すじをとおす | カフェレオグループの社長ブログ

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ゲームやアニメーションなどのキャラクターグッズに関わる仕事をやっているカフェレオホールディングスという会社の代表をやっています。
グループ企業で「アルジャーノンプロダクト」「日本卓上開発」「CPL」という会社を運営しています。

本日誕生日を迎えました。

普段は会社のスタッフたちがお祝いをしてくれるのですが、新型コロナウイルスの影響で皆に気遣いをさせるのも申し訳ないので、本日は休暇にして部屋に引きこもりながらメールのチェックなど半テレワークモードの時間を過ごしています。

 

毎年誕生日を迎えると思い出すのがカフェレオを設立した時のことです。

 

前職は大手玩具メーカーのOBの方の会社にお世話になっていたのですが、退職したときは最終日の7月末日まで出社して翌日は新会社の現在の当社で仕事をスタートする状態でした。前職の暖簾わけではないのですが一部の事業を引き継いで起業することを前提で退職する形を了承いただいていたので、前職の仕事をしながら起業の準備を行うという2足の草鞋を履いた日々を過ごしていました。

 

設立後、前職から付き合いのあった取引先を中心に営業をかけるのですが3割ぐらいの取引先とどうしても口座が開きません。

現場の担当者の感触はよいのですが、店長や責任者の人から当社との取引の許可がおりません。

 

設立したての経験も資金も無い会社ですので信用が無いのはわかるのですが、どうにも現場の担当者と責任者の方々の温度の差に不安を持つ状況でした。

 

いろいろなお願いをしながら責任者の方と会わせていただき取引の話を進めていくと一様に聞かれたことは

 

「円満退社をしたのか?」

「前職から事業を奪っていないのか?」

 

この2点でした。

 

当時の自身は前職の社長から現在の事業の許可をもらっていたつもりだし、「売れるもの」があれば取引ができると思っていたのですが、あくまで自己中心の浅はかな考え方だったのかもしれません。

 

要は自身以外に関わる様々な「ステークホルダー」の人々への配慮が浅く、『筋(すじ)』を通していなかったことが理由だったと思います。

 

あらためて独立の経緯を説明して取引が進んだのは一部です。

取引が無くても定期的に訪問して商品を案内し続けたり、時に本業以外の相談でも積極的に手伝ったりして、当初自身が想定していた取引先との関係が作れたのは3年ぐらいかかったと思います。

 

今も前職でお世話になった社長に恩返しができたとは到底思っていませんが、縁の中で社長の息子や親戚の人たちが当社において欠かすことのできないビジネスパートナーとして今も付き合えていることはありがたいことです。

 

最近、当社内で起こる出来事のひとつとして

 

「自身で決めたことだから」

「自分で考えたことなので変えることはできません」

 

など、主張を曲げず相談の余地もない出来事が起こったりします。

 

自身で考えや主張を持つことは大切なことです。

ただ自分ひとりで完結することであればよいのですが、そこに部下や同僚、取引先などが関係してくると話は違ってきます。

 

「自身で正しいと決めたこと」と貫いでも「筋」が通らなければ「正しい」ことになりません。

 

僕自身も起こりえた出来事に対して「筋」を通すために各所を周り事情の説明や了承をもらう事をしなければならないことがあります。本人は自身の「大義」と「正論」で進んでいますが、関わっている人の立場からみれば「不義」と思われることが多々あるのです。

 

新型コロナウイルスの影響で退職や転職も増える状況の中で、当社の周りにおいてもいろいろな事が起きています。

気持ちに余力が持てない状況を恨みながらも、しみじみ設立した時のことを思い出す1日でした。