先日、神戸マルイの前を通ったところ、上のようなチラシを配るカウンターがありました。このカウンターでやっていたのは、「秋冬物衣料品下取りチャリティー」という下取り企画。リーマン・ショック後に百貨店でよく見られた、衣料品の下取りキャンペーンです。
このキャンペーンは、神戸マルイだけでなく、全国の丸井で12月上旬に行われています。そこで、丸井が下取りキャンペーンを行った理由を考えてみました。
【丸井が下取りキャンペーンを行った理由】
[1] 既存店売上高が振るわないから
[2] 12月売上が悲観的だから
[3] メール会員獲得のため
[4] 新規顧客獲得が必要だから
1 に関して、下取りに出すと200円割引券がもらえます。この割引券は、2000円につき1枚使えます。ただし、利用除外品の規約があり、セール品やその他 割引との併用は不可。つまり、プロバー商品の購入時しか使えません。プロパー商品は、セール商品よりも単価・利益率とも高いことを考えれば、このキャン ペーンを行うことで、客数のみならず客単価向上を計れることになります。そこで、丸井の既存店売上高を調べてみました。
11月は季節要因のためか前年をクリア しましたが、10月までは7ヶ月連続前年割れ 。下取りキャンペーンを行うことで、累積既存店売上高のマイナスを少しでも小さくしたいという意図が読み取れます。ちなみに、丸井の小売粗利益率は、第二四半期の実績値 において、前年同月値・予測値ともに下回っています。プロパー商品の販売を増やして、粗利益率の改善に努めようとしているとも、読み取れます。
2 に関しては、1とも関連があります。200円割引券の利用期限は、年内いっぱい。財布の紐が緩みやすい12月に、売上を稼ごうという戦略ですね。11月は 季節要因により、既存店売上高が前年をクリアしたものの、12月はさほど楽観してないのでしょう。冬のボーナスも期待できない一方、年末年始に旅行する人 が増えると、日経新聞に書いていました。ということは、旅行費用を捻出しようと、12月に節約に励んでも不思議ではありません。だから、丸井は12月売上 を楽観視していないのかと思います。
3に関して、このチラシには、「エポスネットへのご登録で次回ご案内をメールにてお知 らせします」という文章が掲載されています。もちろん、登録は無料。今回の下取りキャンペーンをたまたま知った人(私みたいな人)で、エポスネットに登録 する人は多いのではないでしょうか。つまり、この下取りキャンペーンは、エポスネット会員獲得もその目的とされていると、考えることができます。メール会 員には、セール情報など購入につなげる情報発信を低コストで行うことができます。メール会員になってもらえば、年内のみならず、来年以降の売上にもつなげ ることができるのです。
4に関して、下取りキャンペーンのカウンターに群がっていたのが、50代・60代のご婦人方。この 方々の関心は、割引券をもらえるだけでなく、リサイクル・社会貢献にもあるように感じました。そして、50代・60代の女性は、丸井の顧客層と全く異なる ことを考えれば、社会貢献を訴えた下取りキャンペーンは、新規顧客獲得につながると考えられます。実際、チラシの表紙は、チャリティーバザーの風景画像 や、途上国に送られた用紙の画像が掲載されています。また、年配向けの洋服を探していることも、チラシには明記されています。丸井がこれまで顧客としてき た若者向けには、到底見えません。下取りキャンペーンを利用した50代・60代の女性は、割引券を使って、子供や孫にプレゼントを配るかもしれません。こ れまでリーチできなかったシルバー層へのコミュニケーション手段として、下取りキャンペーンが行われているのではないでしょうか。
これらをまとめれば、次のようになるのではないでしょうか。
【丸井が下取りキャンペーンを行った理由】
シルバー層を獲得することにより、若者だけでは減少傾向の売上をテコ入れしたいから。
若者向け商材を扱う企業も、シルバー層を意識せざるを得ない時代なのかもしれません。
☆今回のまとめ☆
丸井は、シルバー層獲得を目指して、下取りキャンペーンを行なっているのではないか。
既存店売上高の減少傾向から、若者だけを相手にしていてはまずいと、思ったのかもしれない。
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☆今日のこぼれ話☆
そう言えば、ここ4年ほど丸井に行っていません。
なぜかって?
丸井に何度か足を運んだけど、欲しい物がなかった経験がそうしているのかもしれませんね。
☆昨日の目標→その結果☆
投稿スケジュールに変動があるため、別の機会に公表します。
☆サイゼリア創業者 正垣泰彦の言葉☆
「科学は実験を通して、自分の仮説(思い込み)が間違っていることを教えてくれる。」(『おいしいから売れるのではない 売れているから美味しい料理だ』 より)
※労働集約的ビジネスである飲食店に科学的思考を取り入れるサイゼリアは、とてもおもしろい企業だと思います。その創業者はとてもユニークな理系の人。
