう。 その店舗で発売したドールは、いくつもベストセラーになっているようです。しかしながら、冷静に考えてみれば、ジャスティスで独占販売する代わりに、量販 店での販売機会を失った形になります。収益の最大化という観点からは、少し首を傾げざるを得ません。

 

そこで、専門店と量販店の販売メリット・デメリットを考えてみました。

 

【専門店と量販店の販売ルートとしてのメリット・デメリット】

[専門店]

メリット→ファンを作りやすい

デメリット→販売数量が限られる

[量販店]

メリット→販売数量を最大化できる

デメリット→価格競争に陥り易い

 

専門店のメリットは、ジャスティスが好例。マスでは無く、絞ったターゲットに訴求できることで、ファンが作りやすくなります。その結果、価格を下げずとも販売できます。一方で、絞ったことにより、販売数量には上限があります。これがデメリットになります。

 

量 販店のメリットは、専門店のデメリットの裏返し。マスを集客する量販店だけあって、店頭で販売されれば、商品に目が触れる人は激増します。目に触れた人の 一定割合が購入すると考えれば、販売数量は最大化します。ただ、量販店はその品揃えが多いために、店内での競争が発生します。例えば、ドールを量販店で販 売すれば、来店客は競合メーカーのドールと比較するわけです。しかも、量販店は多店舗展開しているため、競合チェーンとの競争にも晒されます。その結果、 価格競争が起きやすくなり、値下がりするリスクは大きくなります。その結果、ブランド価値が毀損されるかもしれません。

 

ど ちらのルートをメインに選ぶかは、その商品の特性にもよるでしょう。大量生産商品ならば、大量に販売しなければならないので、量販店メインになります。一 方、ブランド力の高い商品や希少性の高い商品ならば、量販店での値下がりが懸念されるので、専門店ルートが選ばれるでしょう。

 

し かし、ブランド力の構築に成功した企業ならば、専門店から量販店への進出が可能になります。その好例がスターバックス。スターバックスの商品は、そのほと んどがスターバックス・コーヒーで販売されています。スタバのコーヒーショップですね。しかし、スタバブランドの商品は、スーパー・コンビニにも進出して います。例えば、当初スタバのインスタントコーヒー・VIAは、スターバックスのコーヒーショップでの販売しか行われていませんでした。しかし、今では、 コンビニ・スーパーの多くで販売されています。

 

量販店から専門店への進出は難しいかもしれないですが、専門店から量販店への進出は容易です。今後、専門店で知名度を上げたブランドが、量販店で幅を利かせるようになるのではないでしょうか。

 

☆ 今日のまとめ☆

専門店はファンを作りやすいルートである一方で、販売数量に限度があるというデメリットがある。

量販店は販売数量を最大化できるが、価格競争に陥りやすい。

今後、専門店で力を付けたブランドが、量販店に進出するのではないか。

 

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☆ 今日のこぼれ話☆

スタバのコーヒーショップ以外の売上は、どの程度あるのでしょうか。

スターバックスジャパンは上場しているので、今度調べてみようかと思います。

 

 

☆経営コンサルタント 石原明さんの言葉☆

「経営とは何かというと、何を使ってもいいということ。つまり、この世にあるものを自分が活かして、収益を上げるような方法を生み出せばいいということなのです。」

 

『気絶するほど儲かる絶対法則 売れるしかけと勝てるしくみの作り方』 より)

※ポッドキャストでいつもお世話になっています。この番組は本当に勉強になります。

※創業者・経営者・コンサルタントの心に残る言葉、元気になる言葉を紹介しています。