11月25日の日経新聞朝刊に、書籍の新しい取引制度に関する記事がありました。(日経電子版へのお申込みはこちら )
出 版取次最大手の日本出版販売は、書店からの返品を制限する「買い取り」取引を本格的に始める。2015年3月期末までに対象となる書籍を1万点に拡大す る。返品に伴う物流費などの無駄を減らすことで書店の取り分を増やす。本離れに加え電子書籍が普及するなか、書店の収益拡大につながる仕組みの取引を増や し経営を支援する動きが広がりそうだ。(2012年11月25日日経新聞朝刊より)
書籍販売は返品制度によって成り立っているようですが、この返品に制限を付けることによって、収益低迷に悩む書店を支援する動きが始まっているようです。記事の中では、次のような数字もありました。
【出版ビジネスに関する数字】
◯著者・出版社の取り分=書籍価格の70%程度
◯取次の取り分=書籍価格の8%程度
◯書店の取り分=書籍価格の20数%
こ れだけみると、出版ビジネスでは卸売業があまり儲からない領域であることがわかるかと思います。この利益率で収益を稼ごうとすれば、書籍販売数を増やす必 要があります。その数が売れなくなったので、取次は大変なわけです。さらに、電子書籍の登場・普及によって流通経路が短くなると、その存在自体が危うくな りかねません。
返品が発生するのは、書店の売れ残りリスクを無くすことにより、書店の品揃えを拡大し、書店の魅力を 高めることです。ユーザーのために、出版ビジネスの関係者が費用を負担している格好ですが、実際には返品費用が価格に上乗せされることになります。つま り、ユーザーも返品費用を負担しており、ユーザーのためになっていないことになるのです。
記事には、返品に関する数字として以下が取り上げられています。
【返品に関する数字】
◯日本出版販売(取次最大手)の返品率→12年3月期 33.5% 目標15年3月期25%
◯返品率が1ポイント下げると数億円浮く
こ の企業・ユーザー双方のためにならない、返品という歪みにメスを入れるのが、買い取り制。ただ、よくよく考えてみれば、出版業界のみならず、返品という問 題に悩まされている業界は多いのではないでしょうか。例えば、食品業界。「3分の1ルール」というのがクローズアップされて、返品削減への取り組みが始ま りました。ただ、今のところ研究会が始まっただけで、実際に返品削減につながるか明白ではありません。
返品という歪 みを正すには、結局企業・ユーザーともに得をする仕組みがないと、上手くいかないのではないでしょうか。出版業界の買い取り制の場合、返品が減ることで、 出版社・取次・書店の利益率が高まりますが、ユーザーには特にメリットはないようです。このユーザーへのメリットをどう作るかが、買い取り制の成否に影響 を与えるかと思います。そして、他の業界の返品問題も同様、ユーザーのメリットがどう生み出すかが、一番重要になるかと思います。
☆今回のまとめ☆
企業・ユーザー双方のためにならない返品は、大きな歪みとしてビジネスチャンスにならないか。
ただし、その場合、企業だけでなく、ユーザーのメリットをどう生み出すかが、重要になるだろう。
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☆今日のこぼれ話☆
久しぶりに近くのリカーショップに行ったら、輸入品の第三のビールの売れ行きがあまりよくないとのこと。
大手メーカー品の値下げが影響しているのでしょうか。
それとも、第三のビールからビールへの回帰が起こっているのでしょうか。
☆昨日の目標→その結果☆
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☆浅野財閥創始者 浅野総一郎の言葉☆
「人は一日三時間寝れば十分だ。貴重な時間を空しく睡眠に費やすのは惜しい。 」(『経営者100の言葉』 より)
