2016年を振り返る | カフェレオグループの社長ブログ

カフェレオグループの社長ブログ

ゲームやアニメーションなどのキャラクターグッズに関わる仕事をやっているカフェレオホールディングスという会社の代表をやっています。
グループ企業で「アルジャーノンプロダクト」「日本卓上開発」「CPL」という会社を運営しています。

今年も最後の一日となりました。

当社は12月28日にて本年の業務を終了しました。今年も多くのみなさまにお世話になりありがとうございました。この場を借りてお礼を申し上げます。

 

さて今年もばたばたで走り続けた一年でしたのでこの機会に自身の為にも一年を振り返ってみたいと思います。

 

あらためてカレンダーを確認してみると2016年はアルジャーノンプロダクトからスタートした一年でした。アルジャーノンプロダクトはカフェレオの関連会社でキャラクターグッズのメーカーです。設立から7年目を迎えた会社ですが2015年は小さいながら体制作りを目標にしてできるだけ現場に任せることを意識しながら運営してきました。自身の関わり方も反省点ではあるのですがこの判断が裏目になってしまい「任せる」=「自由・放任」になってしまい、案件も予定通り進まずトラブルも連発して後処理に回ることが増えてきました。最も重要視していたカフェレオとアルジャーノンプロダクトの連携も見られずお互いの距離感は広がるばかりでした。当たり前のように業績も悪化し、今年の最初には致命的な問題が発覚して悩んだ挙げ句、一旦「解体」という決断をくだしました。新年早々から事務所の解約や社員達の今後の道筋を付ける作業に入るという最悪のスタートを切ったことを思い出します。アルジャーノンプロダクトの法人格とブランドだけは残すことにして、いろいろと整理しながらカフェレオ側もアルジャーノンプロダクトのメンバーを受け入れる体制を新規で作り3月に合流を果たす形になりました。カフェレオ側も突然の体制変更や合流する側のメンバー達も大いに戸惑いながら業務を進めていきました。それでも時間が経つごとにコミュニケーションが活発化し、夏あたりからは「きゃらとりあシリーズ」や「セリフストラップ」などヒット商品も連発し、秋に開催された「AGF2016(アニメイトガールズフェスティバル)」では、おそ松さんのライセンスを取得し『マフィア松』という商品を企画しておかげさまで多くの支持を得る事ができました。

結局、業績的にはV字回復を達成したものの、今回の件では「人の関わりと意識」というものを本当に勉強する機会になりました。物事はロジックだけでは進みません。関わる人たちがプロセスと結果を共有してこそ達成感や反省も共有できることであることを再確認しました。今回の件では多くの方に迷惑と心配をかけましたが、あらためて「役割」を設定していくなかでしっかり再起動できる形を模索していきたいと思っています。

 

そんな状況の中で同時進行していたのが商品センターの移転です。年々増え続ける商品点数と出荷量にいよいよ倉庫のキャパが限界になり近隣の場所に新設された物流センターの一部を借りることになりました。横浜の新杉田の駅前の絶好のロケーションでしたが規模も4倍のスペースとなり投資も当社最大のトライとなりました。長年お付き合いをしている物流を委託しているパートナーの会社と合弁で新会社を設立して2月中旬に移転を行いました。規模を拡大したスペースは当社の取引先各社を誘致して「メーカー・卸・小売り」の商流が同じ場所で物流工程を構築する『ワンストップ』型の商品センターをコンセプトに現在も活動しています。本年末も膨大な小口量と人手不足で大手宅配便のキャパがオーバーして予定通りに荷物が届かなかったり小口割れして通常の納品ができなかったり今後の物流に大きな問題が残ったことは記憶に新しいところです。日本の経済は物流機能の努力で繁栄してきたことは間違いありません。しかしよりきめの細かいサービスの供給やコスト増大などの雇用不足で現在の物流の品質と金額を将来的に保たれる保証は極めて少ないと想定されます。当社も前期実績で1000万個近い商品の出荷を行っていますが、よりよい形で消費者や店頭に商品を届けるためには、ただ商品を作って出荷するだけではなく、いかにして最終納品できるかという部分まで意識を持たなければならない時代になりました。当社の物流企画会社である「CPL(カルチャー・パーティー・ロジスティクス)」は輸入からラストワンマイルまでの一連の物流工程を同じ場所で実現することを目標としています。物流事故や交通渋滞のリスクを回避しながら在庫情報の共有などを確立することが、大手宅配便任せで何通りもの場所を荷物が経由する「無駄」を排除する一つの手段だと考えています。

 

その間に年2回行われるワンダーフェスティバルにもう一つの関連会社である「日本卓上開発」が出展しました。自身のライフワーク的なプロジェクトのひとつである「ジオクレイパー」という商品ですが、2月のワンフェスは著名なモデラーさんのみなさまにお力添えを頂きバラエティ豊かなジオラマを展示する事ができました。7月に開催されたワンフェスは社内のスタッフ達にも参加してもらって3000個以上のサンプルを使っての大ジオラマを作成しました。まさにギネス的なトライになりましたが、社員のみんなで同じ目的に向かってひとつのことを行うことは日々の通常業務とは違う貴重な達成感を得られるものだと信じています。

日本卓上開発は新たに「BASE2500(ベースニーゴーマルマル)」というショールームを作り来年の活動に備えています。来年早々には新商品の発表もありますのでぜひ楽しみにしてください!

 

そんな大ジオラマ作成には今年4月に入社した新卒2期生のスタッフ達も参加してくれました。当社は隔年での新卒採用と定めて活動を始めていますが、やはり入社のタイミングになると社内の雰囲気も変わってきます。今年の初頭だけでも負荷が高い状況が続いていましたが、将来を担う若く元気なメンバー達が仲間に加わることは精神的にも助けられる出来事だったと記憶しています。社内や社外の研修を繰り返しながら秋あたりから本格的に独り立ちしていく体制になりましたが、いよいよ3期生となる新卒者対象の募集もスタートしましたので一層の成長を楽しみにしているところです。

 

3月には当社1階で運営している「ブックマーク浅草橋」でのイベントがスタート。

今年は『みなぎ得一 大召喚原画展 (3月)』『SD Illust Works とあざ展 (4月)』『縁起物百貨店 (5月)』『超高校級の人狼 MANIAX 封印されし体験会 (6月)』『Dance with Devils Museum - 1st Anniversary - (9月)』『まもって守護月天! 解封の章 原画展 (9月)』『アタモト ゆるかわイラスト展 -タヌキとキツネとゆかいな仲間たち- (12月)』

と7本の催事を開催しました。未だ試行錯誤の部分もありますが開催毎にノウハウも蓄積することができて来年以降は継続的に開催していければと思っています。今年最後に開催された「アタモト展」は実に30人ぐらいのキャパの会場に4000人以上の動員を行うことができブックマーク浅草橋自体の認知も少し高められたと思っています。ブックマーク浅草橋も来年で3周年を迎えます。

1月7日からは『「Fate/EXTELLA × TOWER RECORDS × BOOKMARK浅草橋」
~新年 領域支配権争奪戦~』
を開催します。来年もみなさまのご来場をお待ちしています!

 

8月は今年の大きなニュースのひとつでもありますがカフェレオが15周年を迎える事ができました。スクウェア・エニックスさんの「ファイナルファンタジー」のオフィシャルグッズの代理営業からスタートした当社ですが現在はアニメグッズなども中心に15年継続することができました。おかげさまでお付き合いするメーカーや販売店各社様も増えて起業したときには予測していない規模になってきました。この15年の中でライフスタイルや商流は大きく変化しました。当社も中小の規模ながら社員も増え雇用環境や福利厚生の構築も大きく変化しています。特に残業に関しては社会的な大きな問題になっていますが、「義務」と「権利」に関しては経営の中で一番大きな課題です。ステークホルダーは社員とその家族も含まれるものでありその幸せの価値を追求していくことは一番大切なものだと思います。一方でその生活を守るためには利益が必要であり、その利益を産み出す為には継続的に付加価値を供給していく必要があります。このバランスを確立していくことは実に難しく15年間経営というものに携わっても未だ答えは得る事ができていないと思っています。来年は世界情勢も大きく変化する雰囲気もあり、ますます企業経営は難しい段階に入っていきそうです。そんな状況の中でもまずは取引先や関係者のみなさまとの『縁』を尊重しながら日々の出来事に向かい合うことを意識していきたいと思っています。

 

今年は1年ぶりに熊本への社員研修も実施する事ができました。いまだ日本国内でいつ大きな大きな自然災害が起こるか予断が許さない状況ではありますが、実際に被害が起こった地域では年末のこの時間でも復興の中で苦労をしている人がたくさんいます。現地を訪問することで日々当たり前の生活や仕事ができることを感謝するきっかけをいただけました。とは言え現地の方々が元気で明るく出迎えてくれたことで逆にエネルギーをもらってしまった感もあります。熊本は地震の際に義援金を送ったのですが、先日熊本県よりお礼の手紙をいただきました。復興の過程で大変な状況の中の配慮は熊本県が人気の理由を垣間みた出来事でした。

 

さて前記にもありますが11月に開催された「アニメイトガールズフェスティバル2016」の『あるのんかふぇ』での出展は当社にとって大きな出来事となりました。今回はスタッフ達がアイデアを出し合いながら部署横断で運営してきましたが、自分達がいちユーザーとしての目線での意見も多く取り入れながらリスクにも向かい合って取り組んでくれました。結果、大きな事故もなくたくさんの皆様に商品をお届けできたことは今後の自信にもなりました。卸の仕事をしているとどうしてもルーティーンワークに凝り固まってしますのですが、自身の意志で「やりきる」ことが出来た事は今後の卸の仕事にもつながる経験になったのではないかと思っています。

 

個人的なライフワークのプロジェクトのひとつ「社長対談」ですが今年は壽屋の清水社長アゾンインターナショナルの早園社長の2名と行うことができました。来年で3年目を迎える当企画ですが、同業ながら業界を引っ張る経営者のみなさまの「経営観」を聞けることは自身でも大きな刺激になります。当社のウェブサイトの企画のひとつではあるのですが、様々なきっかけから起業して現在に至るプロセスは当社スタッフ達にもぜひ触れて欲しいという想いで行っています。ステークホルダーの方々とは売上や利益だけの付き合いではないことを感じて欲しい願いも込めて来年も継続していきたいと思っています。

 

ということで今年もトライ&エラーを繰り返しながらの一年となりましたが、こうして年を越せることに皆様に感謝しています。事業の拡大に伴い膨大な商品点数を取り扱っている現状ですが来年はしっかり取引先の皆様や商品に向き合いながら「記憶に残る」仕事をひとつでも多く実現していきたいと思っています。

 

みなさまもよい一年になることを願っています。

年明けは1月5日から仕事始めとなりますが、来年もどうぞ宜しくお願いします。

よい年を迎えてください。